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WindowsでWebDAVドライブをマップする方法

2 min read Windows 更新されました 29 Sep 2025
WindowsでWebDAVドライブをマップする方法
WindowsでWebDAVドライブをマップする方法

重要: この記事の手順では管理者権限が必要な操作(レジストリ編集やサービスの設定変更)が含まれます。実行前にバックアップを取り、組織のポリシーに従ってください。

目次

  • 手順: WindowsでWebDAVドライブをマップする方法
  • 接続できないときの対処
  • マップしたが中のファイルにアクセスできないときの対処
  • トラブルシューティングチェックリスト(ロール別)
  • 代替手段と比較
  • セキュリティとプライバシーの注意点
  • テストケースと受け入れ基準
  • FAQ
  • まとめ

手順: WindowsでWebDAVドライブをマップする方法

前提条件: WebDAVサイトのURL(例: https://example.com/webdav/)、WebDAVアカウントのユーザー名とパスワード、接続に使うドライブ文字(例: Z:)を用意してください。

  1. ファイルエクスプローラーを開きます。『PC』または『This PC』を右クリックします。Windows 11ではコンテキストメニューに「その他のオプションを表示」が出る場合があります。Windows 10では直接次のステップに進みます。

ファイルエクスプローラーでThis PCを右クリックする画面

  1. 「ネットワークドライブの割り当て」をクリックします(英語表示では “Map network drive…”)。別の方法として、ファイルエクスプローラーのリボンの「コンピューター」タブからドロップダウンで選ぶこともできます(Windows 10で利用可能)。

ネットワークドライブの割り当てを選ぶ画面

  1. 表示されたダイアログボックスで、割り当てたいドライブ文字(例: Z:)を選び、「フォルダー」欄に接続先のWebDAVフォルダーを指定します。例: https://example.com/webdav/yourfolder

ドライブ文字とフォルダを指定する画面

  1. 「参照(Browse)」をクリックしてネットワークを探索しようとしたときに「ネットワーク探索がオフになっています。ネットワーク コンピューターおよびデバイスは表示されません…」というメッセージが出る場合は、ネットワーク探索を有効にする必要があります。
    • スタートをクリックし「コントロール パネル」と入力して開きます。

コントロールパネルを開く画面

  • 「ネットワークと共有センター」を選択します。

ネットワークと共有センターの画面

  • 左メニューの「共有の詳細設定の変更」を選びます。

共有の詳細設定の変更画面

  • 「ネットワーク探索を有効にする」にチェックし、変更を保存します。

ネットワーク探索を有効にする画面

  1. 「サインイン時に再接続する(Reconnect at sign-in)」と「別の資格情報を使用して接続する(Connect using different credentials)」にチェックを入れます。再接続を有効にしておくと、PC再起動後に自動的にマッピングが復元されます。

再接続と別の資格情報を指定する画面

  1. 画面下部にあるリンク「ドキュメントや画像を保存するための Web サイトに接続する(Connect to a web site that you can use to store your documents and pictures)」をクリックします。

Webサイトに接続するためのリンク表示

  1. 『次へ』をクリックし、「カスタムのネットワークの場所を選択する(Choose a custom network location)」を選びます。
  2. インターネットまたはネットワークのアドレス欄にWebDAVの完全URLを入力します(末尾にディレクトリ名を含める)。例: https://example.com/webdav/yourfolder
  3. 表示されたダイアログでWebDAVのユーザー名とパスワードを入力します。必要に応じてドメインを指定します。
  4. 「このネットワークの場所の名前を入力してください(Type a name for this network location)」が自動で入力されますが任意で変更できます。
  5. 『次へ』→『完了』を選ぶと、ファイルエクスプローラーにマップされたドライブとして表示されます。これでリモートサーバのファイルの追加、編集、削除が可能になります。

注: 一部のサーバや環境ではSSL証明書の検証やプロキシ設定が影響します。接続できない場合は後述のトラブルシューティングを参照してください。

接続できないときの対処

重要な設定変更を行う前に必ずシステムの復元ポイントを作成するか、レジストリのエクスポートを行っておいてください。

Basic Authentication Levelを確認する

WebDAV接続でBasic認証を使う場合、Windowsの既定設定では拒否されることがあります。以下でレジストリの値を確認します。

  1. スタートを右クリックして「ファイル名を指定して実行(Run)」を選びます。
  2. regedit と入力してEnterを押し、レジストリエディタを開きます。
  3. 次のパスに移動します:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WebClient\Parameters

