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Ubuntu 18.04 に Opigno LMS をインストールして設定する

2 min read チュートリアル 更新されました 11 Oct 2025
Ubuntu 18.04 に Opigno LMS をインストールする方法
Ubuntu 18.04 に Opigno LMS をインストールする方法

Opigno LMS とは

Opigno LMS は Drupal を基盤にしたフル機能の学習管理システム(LMS)で、企業や大学がオンライン研修の管理、学習パスの作成、オンライン販売、合格者への証明書発行などを行うために設計されています。

用語(1行定義):

  • LMS: 学習管理システム。教材と学習者をオンラインで管理するソフトウェア。
  • Drupal: PHP ベースの CMS(コンテンツ管理システム)。Opigno はこれを拡張して LMS を提供します。

重要ポイント

重要: 本手順は Ubuntu 18.04 を想定しています。root 権限か sudo が使える管理ユーザーで作業してください。

注意: サンプル設定(データベース名、ユーザー名、パスワード、ServerName)は必ず本番に合わせて置き換えてください。


要求事項

  • Ubuntu 18.04 を実行しているサーバー
  • root パスワードまたは sudo 権限のある管理アカウント
  • 公開ホスト名(例: example.com)またはテスト用に /etc/hosts で名前を解決可能であること

開始前に(システムの更新)

まずシステムを最新の状態に更新します:

apt-get update -y
apt-get upgrade -y

更新後は必要に応じてサーバーを再起動してください。

LAMP サーバーのインストール

Apache、MariaDB、PHP と必要な拡張モジュールをインストールします(Ubuntu 18.04 の標準 PHP 7.2 を想定)。以下を実行してください:

apt-get install apache2 mariadb-server php7.2 libapache2-mod-php7.2 php7.2-common php7.2-sqlite3 php7.2-curl php7.2-intl php7.2-mbstring php7.2-xmlrpc php7.2-mysql php7.2-gd php7.2-xml php7.2-cli php7.2-zip unzip wget -y

インストール後、Apache と MariaDB を起動して自動起動を有効にします:

systemctl start apache2
systemctl enable apache2
systemctl start mariadb
systemctl enable mariadb

php.ini の調整

PHP 設定を変更して Opigno の要件に合わせます。エディタで開き、下記を編集または追加してください。

nano /etc/php/7.2/apache2/php.ini

変更例:

memory_limit = 256M
post_max_size = 100M
upload_max_filesize = 100M
max_execution_time = 360
date.timezone = Asia/Tokyo

保存して閉じます。

MariaDB の初期設定とデータベース作成

MariaDB はデフォルトではセキュアではありません。以下のスクリプトで初期強化を行います:

mysql_secure_installation

対話で現在の root パスワード設定、匿名ユーザー削除、リモート root ログイン禁止、テスト DB 削除、特権テーブルの再読み込みなどを行います。プロンプト例(操作は Y/N):

Enter current password for root (enter for none):
Set root password? [Y/n]: Y
Remove anonymous users? [Y/n]: Y
Disallow root login remotely? [Y/n]: Y
Remove test database and access to it? [Y/n]: Y
Reload privilege tables now? [Y/n]: Y

設定後、MariaDB に root でログインして Opigno 用のデータベースと専用ユーザーを作成します(以下は例。強力なパスワードに変更してください)。

mysql -u root -p

CREATE DATABASE opigno;
CREATE USER 'opignouser'@'localhost' IDENTIFIED BY 'your_strong_password_here';
GRANT ALL PRIVILEGES ON opigno.* TO 'opignouser'@'localhost' IDENTIFIED BY 'your_strong_password_here' WITH GRANT OPTION;
FLUSH PRIVILEGES;
exit

重要: ‘your_strong_password_here’ は必ず十分に複雑なパスワードに置き換えてください。

Opigno LMS のダウンロードと配置

公式配布ファイル(この記事時点の例)をダウンロードして Apache ドキュメントルートへ展開します:

wget https://www.opigno.org/sites/default/files/opigno-with-dependencies-v2.5.zip

mkdir /var/www/html/opigno
unzip opigno-with-dependencies-v2.5.zip -d /var/www/html/opigno/

所有権とアクセス権を設定します:

chown -R www-data:www-data /var/www/html/opigno
chmod -R 755 /var/www/html/opigno

Apache の仮想ホスト設定

Opigno 用の Apache 仮想ホストを作成します。ファイルを編集:

nano /etc/apache2/sites-available/opigno.conf

例(ServerName と ServerAdmin は環境に合わせて置き換えてください):


     ServerAdmin [email protected]
     DocumentRoot /var/www/html/opigno
     ServerName example.com

     
          Options FollowSymlinks
          AllowOverride All
          Require all granted
     

     ErrorLog ${APACHE_LOG_DIR}/opigno_error.log
     CustomLog ${APACHE_LOG_DIR}/opigno_access.log combined

     
         RewriteEngine on
         RewriteBase /
         RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f
         RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d
         RewriteRule ^(.*)$ index.php?q=$1 [L,QSA]
     

