右クリックメニューから SkyDrive Pro を削除する方法(Office 2013)

はじめに
このガイドは、Windows のエクスプローラー右クリックメニューに表示される「SkyDrive Pro」項目を削除する方法を解説します。手順は主に Office 2013 と関連する SkyDrive/OneDrive 統合に関するものです。作業には管理者権限が必要になる場合があります。レジストリを編集する方法と、Microsoft が提供するホットフィックスを使う方法の二つを掲載します。
重要: レジストリ編集はシステムに重大な影響を与える可能性があります。必ず事前にレジストリのバックアップを取り、手順に従って慎重に操作してください。
前提と互換性
- 対象: Office 2013 を既定インストールしたシステム。SkyDrive/OneDrive の有無にかかわらず適用可能。
- 管理者権限: レジストリ編集やホットフィックスのインストールには管理者権限が必要です。
- 対応 OS: Windows 7 / 8 / 8.1 / 10(古い環境では挙動が異なる場合があります)。
注意: 他バージョンの Office やカスタム導入環境ではレジストリのキー名や場所が異なる場合があります。変更前に必ず現在の設定を確認してください。
削除方法の概要
- レジストリを直接編集してキーを削除する(即時反映)。
- Microsoft のホットフィックスをダウンロードして適用する(安全性が高く関連不具合も修正)。
選び方のヒント: レジストリ編集に慣れている、または即時に変更を反映したい場合はレジストリ手順を使います。システム全体の安定性を重視し、Microsoft 公式の修正を好む場合はホットフィックスを推奨します。
画像: エクスプローラーの右クリックメニューに表示された灰色の「SkyDrive Pro」オプション
方法 1 — レジストリで SkyDrive Pro を削除する手順
重要: 操作前に必ずレジストリのバックアップを作成してください。誤った編集はシステムやアプリケーションの不具合を引き起こします。
- Win + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。テキストボックスに
regedit
と入力し、Enter を押してレジストリエディタを起動します。
画像: 「regedit」を実行してレジストリエディタを開く
- レジストリエディタで次のキーに移動して展開します。
HKEY_CLASSES_ROOT\AllFilesystemObjects\shell
画像: 対象のレジストリキーへ移動
- サブキーの中にある “SPFS.ContextMenu” を右クリックし、メニューから「Delete(削除)」を選択します。
画像: “SPFS.ContextMenu” キーを削除する様子
確認ダイアログが表示されたら「Yes(はい)」 をクリックして削除を確定します。変更は即時反映されます。
エクスプローラーで右クリックを確認し、「SkyDrive Pro」が表示されなくなっていることを確認します。
画像: 削除後、コンテキストメニューから SkyDrive Pro が消えた状態
重要: もし削除後に予期しない問題(他のコンテキストメニュー項目が消えた、アクセス権のエラー等)が出た場合は、直ちにロールバック手順で復元してください(後述)。
方法 2 — Microsoft ホットフィックスで削除する手順
レジストリ編集に不安がある場合や、SkyDrive 同期や認証の不具合など他の問題も同時に解決したい場合は、Microsoft が提供するホットフィックスを適用する手順を使います。ホットフィックスは複数の関連問題を修正することが多い点が利点です。
- システムのアーキテクチャ(32-bit または 64-bit)を確認し、対応するホットフィックスを Microsoft の公式サイトからダウンロードします。
画像: Microsoft 公式サイトからホットフィックスをダウンロードする
- ダウンロードした実行ファイルを起動します。メインウィンドウで利用規約のチェックボックスにチェックし、「Continue(続行)」ボタンをクリックします。
画像: ホットフィックスの同意画面
- インストーラが、インストール前に閉じる必要があるアプリケーションの一覧を表示する場合があります。指示に従って選択し、「Ok」または指示に従って進めます。インストール後に再起動が必要です。
画像: ホットフィックスが閉じるべきアプリケーションを提示する例
- インストール処理が進行します。完了後、システムの再起動を求められたら保存を済ませてから「Yes(はい)」をクリックし、再起動します。
