Start11でWindows 11をChromeOS風にカスタマイズする手順

はじめに
Windows 11は洗練された外観を持ちますが、やや落ち着いた印象に感じることもあります。Start11はスタートメニューとタスクバーを柔軟にカスタマイズできる有力なツールです。本記事では、Start11を使ってWindows 11をGoogle ChromeOSのような外観と操作感に近づける手順を、画像とともに丁寧に解説します。
重要用語を一行で定義します。
- Start11: Stardock社が開発したWindows向けのスタートメニュー/タスクバーカスタマイズツール。30日トライアルあり。
- ChromeOS: Googleが開発した軽量OS。左下起点のアプリランチャーとシンプルなUIが特徴。
- タスクバー: 画面下部に並ぶアプリボタンやシステムトレイの領域。
- スタートメニュー: アプリやショートカットを起動するためのメニュー領域。
対象読者と目的
対象: Windows 11を自分好みにカスタマイズしたい一般ユーザー、デスクトップの統一感を高めたいクリエイターやIT担当者。
目的: 見た目と操作性をChromeOS風に寄せつつ、Windowsの機能性を損なわない設定を提供する。
準備と注意点
- Start11はサードパーティ製ソフトです。公式サイトからダウンロードしてください。
- 変更前にシステムの復元ポイントを作成してください。
- 管理者権限が必要です。
- 大規模な配布環境ではグループポリシーやイメージ運用を検討してください。
重要: カスタマイズは設定ファイルやレジストリの変更を伴うことがあります。業務PCではIT管理者に相談してください。
画像説明: Windows 11ラップトップのクローズアップ。キーボードとデスクトップの一部が見える。
Start11のダウンロードとインストール手順
- Start11のダウンロードページにアクセスし、30日間の無料トライアルをダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールを完了させます。
- トライアルを有効にするためにメールアドレスの入力と確認が必要です。
インストール完了後、初回に「Left aligned(左寄せ)」か「Center aligned(中央揃え)」を選択するプロンプトが表示されます。どちらを選んでも構いません。後で変更します。
画像説明: Start11の初期選択画面。左寄せと中央揃えの配置サンプルが並ぶ。
インストール直後はStart11のホーム画面が表示されます。ここで大半の設定を行います。
画像説明: Start11のホームスクリーン。タブで設定を切り替えられるインターフェース。
事前にWindowsテーマをダークに変更する理由
ChromeOS風の見た目を再現するため、まずWindowsのテーマをダークにします。ダークテーマはコントラストを高め、Start11で設定する深い青系のアクセントカラーと相性が良いです。
手順: 設定 > 個人用設定 > テーマ で「Current theme(現在のテーマ)」をダークに切り替えます。ダークテーマは利用可能なテーマ一覧の2番目に表示される場合があります。
画像説明: Windows 11のダークテーマ設定画面。テーマ一覧が表示されている。
スタートメニューをChromeOS風にする手順(Start11)
Start11ホームの「Start Menu」タブで以下を設定します。
- Windows 11 Style を選択。
- Use the Start11 Start Menu をオンにする。
次に「Configure menu」バナーをクリックし、Start Menu > Configuration に移動します。Advanced セクションで以下を設定してください。
- Show recently added apps をオフ。
- Show recent documents をオフ。
- Shortcut icons should be sized を Large に設定。
- Use fullscreen menu をオン。
- Start menu should open showing all programs list をオフ。
- Hide folders from the recent documents list をオフ。
残りの項目はデフォルトのままでも問題ありません。次に「Customize menu visual appearance」に移動して以下を設定します。
- Use automatic color for the start menu をオフ。
- Pick color をクリックして RGB 値を入力: 6, 41, 183。
- Make menu font bigger or smaller を 150% に設定。
- Adjust menu transparency を 80% (ほぼ不透明)に設定。
最後にページ下部で以下を設定します。
- Use a custom menu background をオンにして img104 を選択。
- Transparency を 60% に設定。
- Settings > Pick texture color で同じ RGB 値(6, 41, 183)を入力。
設定完了後のサンプル画面は以下です。
画像説明: Start11のカスタム背景設定画面。色と透明度のスライダーが表示されている。
これでスタートメニューはChromeOSのアプリランチャーに似たフルスクリーン表示と、深い青色のアクセントを持つ外観になります。
スタートボタンをChromeOS風にする手順(Start11)
「Start Button」タブで以下を設定します。
- Use a custom start button image をオンにする。
- ドロップダウンから Arsenic Orb を選択(ChromeOSのランチャーに近い見た目)。
- How would you like your taskbar configured で Left start button and center aligned taskbar buttons を選択。
設定完了の見た目例は次の通りです。
画像説明: Start11のスタートボタン設定。カスタム画像とタスクバー配置のオプションが見える。
これでスタートボタンが画面左端に戻り、ChromeOSのアプリドロワーの位置に近づきます。
タスクバーをChromeOS風にする手順(Start11)
「Taskbar」タブで以下を設定します。
- Let Start11 enhance the taskbar をオンにする。
