プライバシーやセキュリティ上の懸念、そして会議リンクを悪用した「ZoomBombing(無関係な第三者が会議を妨害する行為)」を理由に、個人/組織でZoomの使用を停止したいという需要が増えています。本記事では、スマートフォン(Android/iPhone)とPC(Windows/macOS)でのZoomアプリ削除手順に加え、残存するデータの確認、アカウント削除、管理者向け対処法、代替手段をわかりやすくまとめます。
スマホとPCからZoomを削除する手順
以下は一般的な端末別アンインストール手順です。手順はOSバージョンや機種によって若干異なる場合があります。
Androidでの削除
- 設定アプリを開く。
- 「アプリ」または「アプリと通知」セクションへ移動し、アプリ一覧からZoomを探す。
- アプリが実行中なら「強制停止」をタップし、次に「ストレージとキャッシュ」から「データを消去」や「キャッシュを消去」を実行する。
- 「アンインストール」をタップして削除を完了する。
注意:端末に管理プロファイル(企業のMDMなど)が入っている場合、アンインストールが制限されていることがあります。その場合は管理者に連絡してください。
iPhoneでの削除
- 設定を開く。
- 「一般」→「iPhoneストレージ」をタップする。
- アプリ一覧からZoomを探し、選択する。
- 「Appを削除」をタップしてアンインストールする。
代替:ホーム画面でアイコンを長押しし、「Appを削除」を選ぶ方法もあります。iCloudやバックアップ内に残るデータについては、必要に応じてiCloud設定やバックアップを確認してください。
Windowsでの削除
- スタートメニューから「コントロールパネル」または「設定」を開く。
- 「プログラムと機能」または「アプリ」→「アプリと機能」を選択する。
- アプリ一覧からZoomを選び、「アンインストール」をクリックする。
- アンインストーラーが起動したら画面の指示に従う。
補足:C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming や AppData\Local にZoom関連のフォルダが残る場合があります。不要なら手動で削除できますが、編集は慎重に行ってください。
macOSでの削除
- DockからFinderを開く。
- サイドバーの「アプリケーション」を選択し、Zoomを探す。
- Zoomアイコンをゴミ箱へドラッグするか、右クリックして「ゴミ箱に入れる」を選ぶ。
- Finderのメニューから「ゴミ箱を空にする」で完全に削除する。
補足:~/Library/Application Support や ~/Library/Preferences にZoom関連の設定ファイルが残ることがあります。完全削除が必要な場合はそれらのフォルダを確認してください。
重要: アンインストールだけでZoomアカウントやクラウド上の記録(クラウド録画、スケジュール済みミーティング)は消えません。アカウント削除はWebで行う必要があります。
アンインストール後に確認すべきこと
- ブラウザ版:zoom.us にログインして、アカウントの存在を確認する。
- アカウント削除:必要ならZoomのアカウント設定からアカウント削除を申請する(メール認証などが必要)。
- OAuth連携:GoogleやMicrosoftなどと連携している場合は、連携アプリ側(GoogleアカウントやMicrosoftアカウントの接続アプリ一覧)からZoomのアクセス権を取り消す。
- カレンダーの招待:GoogleカレンダーやOutlookに残るZoom招待リンクを削除または更新する。
- ブラウザ拡張:Chrome/Edge/FirefoxにZoom関連の拡張機能が入っていないか確認し、不要なら削除する。
管理者向けチェックリスト
- 端末管理(MDM)でZoomのインストール状況を確認する。
- 社内カレンダーに作成済みの会議リンクを一覧化して無効化または削除する。
- SSOやOAuth連携の設定を解除するか、アクセス権限を更新する。
- 社内ユーザーへ代替ツールと移行手順を案内する(下記参照)。
代替手段と選び方の目安
- 軽量・すぐ使える:Google Meet(ブラウザ連携が簡単)
- Microsoft Office中心の組織:Microsoft Teams(カレンダー/ファイル共有と統合)
- オープンソース/自己ホスト:Jitsi Meet(自己ホスト可、プライバシー重視)
- プライベートな音声・ビデオ:Signalのビデオ通話(個人利用向け)
選び方のヒント:セキュリティを最優先する場合は自己ホスト可能性やエンドツーエンド暗号化の有無、組織内での管理機能の充実度を基準にしてください。
いつ削除が難しいか(想定される失敗ケース)
- 端末が企業の管理下にあり、ユーザー権限での削除が禁止されている。
- Zoomが企業アカウント(SSO)として組織管理下にある場合、個人でのアカウント削除が制限される。
- 端末に残った設定ファイルやカレンダー招待を見落としてしまい、会議リンクが公開されたままになる。
対処:管理者に相談する、またはIT部門のポリシーに従って対処してください。
簡易プレイブック(個人ユーザー向け)
- 端末でZoomアプリをアンインストールする(上記手順)。
- 使用しているブラウザでzoom.usにログインしてアカウントを確認する。
- OAuth連携(Google/Microsoft)を解除する。
- カレンダーの招待リンクを削除する。
- 必要ならZoomのアカウント削除を申請する。
- 代替ツールのインストールと招待先への移行案内を送る。
プライバシーとセキュリティのメモ
- アプリのアンインストールは端末上のアプリを消すだけで、Zoomサーバーにあるデータは残ります。クラウド録画やチャット履歴を削除したい場合はWeb上で操作してください。
- 2要素認証(2FA)を有効にしているかを確認し、不要な外部連携はすべて解除することを推奨します。
よくある質問
Zoomをアンインストールすればアカウントも消える?
いいえ。アンインストールは端末上のアプリを削除するだけで、Zoomアカウント自体やクラウドに保存されたデータは残ります。アカウント削除はZoomのWebサイトから行ってください。
企業の端末でアンインストールできないときは?
企業管理下の端末は制限がかかっている場合があります。IT管理者へ連絡して手続きを依頼してください。
カレンダーに残った招待リンクはどうする?
GoogleカレンダーやOutlookで該当イベントを開き、招待リンクやイベント自体を削除または更新してください。
まとめ
- 各OS別の手順でまずアプリをアンインストールする。企業管理端末は管理者へ相談する。
- アンインストール後はWebのZoomアカウント、OAuth連携、カレンダー招待など残存要素を必ず確認する。
- セキュリティ重視なら自己ホストやエンドツーエンド暗号化を提供する代替サービスを検討する。
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