画像: ホットフィックスのインストール進行画面
- 再起動後、エクスプローラーの右クリックメニューから SkyDrive Pro が削除されていることを確認します。
いつこの方法は効かないか(失敗例)
- “SPFS.ContextMenu” キーが存在しない、または名前が変わっているカスタム環境。
- Office の別バージョン(例: Office 2016 以降)や最新の OneDrive 統合によりキー構造が変わっている場合。
- 管理者権限がないためにレジストリ編集やホットフィックスのインストールができない場合。
対処: 組織の IT 管理者に相談し、グループポリシーや配布パッケージでの修正を依頼してください。
トラブルシューティングと代替案
- グループポリシー: 大規模環境では、グループポリシーで特定のコンテキストメニュー項目を非表示にする管理策を検討します。
- OneDrive のアンインストール/無効化: 右クリック項目自体が不要であれば、OneDrive アプリを無効化またはアンインストールする手もあります。ただし同期機能を失うため影響を評価してください。
- サードパーティツール: レジストリ編集をUIで行えるツールもありますが、公式手順以外はリスクがあるため慎重に選定してください。
受け入れ基準
- エクスプローラーで右クリックしても「SkyDrive Pro」が表示されない。
- 他のコンテキストメニュー項目に異常がない。
- 変更後に必要であればレジストリのバックアップから復元できる。
ロール別チェックリスト
- 管理者:
- レジストリのバックアップを取得したか。
- 作業前に影響範囲(ユーザー数、ポリシー)を評価したか。
- ホットフィックスを公式サイトからダウンロードしたか。
- エンドユーザー:
- 重要な作業を保存してから再起動したか。
- 問題が出た場合、管理者に連絡したか。
ロールバック(復元)手順
- レジストリで削除した場合:
- 削除前にエクスポートして保存した .reg ファイルがあれば、それをダブルクリックして統合することで復元できます。
- バックアップがない場合は、Windows のシステム復元ポイントから復元することを検討してください。
- ホットフィックスを適用した場合:
- 一部のホットフィックスはプログラムと機能の「更新プログラムのアンインストール」から削除できる場合があります。削除方法はホットフィックスのドキュメントに従ってください。
セキュリティとプライバシーの注意
- ホットフィックスは必ず Microsoft の公式サイトから取得してください。出所不明のファイルは実行しないでください。
- レジストリの変更はシステム構成を変更します。ユーザーデータ自体は通常変更されませんが、事前にバックアップをすすめます。
1行用語集
- SkyDrive Pro / OneDrive: Microsoft のクラウドストレージサービス。SkyDrive は旧称。
- レジストリ: Windows の設定データベース。アプリやシステムの構成情報を保持する。
- ホットフィックス: 特定の問題を修正するために配布される修正プログラム。
簡易判断フロー
flowchart TD
A[右クリックに SkyDrive Pro が表示される] --> B{管理者権限があるか}
B -- はい --> C{レジストリ編集に慣れているか}
B -- いいえ --> D[管理者に依頼する]
C -- はい --> E[レジストリで 'SPFS.ContextMenu' を削除]
C -- いいえ --> F[ホットフィックスをダウンロードして実行]
E --> G[動作確認と必要ならバックアップ復元の準備]
F --> G
テストケース(受入検証)
- 事前: エクスプローラーで右クリックし「SkyDrive Pro」が存在することを確認。
- 実施: 指定の手順を実行(レジストリ削除またはホットフィックス適用)。
- 検証: 再起動後に「SkyDrive Pro」が表示されない。その他のコンテキストメニューが正常に動作する。
まとめ
- 即時反映を望むならレジストリの “SPFS.ContextMenu” キーを削除する方法が最短です。
- 安全性や関連不具合の修正を重視するなら Microsoft のホットフィックスを適用してください。
- 作業前に必ずレジストリのバックアップを取り、管理者と連携して進めることを推奨します。
重要: 企業環境では、個別に作業する前に IT 管理者と調整してください。影響範囲の評価とドキュメント化を忘れないでください。
コメント: この手順で問題が解決した場合や異なる環境での別解があれば、ぜひ経験を共有してください。