Windowsで最近開いたファイルを確認する方法 — OpenSaveFilesView

クイックリンク
- Open Save Files Viewとは
- プログラムのダウンロード
- OSFVの使い方
- 言語オプション
Open Save Files Viewとは
定義: Open Save Files View(以後OSFV)は、Windowsの「OpenSavePidlMRU」と「OpenSaveMRU」レジストリキーを読み込み、ユーザーが最近開いたファイルの一覧を表示するNirSoftのユーティリティです。
OSFVが表示する主な情報:
- ファイル名
- ファイルの種類(拡張子)
- 開いた順序(起動順)
- 各形式で最後に開かれた日時
- 作成日時・更新日時
- ファイルサイズ
- 属性に関する情報
対応環境: 32ビット/64ビットWindowsで動作します。
重要: レジストリをクリアするクリーナーやプライバシーツールを使っていると、表示される情報が消えている場合があります。
プログラムのダウンロード
- NirSoftの公式ページからOpenSaveFilesViewをダウンロードしてください。ページ下部でOSのアーキテクチャ(32-bit / 64-bit)に合ったZIPを選びます。
- ダウンロード後、デスクトップに「OSFV」というフォルダを作成し、ZIPの中身をすべてそのフォルダに展開します。
注意: NirSoftのツールは自己完結型(ポータブル)で、システムにインストールされません。ウイルス対策ソフトが誤検知する場合がありますが、公式からダウンロードした実行ファイルであることを確認してから実行してください。
OSFVの使い方
展開したフォルダ内の「OpenSaveFilesView.exe」をダブルクリックして起動します。起動後すぐにレジストリからデータを読み込み、一覧が表示されます。
次のような操作が可能です:
- 列のソート(例: “Open Time” 列をクリック)
- 特定ファイルの選択とエクスポート
- 表示内容のフィルタリング(表示→列の表示/非表示)
最近開いた文書を確認する手順
- 起動後、一覧上部にある「Open Time」列を見つけます。
- 「Open Time」を2回クリックして降順(最新が上)にソートします。矢印が下向きになっていることを確認してください。
- 上位に表示されたファイルが直近にアクセスされたファイルです。
この例では、直近では画像ファイル3件、テキストファイル1件、Word文書1件、FLV動画がアクセスされています。
ファイルの更新(改変)証拠を抽出する手順
- 「File Modified Time」列をクリックして降順にソートします。
- 改変された可能性のあるファイルをCtrlキーを押しながらクリックで複数選択します。
- 上部ツールバーの保存ボタンを押してテキスト形式でエクスポートします。デフォルトの保存先は実行ファイルと同じフォルダです。
選択後に保存し、保存したテキストファイルを開くと、各ファイルのタイムスタンプやファイルパスなど詳細が表示されます。
重要: 証拠として提出する場合、変更履歴やタイムスタンプの信頼性を保つため、エクスポートしたファイルを別メディア(外部ドライブなど)にコピーし、可能な限りオリジナルのシステムを触らないことを推奨します。
言語オプション
OSFVは以下の追加言語パックに対応しています: オランダ語、ドイツ語、ギリシャ語、ロシア語。
手順:
- 希望する言語ファイル(ZIP)をダウンロードします。
- ZIPを展開し、”opensavefilesview_lng.ini” をOSFVの実行ファイルと同じフォルダに移動します(本記事の例ではデスクトップの「OSFV」フォルダ)。
- プログラムを再起動すると、選択した言語で表示されます。
言語パックを削除して英語に戻すには、languageファイルを単に削除してプログラムを再起動してください。
いつ使えないか(失敗例・制限事項)
- レジストリがクリーナーやOSのメンテナンスで消去・上書きされている場合、一覧は不完全または空になります。
- 別ユーザーのプロファイルに保存された履歴は、そのユーザーのコンテキストでしか取得できません(管理者権限やオフラインでのマウントが必要)。
- 完全なファイルアクセスログ(誰がいつ開いたかを確定的に示す)はOSFV単体では得られず、詳細な監査が必要な場合はイベントログやエンタープライズ向けの監査ツールが必要です。
代替手法
- Windowsの「最近使った項目」やジャンプリストの確認
- PowerShellスクリプトやイベントログ(監査が有効な場合)での追跡
- フォレンジック専用ツール(プロ向け)でディスクイメージを取得して解析
対比: OSFVは手軽だが簡易的。正確で法的に強い証拠が必要な場合は、フォレンジック手順を採るべきです。
ミニ手順(エビデンス収集SOP)
- 端末の電源を切らずにまずスクリーンショットや候補ファイルの一覧を取得する(可能ならイメージ取得)。
- OSFVを実行して該当ファイルを選択、テキストでエクスポートする。
- エクスポートした証拠を外部ドライブにコピーする(読み取り専用で保存)。
- 操作ログを書面化し、作業日時と作業者を記録する。
- 法的手続きが必要なら、IT法務またはフォレンジック専門家に相談する。
役割別チェックリスト
管理者:
- OSアカウントの権限を確認
- 必要なら対象ユーザーのプロファイルをオフラインでマウントして解析
親/保護者:
- どのファイルが開かれたかを確認
- 問題がある場合はスクリーンショットとエクスポートを保管
セキュリティ担当者:
- OSFVで得た結果をログ監査やネットワークログと照合
- データの整合性保存手順を実行
受け入れ基準
- エクスポートされたファイルに対象のファイルパス、Open Time、File Modified Timeが含まれていること
- エクスポートが別メディアに保存され、元ファイルに変更を加えていないことが証明できること
プライバシーと法的注意事項
OSFVはローカルに保存された情報を読み取るツールであり、他者の端末やアカウントのデータを無断で調査することは法的リスクがあります。調査を行う前に、社内規程や現地法を確認し、必要なら書面で承認を得てください。
よくある質問
Q: どのOSで動作しますか? A: 32-bitと64-bitのWindowsで動作します。Windowsのバージョン自体は幅広くサポートされていますが、古いOSでは一部情報が異なる場合があります。
Q: エクスポートしたファイルは法的証拠になりますか? A: OSFVで得たログは参考資料にはなりますが、法的手続きではフォレンジック手順に従った証拠保全が求められることが多いため、専門家の助言を受けてください。
Q: 言語パックはどうやって戻せますか? A: 言語ファイル(opensavefilesview_lng.ini)を削除してプログラムを再起動すると英語に戻ります。
まとめ
- OSFVはレジストリの「最近開いたファイル」を素早く確認・エクスポートできる便利なツールです。
- 証拠保全や法的提出を念頭に置く場合は、フォレンジック手順を優先してください。
- レジストリを上書きするツールやユーザーのプロファイル構成によっては結果が不完全になる点に注意が必要です。
Image Credit: Theen Moy on Flickr