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iOSからGoogle Cloud Printに印刷する方法

2 min read 印刷 更新されました 17 Oct 2025
iOSからGoogle Cloud Printへ印刷する方法
iOSからGoogle Cloud Printへ印刷する方法

クイックリンク

  • Googleの公式アプリからGoogle Cloud Printへ印刷する方法
  • PrintCentral Proで任意のアプリから印刷する方法

iOSからGoogle Cloud Printへ印刷する手順のイメージ

重要: Google Cloud Print は 2020年12月31日に廃止されました。ここで説明するワークフローは、既に構成済みのシステムを扱う場合や、類似のクラウド印刷サービス(プリンターメーカーのクラウドサービスやサードパーティのクラウドプリントソリューション)に置き換えて適用するための一般的な案内です。

なぜこの記事を読むべきか

AppleのAirPrintはiOSに深く統合されており、ほとんどの操作系の「印刷」オプションはAirPrint対応プリンターを前提とします。しかし、クラウド経由で古いプリンターを遠隔から使いたい、あるいはAirPrintで対応できない特殊なプリント設定が必要な場合は、Google Cloud Print(旧仕様)や同等のクラウド印刷ソリューションを使う選択肢がありました。本記事はその使い方、代替案、トラブルシューティングをわかりやすくまとめています。

準備: 何を確認すべきか

  • iOSデバイス(iPhone / iPad)に印刷元のアカウントでログインしているか確認する。Googleのアプリを使う場合は、そのアプリに同じGoogleアカウントでサインインしてください。
  • プリンターがクラウド印刷に登録されているか、あるいはプリンターメーカーのクラウドサービス(例: HP ePrint、Epson Connectなど)に登録されているか確認する。
  • ネットワーク接続(Wi‑Fiまたはモバイルデータ)が安定していること。

注意: ローカルネットワーク(同一Wi‑Fi)にいる場合はAirPrintの方が簡単で高速です。クラウド経由は遠隔印刷や古いプリンターの延命に有効です。

Googleの公式アプリから印刷する方法

GoogleのChrome、Gmail、Google Drive(Docs/Sheets/Slides等)などの公式アプリには、かつてGoogle Cloud Printの統合がありました。以下はその一般的な流れです(代替のクラウド印刷サービスでも同様の概念が使えます)。

  1. 対象のドキュメントやウェブページをアプリで開く。
  2. アプリのメニューを開き「共有」もしくは「印刷」オプションを探す。
  3. 「共有」ボタン(上向き矢印の付いた四角形のアイコン)をタップし、表示されるアクションから「印刷」を選択する。
  4. 印刷先のプリンター一覧からクラウドに登録されたプリンターを選択する。

Google公式アプリから印刷するための画面例

ヒント: Googleアプリは同じGoogleアカウントに紐づくクラウドプリンターを自動的に表示します。プリンターを別のGoogleアカウントと共有している場合は、該当アカウントでログインしてください。

任意のアプリからPrintCentral Proを使って印刷する

GoogleはiOS向けに公式の単独「Google Cloud Print」アプリを提供していませんでした(Googleアプリには統合されていました)。そのため、他のアプリからクラウド印刷を行うにはサードパーティの印刷ユーティリティが必要になります。代表的な選択肢がPrintCentral Proです。

  • PrintCentral ProはiPhone用とiPad用の2種類があり、デバイスにより価格が異なります(当時の配布形態による)。
  • アプリをインストールすると、近隣のプリンター検出やクラウドプリンターの接続設定が可能になります。

手順の概略:

  1. App StoreからPrintCentral Proをインストールする。
  2. アプリを開き、利用可能なプリンター一覧画面で「+」をタップする。
  3. 「Google Cloud Printing」を選んでGoogleアカウントでサインインする(代替サービスがある場合はそれを選択する)。
  4. iOSの共有(Share)拡張機能を有効にし、PrintCentral Pro(PCL Proなど)のアクションをオンにする。
  5. 任意のアプリで「共有」→「PCL Pro」を選択し、ドキュメントをPrintCentral Proへ送る。
  6. PrintCentral Proの印刷UIからクラウドプリンターを選んで印刷する。

PrintCentral Proでプリンターを追加する画面例

共有シートからPCL Proを選ぶ例

注意: iOSの「共有」拡張は多くのアプリで利用可能です。PrintCentral Proの拡張が有効であれば、ほとんどのアプリから容易に印刷ジョブを送ることができます。

代替アプローチ(Google Cloud Print廃止後の現実的選択肢)