- Taskbar buttons should be combined を Always に設定。
「Taskbar blur, transparency, and color」で以下を設定してください。
- Blur the wallpaper under the taskbar をオン。
- Use automatic color for the taskbar をオフ。
- Color をクリックして RGB 値: 6, 41, 183 を入力。
- Adjust taskbar transparency を 40% に設定。
「Taskbar right click menus」で次を設定します。
- Show Win+X menu when right-clicking on the start button rather than the Start11 one をオン。
「More Start11 taskbar settings」で次を確認します。
- Allow the taskbar to be resized をオン。
- Vertically center the taskbar buttons をオフ。
- Always hide the text on buttons regardless of group state をオン。
これらを適用すると、タスクバーの見た目が ChromeOS のようにすっきりとしつつ、Windowsのショートカットと通知はそのまま利用できます。
結果: ChromeOS風デスクトップ完成
設定が完了すると、以下のような特徴が得られます。
- スタートボタンは画面左端に戻る。
- スタートメニューはフルスクリーンで、最近のドキュメントや追加アプリを表示せずシンプル。
- 深い青のアクセントカラーと適度な透明度で統一された外観。
画像説明: ChromeOS風にカスタマイズされたWindows 11デスクトップ。タスクバーと背景が調和している。
スタートを開くと、最小限の要素に絞られたフルスクリーンメニューが表示されます。アプリ一覧へは1クリックでアクセスでき、個人フォルダや設定、コントロールパネルへのショートカットも残ります。
画像説明: カスタマイズ後のスタートメニューのフルスクリーン表示。アプリアイコンとショートカットが並ぶ。
Start11でできる追加のカスタマイズ例
- Windows 7風・Windows 10風のスタートメニューに完全に戻すことが可能。
- 検索動作の変更(デフォルト検索エンジンや検索UIの振る舞い)。
- タスクバーや通知領域の詳細な外観調整(アイコンサイズ、グルーピング、テキスト表示)。
用途に応じて複数のプリセットを保存して切り替えると便利です。
トラブルシューティングと失敗するケース
- 会社のポリシーでサードパーティソフトを制限している場合、インストール不可や機能が制限されることがあります。
- 特定のランチャーやカスタムシェルと競合する場合、表示崩れや動作不良を起こすことがあります。
- Windowsの大型アップデート後に設定がリセットされる可能性があります。アップデート前に設定をエクスポートしてください。
対応策: 変更前に復元ポイントを作成し、必要ならStart11の設定エクスポートを利用してください。競合が疑われる場合は他のカスタマイズツールを一旦無効化して検証します。
代替アプローチ
- Open-Shell: 無料のスタートメニュー置換ツール。Windows 7スタイルの復元に優れますが、ChromeOS風の再現は手作業が多くなります。
- ExplorerPatcher: タスクバーとエクスプローラーの挙動を深く変更できるツール。企業環境での細かな調整に向きます。
どのツールも長所短所があり、好みと管理上の制約で選んでください。
セキュリティとバックアップのチェックリスト
- 管理者権限でインストールを行う。
- 変更前にシステムの復元ポイントを作成する。
- 公式サイトからダウンロードする。
- 大規模導入時はテストマシンで検証する。
- 設定のエクスポート機能を活用してロールバック計画を用意する。
ロール別チェックリスト
- 一般ユーザー: 写真・テーマを選び、フルスクリーンメニューと色を設定して終了。
- パワーユーザー: アイコンサイズ、テクスチャ色、透明度を微調整し、複数プリセットを保存。
- IT管理者: グループポリシーとの整合性を確認し、イメージ化とテスト運用を実施。
受け入れ基準(Критерии приёмки)
- スタートボタンが左端に戻り、タスクバーのボタンが中央揃えで表示されること。
- スタートメニューがフルスクリーン表示になり、最近のドキュメント表示がオフになっていること。
- 色が指定のRGB(6, 41, 183)で統一されていること。
リスクと軽減策
- リスク: Windowsのアップデートで一時的に表示が崩れる。
軽減策: 設定を定期的にエクスポートし、復元ポイントを作成する。 - リスク: 会社のセキュリティポリシー違反。
軽減策: IT部門と事前に合意を得る。
1行用語集
- スタートメニュー: アプリや設定を起動するためのWindowsの主要メニュー。
- タスクバー: 画面下部のアプリボタンと通知領域の並び。
- プリセット: 設定の保存セット。
テストケースの例
- テスト1: Start11インストール後にスタートメニューがフルスクリーンで開くか確認する。
- テスト2: RGB値を設定後、タスクバーとメニューの色が一致するか確認する。
- テスト3: Windows再起動後に設定が維持されるか確認する。
まとめ
Start11を使えば簡単にWindows 11の見た目をChromeOS風へ変えられます。ダークテーマへの切替、指定のRGBカラー設定、フルスクリーンスタートメニューの有効化、スタートボタンとタスクバーの配置変更が主要手順です。導入前にバックアップとテストを行えば、安全に好みのデスクトップを作れます。
重要: 企業環境では管理者と相談のうえ手順を適用してください。
追記: よくある質問(簡易)
Q: Start11は無料ですか?
A: 30日間のトライアルがあります。有料ライセンスでフル機能を継続利用できます。
Q: 元に戻せますか?
A: はい。Start11の設定をオフにするかアンインストールすることで復元できます。設定をエクスポートしておくとより確実です。
Q: アップデートで壊れたら?
A: 復元ポイントまたは設定のバックアップから復旧してください。
この記事は、Start11を使った実用的な手順と運用上の注意点をまとめたガイドです。カスタマイズの自由度を活用して、自分だけのデスクトップに仕上げてください。