レジストリでWebClientのParametersを表示する画面

  1. BasicAuthLevel の値を探します。既定では 2 に設定されています。違う値の場合は右クリックして「修正(Modify)」し、値を 2 に変更してください。

BasicAuthLevelの値を変更する画面

変更後はPCを再起動してから接続を試してください。

プロキシやファイアウォールの確認

  • プロキシを使っている場合は、IE/Windowsのインターネット設定でプロキシが適切に設定されているか確認します。WindowsのWebClientはシステムのHTTP設定に依存します。ブラウザで同じURLにアクセスできるかを確認してください。
  • エンタープライズ環境ではファイアウォールがWebDAVのポート(通常80/443)をブロックしている場合があります。ネットワーク管理者に確認してください。

マップしたが中のファイルにアクセスできないときの対処

マッピングに成功しても中のファイルが見えない、またはアクセスエラーが出る原因と対処法を整理します。

  1. サーバのWindowsバージョン互換性

    • 古いWindowsサーバ上に格納された共有ではファイル数やフォルダ構造によっては表示できないことがあります(例: 非互換なSMB/WebDAV実装)。サーバ管理者に確認し、可能ならサーバを最新バージョンに更新するか、共有方法を変更します。
  2. WebClientサービスが無効または手動になっている

    • スタートで Services を検索して開き、WebClient を探します。スタートアップの種類を「自動(Automatic)」に変更し、適用してからサービスを開始します。

ServicesでWebClientを自動起動にする画面

WebClientの起動種類を自動にする画面

  1. ファイル数が多いと遅延や表示漏れが起きる

    • 大量のファイル(数千以上)があるフォルダは、エクスプローラーの一覧表示で時間切れや部分表示が起こりやすいです。可能ならフォルダを分割する、または専用のWebDAVクライアントを使って操作することを推奨します。
  2. 資格情報キャッシュの問題

    • Windowsの資格情報マネージャーに古いパスワードが保存されていると接続エラーになります。コントロールパネル > 資格情報マネージャー で該当するWebDAVのエントリを削除し、再度接続して新しい資格情報を入力します。

代替手段と比較

  • ネイティブのWindows WebDAV(ファイルエクスプローラーでのマッピング)

    • 長所: OS組込み、追加ソフト不要、エクスプローラーから直感的に操作可能
    • 短所: 大量ファイルの処理で不安定、認証やプロキシに制限あり
  • 専用クライアント(例: Cyberduck、WinSCP、CarotDAV、Rclone、第三者のマウントツール)

    • 長所: より堅牢な転送設定、ログ表示、同期オプション、パフォーマンスや互換性で優れる場合あり
    • 短所: ソフト導入と学習が必要、無料/有料の違い
  • ネットワークドライブをVPN経由のSMBで共有する

    • 長所: マウントが安定、ファイルロックやNTFS権限を利用可能
    • 短所: セットアップが複雑、セキュリティ設計が必要

選択のヒント: 小規模・個人用途であればWindowsのWebDAVで十分。エンタープライズや大量ファイル、高頻度アクセスなら専用クライアントや別技術の検討を推奨します。

運用とセキュリティチェックリスト(ロール別)

管理者向けチェックリスト

  • サーバ側のWebDAV実装(IIS/Apache/Nextcloud等)を最新版に保つ
  • TLS(HTTPS)を必須にする。自己署名証明書を使う場合は配布計画を立てる
  • WebClientサービスが自動起動であることを確認する
  • レジストリの BasicAuthLevel 設定と、必要なポートのFWルールを文書化
  • ログ保存と監査を有効にして不審なアクセスを検知

エンドユーザー向けチェックリスト

  • 強力なWindowsログインパスワードを設定
  • 公共Wi‑Fiでの接続を避けるかVPNを使用
  • ファイルを編集する際はロックやバージョン管理に注意
  • マッピング時に「別の資格情報を使用して接続する」を選ぶとアカウント混在でトラブルが減る

SOP(標準作業手順): WebDAVドライブの復旧フロー(簡易版)

  1. 問題報告を受け取る(例: マップ済みドライブにアクセスできない)
  2. 利用者に対して次を確認してもらう
    • Windows再起動で改善するか
    • 他のWebDAVクライアントで接続できるか
  3. 管理者が確認する項目
    • WebClientサービスの状態
    • レジストリの BasicAuthLevel
    • サーバ側の証明書有効性とエラーログ
  4. 必要に応じて資格情報をリセットし、ユーザに再接続を案内
  5. 影響が広範囲ならネットワーク管理者と協力してファイアウォール/プロキシを確認

インシデントのロールバック手順

  • 直前に行ったレジストリ変更やサービス設定を元に戻す
  • もしレジストリ編集で問題が発生したら、レジストリのエクスポート(バックアップ)をインポートして復旧する
  • ユーザに対してログイン資格情報のリフレッシュを案内する