有効化し、rewrite モジュールを有効にして Apache を再起動します:

a2ensite opigno.conf
a2enmod rewrite
systemctl restart apache2

起動状態を確認するには:

systemctl status apache2

(表示されるログに “Active: active (running)” があれば稼働中です)

Web インターフェースにアクセスしてセットアップを完了する

ブラウザで http://example.com を開き、セットアップウィザードを進めます。以下の画像はセットアップ中のスクリーンショットの例です。

画像 ALT: インストール言語選択画面(Opigno インストーラ)

言語を選択して「Save and continue」をクリックします。データベース情報入力画面では、先ほど作成したデータベース名、ユーザー名、パスワード(例: opigno / opignouser / your_strong_password_here)を入力します。

画像 ALT: データベース接続設定画面(ホスト、データベース、ユーザー、パスワードを入力)

データベース接続が成功すると次の画面へ進み、サイト名・管理者メール・管理者ユーザー名・パスワードを設定します。

画像 ALT: サイト情報と管理者アカウント設定画面

最後に基本的なサイト設定が表示されます。

画像 ALT: 初期セットアップの完了確認画面

ログイン画面やダッシュボードが表示されればインストール成功です。

画像 ALT: インストール完了後の Opigno ダッシュボードの例

おめでとうございます。Opigno LMS が Ubuntu 18.04 上に正常にインストールされ、基本設定が完了しました。


トラブルシューティング(よくある問題と解決策)

  • パーミッションエラー: /var/www/html/opigno の所有権が www-data に設定されているか確認し、必要なら chown/chmod を再実行。
  • DB 接続エラー: MariaDB のユーザー/パスワード/ホスト名が正しいか、GRANT が正しく付与されているかを確認。
  • PHP 拡張が不足: apache2 のエラーログ(/var/log/apache2/opigno_error.log)に不足拡張の警告が出るので、対応する php7.2-* パッケージを追加インストール。
  • Apache が FQDN を解決できない旨のログ: 無視できることが多いが、本番は ServerName を正しく設定。
  • ファイアウォール: ポート 80/443 を開放(ufw enable && ufw allow ‘Apache’)

代替アプローチと注意点

  • SQLite を使った軽量構成も可能な場合がありますが、複数ユーザーや大規模運用では MariaDB/MySQL 推奨。
  • 本番環境では HTTPS(Let’s Encrypt)を必ず導入してください。
  • PHP バージョンや Opigno のバージョン互換性を事前に確認してください。

役割別チェックリスト

  • システム管理者(DevOps):
    • LAMP 環境の導入/セキュリティ強化
    • SSL 証明書の設定
    • 定期バックアップのスケジュール
  • コース管理者(インストラクター):
    • コース作成とモジュール配置
    • コース受講パスと証明書テンプレート設定
  • サイト管理者:
    • ユーザー/権限の管理
    • 支払い(販売)設定とレポート確認

受け入れ基準

  • ブラウザでサイトにアクセスし、管理者アカウントでログインできる
  • コースを一つ作成し、受講者を登録できる
  • MariaDB に接続され、データが正しく保存される
  • Apache が稼働し、ログに致命的なエラーがない

クイックコマンド(まとめ)

シンプルに一通りを実行するコマンド一覧:

apt-get update -y && apt-get upgrade -y
apt-get install apache2 mariadb-server php7.2 libapache2-mod-php7.2 php7.2-mysql php7.2-xml php7.2-mbstring php7.2-gd unzip wget -y
systemctl start apache2 && systemctl enable apache2
systemctl start mariadb && systemctl enable mariadb
mysql_secure_installation
# MariaDB で DB 作成  -> mysql -u root -p
wget https://www.opigno.org/sites/default/files/opigno-with-dependencies-v2.5.zip
mkdir /var/www/html/opigno && unzip opigno-with-dependencies-v2.5.zip -d /var/www/html/opigno/
chown -R www-data:www-data /var/www/html/opigno && chmod -R 755 /var/www/html/opigno
# Apache 仮想ホストを作成して有効化
a2ensite opigno.conf
a2enmod rewrite
systemctl restart apache2

小さな運用メソッド(ミニ手順)

  1. テスト環境でまずインストール手順を全て行う。
  2. バックアップポリシーとアップデート手順を文書化する。
  3. HTTPS と定期バックアップを本番導入前に必須化。
  4. 実運用時はモニタリング(ログ、レスポンス)を設定。

1行用語集

  • Apache: ウェブサーバー
  • MariaDB: MySQL 互換のリレーショナル DB
  • PHP: サーバーサイド言語(Opigno の実行環境)

まとめ: 本ガイドに沿えば、Ubuntu 18.04 上に Opigno LMS を構築し、基本的な管理と運用の出発点を得ることができます。SSL 設定、バックアップ、ユーザー運用ルールを整えれば、本格運用に移行できます。質問があれば具体的なエラーやログを教えてください。

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