  1. AirPrint対応プリンターへ移行する(最もシンプルでネイティブに動く)。
  2. プリンターメーカー提供のクラウド印刷サービスを利用する(HP ePrint、Epson Connect、Canon PRINTなど)。
  3. ネットワーク上の共有プリンターに社内サーバー(Print Server)を設置して、VPNまたはリバースプロキシで外部から印刷する。
  4. サードパーティのクラウド印刷プラットフォームを利用する(有償の管理ソリューション、企業向けクラウドプリント)。

重要: 選択肢によっては管理コスト、セキュリティ要件、追加ハードウェアが必要になります。小規模な利用ならAirPrintかメーカー純正のクラウドサービスを推奨します。

いつ機能しないか(失敗する典型例)

  • プリンター自体がクラウド/ネットワークからアクセスできない状態にある(電源オフ、ネットワーク切断)。
  • サービス側(旧Google Cloud Printや同等サービス)が停止している場合。Google Cloud Printは既に停止しています。
  • アプリ側が共有エクステンションを提供していない、またはiOSの共有機能が制限されている場合。
  • アカウントの権限でプリンター共有が許可されていない場合。

トラブルシューティング(よくある問題と対処)

  • 印刷が届かない:プリンターのオンライン状態、インターネット接続、アカウントの紐付けを確認する。
  • ドキュメントが途中で切れる/乱れる:ファイル形式の互換性をチェック。PDFに変換してから印刷することを試す。
  • 共有シートにPCL Proが表示されない:共有拡張を有効化し、iOSを再起動して再確認する。
  • プリンターが一覧に出ない:クラウドサービス上で該当プリンターが正しく登録されているか、アカウント共有設定を確認する。

役割別チェックリスト

  • エンドユーザー

    • iOSで正しいアカウントにサインインしているか確認する
    • 共有シートから印刷アクションが選べるかチェックする
    • 近くにAirPrint対応プリンターがあればそちらを優先する
  • IT管理者

    • プリンターのクラウド登録状況と共有設定を管理する
    • 代替クラウド印刷ソリューションのセキュリティポリシーを整備する
    • 必要に応じてVPNやプリントサーバーの可用性を確保する

ミニ手順(実用テンプレート)

  1. まずはAirPrintで動くか試す(同一Wi‑Fi内なら最速)。
  2. AirPrintが使えない場合、プリンターメーカーのクラウド印刷サービスを確認する。公式アプリがあればそれを設定する。
  3. それでも不可なら、PrintCentral Proのような共有エクステンション対応アプリを導入して、共有経由で印刷を試行する。
  4. 企業利用ならサードパーティの有償クラウドプリントやオンプレのプリントサーバーを検討する。

プライバシーとセキュリティの注意点

  • クラウド経由の印刷はドキュメントが一旦サービス側のサーバーを経由するため、機密情報の扱いに注意が必要です。
  • 法的・規制上の要件(個人情報保護法やGDPR等)によってはクラウドプリントの利用が制限される場合があります。機密データは暗号化やアクセス制御を強化してください。
  • 可能ならTLS/HTTPS対応のサービスを使い、ログとジョブ履歴の保存ポリシーを確認しましょう。

互換性・移行のヒント

  • 古いプリンターを長く使う場合は、メーカーが提供するクラウドゲートウェイやネットワークアダプターを利用することでAirPrintや現代的なクラウドサービスに接続できる場合があります。
  • 企業での大規模導入では、プリント管理プラットフォーム(印刷キュー管理、ユーザー認証、コスト配賦)を導入する価値があります。

まとめ

  • iOSからの印刷はAirPrintが最も自然で簡単です。
  • 旧来のGoogle Cloud Printは廃止されましたが、同等の使い勝手を得たい場合はPrintCentral Proのような共有拡張対応アプリ、プリンターメーカーのクラウドサービス、または企業向けクラウドプリント管理ソリューションを検討してください。
  • 機密データを扱う場合はセキュリティとコンプライアンスを最優先に。

重要: この記事は既存のワークフローと代替案を提示するものであり、具体的なサービスの利用可否は各ベンダーの最新情報を参照してください。

画像クレジット: Stiftelsen on Flickr

FAQ

iOSでGoogle Cloud Printは今も使えますか?

いいえ。Google Cloud Printは2020年末にサービスを終了しました。代替としてAirPrint、プリンターメーカーのクラウドサービス、またはサードパーティのクラウド印刷ソリューションを検討してください。

PrintCentral Proがないと印刷できませんか?

いいえ。PrintCentral Proは一つの便利な選択肢に過ぎません。AirPrintやプリンターメーカーの公式アプリ、企業向けソリューションなどほかにも方法があります。

機密文書をクラウド経由で印刷しても安全ですか?

クラウドサービスにより異なります。TLSでの通信、ジョブの保存ポリシー、アクセス制御がしっかりしているかを確認してください。必要ならオンプレミスのプリントサーバーやVPN経由の印刷を検討してください。

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