テストケースと受け入れ基準

テストケースの例

  1. 正常系

    • 条件: 有効なURLと資格情報を使用
    • 手順: ファイルエクスプローラーからマップを作成
    • 期待結果: ドライブが表示され、ファイルの読み書きができる
  2. 認証エラー

    • 条件: 間違ったパスワードを入力
    • 期待結果: 認証失敗のメッセージが表示される
  3. 大量ファイルの表示

    • 条件: 3000ファイルを含むフォルダを開く
    • 期待結果: 一定時間で一覧が表示されるか、タイムアウト/部分表示が発生することを確認し動作限界を記録

受け入れ基準

  • 基本的なアップロード、ダウンロード、編集が成功する
  • 再起動後に自動再接続ができる(Reconnect at sign-in が効く)
  • WebClientサービスが自動起動設定で稼働している

互換性と移行のヒント

  • WindowsのWebDAVクライアントは特定のHTTP認証方式に依存します。サーバが Digest/NTLM/Basic のいずれをサポートしているかを確認してください。
  • 大量ファイルや高頻度同期が必要な場合は、Rcloneや専用同期ソフトの導入を検討してください。これらはスクリプト化が容易でCI/CDやバックアップに組み込みやすいです。

セキュリティとプライバシーの注意点

  • 常にTLS(HTTPS)を使う: 平文HTTPは資格情報や内容が傍受されます。必須でHTTPSを採用してください。
  • 資格情報の管理: 組織では集中管理(例: SSO、Vault)を検討します。個別に保存した平文パスワードはリスクです。
  • ウイルス対策: WebDAV経由でマルウェアが流入する可能性があるため、受信ファイルのスキャンポリシーを定めてください。
  • GDPR等の規制: 個人データを扱う場合は保存先サーバの所在地や管理体制に基づく適切な契約と評価を行ってください。

短い意思決定フロー(Mermaid)

以下は接続問題の簡易フローです。

flowchart TD
  A[接続できない報告] --> B{ブラウザでURLは開けるか}
  B -- Yes --> C{認証エラーか}
  B -- No --> D[ネットワーク/プロキシ/証明書を確認]
  C -- Yes --> E[資格情報を削除して再入力]
  C -- No --> F[WebClientサービスとBasicAuthLevelを確認]
  F --> G[再起動して再試行]
  E --> G
  D --> G
  G --> H[成功 or 管理者へエスカレーション]

よくある質問

WebDAVのURLはどこで見つかりますか

多くの場合、WebDAVを提供するサービスの管理画面(ダッシュボード)やアカウント情報に記載されています。見つからない場合はサービス提供者に問い合わせてください。

パスワードを変更したら再マップが必要ですか

はい。保存された資格情報が古くなるため、以前にマップしたドライブを削除して再接続する必要があります。

すべてのユーザーがマップされたドライブを利用できますか

いいえ。マップはそのユーザーアカウントに紐づきます。PCの管理者は見られますが、他ユーザーが利用するには各自でマップを作成する必要があります。

マップを削除するとリモートのファイルは消えますか

いいえ。マップを削除してもリモートの実データには影響しません。ローカルとリモートのリンクを解除するだけです。

マップされたWebDAVドライブは安全ですか

ローカルPCが安全である限りです。必ずログアウトやスクリーンロックを行い、強力なパスワードや2段階認証がある場合は有効にしてください。ウイルス対策も導入してください。

役割別チェックリスト(要点のまとめ)

管理者:

  • TLSの強制、証明書管理、監査ログ
  • WebClientサービスの監視、BasicAuthLevelの管理
  • ファイアウォール/プロキシルールの文書化

エンドユーザー:

  • 資格情報の最新性確認
  • 公共ネットワークではVPN使用
  • 大量ファイル操作は専用クライアント検討

1行で分かる用語集

  • WebDAV: HTTP拡張でファイルの編集・管理をリモートで行う仕組み。
  • WebClient: Windows上でWebDAVを扱うサービス。
  • BasicAuthLevel: WindowsでのBasic認証動作を制御するレジストリ設定。

ソーシャル用プレビュー案

OGタイトル: WindowsでWebDAVドライブを簡単にマップする方法 OG説明: WindowsのファイルエクスプローラーでWebDAVをマップする手順とトラブルシューティング、セキュリティチェックリストをわかりやすく解説。


まとめ

WindowsでWebDAVをマップするにはURLと資格情報、数ステップの設定で済みますが、認証方式、WebClientサービス、ネットワーク設定やサーバ側の互換性が原因で失敗することがあります。問題発生時は資格情報のリフレッシュ、BasicAuthLevelの確認、WebClientを自動起動にすることを優先してください。大量ファイルや高度な同期が必要な場合は専用クライアントの検討が実務上の近道です。

Image credit: Sunrise King via Unsplash

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