Microsoft Teamsで削除したファイルを復元する方法

概要
Microsoft Teamsでアップロードしたファイルは、実際にはTeams内ではなくSharePointまたはOneDriveに保管されます。したがって、Teams上でファイルを削除した場合の復元作業は、これらのサービスのごみ箱(Recycle Bin)を操作することが基本です。
このガイドでは、ユーザー視点での復元手順、よくある失敗ケースと対処法、代替手段、役割別のチェックリストを含めて説明します。
事前確認(ここを確認してから操作)
- 削除したファイルが本当にTeams内のファイルなのか(チャット添付ファイルやローカル保存か)を確認する。
- 組織の管理者が保持ポリシーや削除ルールを設定している場合、復元可否や保管期間が異なることがある。
- 復元は元の保存場所(元のフォルダー)に行われます。
重要: 組織のポリシーでごみ箱の保持期間が短く設定されていると、ユーザーごみ箱から復元できない場合があります。その場合はIT管理者に連絡してください。
Teamsで削除したファイルを復元する(SharePoint経由)
- Teamsアプリを開き、対象チーム/チャネル内の上部にある「ファイル」タブをクリックします。
- 「SharePointで開く」をクリックして、そのチームに紐づくSharePointサイトをブラウザで開きます。
- SharePointサイトが開いたら、左側メニューまたはサイトの上部メニューから「ごみ箱(Recycle Bin)」を選択します。
- 復元したいファイルを選び、上部の「復元(Restore)」をクリックします。
- ファイルは元のフォルダーに即時復元されます。SharePointの「ドキュメント」内の元の場所を確認して、復元されたことを確認してください。
Teamsで削除したファイルを復元する(OneDrive経由)
Teams上のファイルをOneDriveに保存している場合は、次の手順で復元します。
- Teamsアプリで対象の「ファイル」タブを開きます。
- 左ペインや一覧から「OneDrive」を選択します。
- 画面上部の「OneDriveで開く(Open in OneDrive)」をクリックし、ブラウザでOneDriveを開きます。
- ブラウザの左側メニューで「ごみ箱(Recycle bin)」を選びます。
- 復元したいファイルを選択して「復元」をクリックします。
追加の回復手段とヒント
- バージョン履歴の確認: ファイルが上書きされてしまった場合は、SharePoint/OneDriveの「バージョン履歴」で以前のバージョンを復元できます。
- チャットの添付ファイル: Teamsチャットに添付されたファイルは、チャットメッセージの保存先やリンクからダウンロードできる場合があります。
- ローカルの一時ファイル: 編集したアプリ(Word、Excelなど)が自動保存を使っていると、ローカルやクラウドにキャッシュが残る場合があります。
- 管理者介入: ユーザーのごみ箱から削除されている場合、SharePointのセカンドステージごみ箱やMicrosoft 365管理センターからIT管理者が復元できることがあります。
重要: 復元可能かどうかは、組織の保持ポリシーや管理者設定、経過日数によって変わります。ユーザー側で見つからないときは管理者に相談してください。
失敗するケースと対処法
- ごみ箱にファイルが見つからない場合
- セカンドステージごみ箱(サイトコレクションのごみ箱)に移動している可能性があります。管理者に依頼して確認してもらいましょう。
- ファイルを完全削除してから長期間経過している場合
- 保持期限を過ぎると復元できないことがあります。重要ファイルは定期的にバックアップしましょう。
- 元のファイルが別のユーザーにより移動・削除された場合
- 変更履歴(アクティビティ)やファイルのバージョン履歴を確認し、誰がいつ操作したかを調べてください。
代替アプローチと注意点
- エクスポート/バックアップ: 定期的に重要なTeamsチャネルのドキュメントをローカルや別のクラウドにバックアップしておく。
- eDiscovery/監査ログ: 法務やコンプライアンスが必要な場合は、Microsoft 365のeDiscovery機能を利用してファイルを検索・復元できます(管理者権限が必要)。
- ファイル共有の運用ルール: 誰が削除できるか、保持期間はどうするかを組織内で明確にしておくと事故を防げます。
役割別チェックリスト
- エンドユーザー
- まずTeamsの「ファイル」タブ→該当の保存先(SharePoint/OneDrive)へ移動する
- ごみ箱を開き、復元を試みる
- 見つからなければIT管理者に報告する
- IT管理者
- セカンドステージごみ箱や管理センターで復元を試みる
- 組織の保持ポリシーや監査ログを確認する
- 必要ならeDiscoveryで検索する
簡易フローチャート(復元の流れ)
flowchart TD
A[Teamsでファイルが見つからない] --> B{ファイルはSharePointかOneDriveか}
B -- SharePoint --> C[SharePointでごみ箱を確認]
B -- OneDrive --> D[OneDriveでごみ箱を確認]
C --> E{見つかったか}
D --> E
E -- はい --> F[復元]
E -- いいえ --> G[IT管理者に連絡(セカンドステージごみ箱/eDiscovery)]
よくある質問(短く)
- Q: ごみ箱から削除したファイルは完全に消えるの?
- A: 組織のポリシーによります。多くの環境では一定期間セカンドステージごみ箱に移りますが、無制限ではありません。
- Q: チャットで送られたファイルはどこにある?
- A: チャットで共有されたファイルはOneDriveまたはユーザーのアップロード先に保存されます。メッセージの添付リンクをたどって確認してください。
まとめ
- TeamsのファイルはSharePointかOneDriveに保存されるため、まずは該当サービスのごみ箱を確認してください。
- バージョン履歴や管理者のヘルプを使えば、さらに復元の可能性が広がります。
- 重要なデータは定期的にバックアップし、組織内の削除ポリシーを明確にしておきましょう。
要点まとめ:
- Teamsの「ファイル」タブ→「SharePointで開く」または「OneDriveで開く」→ごみ箱→復元。
- 見つからなければIT管理者に相談。バージョン履歴やeDiscoveryを検討。
注意: 本記事の手順は一般的な操作を示したものです。実際の画面表記やメニュー名は、使用しているTeams/Office 365のバージョンや管理設定で異なる場合があります。必ず組織のITポリシーに従ってください。
著者
編集