テクノロジーガイド

Mantis Bug Tracker を CentOS 7 にインストールする手順

2 min read サーバー 更新されました 14 Oct 2025
CentOS 7にMantisをインストールする方法
CentOS 7にMantisをインストールする方法

要点と対象読者

  • 目的: CentOS 7 上に Mantis Bug Tracker(MantisBT)を稼働させること。
  • 対象: sudo 権限を持つサーバー管理者、開発チームや QA リード。

前提条件

  • CentOS 7 が稼働しているサーバー。
  • sudo 可能な管理ユーザー。
  • 基本的な Linux コマンドの理解。

重要: 本手順は Mantis 2.4.0(記事作成時点の安定版)を前提にしています。Mantis の新しいバージョンや PHP の要件が変わった場合は、公式リリースノートを確認してください。

1. 準備: EPEL を有効化してシステムを更新する

まず EPEL リポジトリを有効化し、システムパッケージを最新にします。

sudo yum install epel-release -y
sudo yum update -y

2. LAMP サーバーのインストール(Apache、MariaDB、PHP)

Mantis はウェブアプリです。Apache、PHP、MySQL 互換 DB(ここでは MariaDB)が必要です。

  1. Apache をインストールして起動・自動起動を有効化します。
sudo yum install httpd -y
sudo systemctl start httpd
sudo systemctl enable httpd
  1. MariaDB をインストールして起動・自動起動を有効化します。
sudo yum install mariadb mariadb-server -y
sudo systemctl start mariadb
sudo systemctl enable mariadb
  1. PHP(ここでは PHP 7 系)をインストールします。CentOS 7 のデフォルトリポジトリには PHP7 がないため、Webtatic リポジトリを追加して PHP 7.1 をインストールする例を示します。
sudo rpm -Uvh https://mirror.webtatic.com/yum/el7/webtatic-release.rpm
sudo yum install php71w php71w-cli php71w-mysqli -y

インストール後、PHP のバージョンを確認します。

php -v

出力例(参考):

PHP 7.1.1 (cli) (built: Jan 19 2017 20:35:16) ( NTS )
Copyright (c) 1997-2017 The PHP Group
Zend Engine v3.1.0, Copyright (c) 1998-2017 Zend Technologies

メモ: より新しい PHP を使いたい場合は Remi リポジトリなどの代替を検討してください(後述の代替アプローチ参照)。

3. MariaDB を保護して Mantis 用 DB を作成する

MariaDB の初期インストールは公開環境では不十分です。mysql_secure_installation を実行して基本設定を済ませます。

sudo mysql_secure_installation

対話例(推奨設定):

Set root password? [Y/n] Y
New password:
Re-enter new password:
Remove anonymous users? [Y/n] Y
Disallow root login remotely? [Y/n] Y
Remove test database and access to it? [Y/n] Y
Reload privilege tables now? [Y/n] Y

次に MariaDB シェルに入り、Mantis 用のデータベースとユーザーを作成します。

mysql -u root -p

パスワードを入力した後、以下を実行します。

MariaDB [(none)]> CREATE DATABASE mantisdb;
MariaDB [(none)]> GRANT ALL PRIVILEGES ON mantisdb.* TO 'mantis'@'localhost' IDENTIFIED BY 'mantispassword';
MariaDB [(none)]> FLUSH PRIVILEGES;
MariaDB [(none)]> \q

重要: 実際の運用では ‘mantispassword’ のようなプレーンなパスワードを使わないでください。強力なパスワードまたは秘密管理ツールを利用してください。

4. Mantis をダウンロードして配置する

最新の安定版を SourceForge からダウンロードする例です(この記事作成時点の 2.4.0 を使用)。

wget https://excellmedia.dl.sourceforge.net/project/mantisbt/mantis-stable/2.4.0/mantisbt-2.4.0.zip

ダウンロード後、解凍して Apache のドキュメントルートに移動します。

unzip mantisbt-2.4.0.zip
sudo mv mantisbt-2.4.0 /var/www/html/mantis
sudo chown -R apache:apache /var/www/html/mantis

5. Apache の仮想ホスト設定を作成する

Mantis 用の仮想ホスト設定ファイルを作成します。

sudo nano /etc/httpd/conf.d/mantis.conf

ファイルに次を追加します(必要に応じて ServerName を変更)。


ServerAdmin [email protected]
DocumentRoot "/var/www/html/mantis"
ServerName yourdomain.com

Options FollowSymLinks
AllowOverride All


Options MultiViews FollowSymlinks

AllowOverride All
Order allow,deny
Allow from all

TransferLog /var/log/httpd/mantis_access.log
ErrorLog /var/log/httpd/mantis_error.log

設定を保存して Apache を再起動します。

sudo systemctl restart httpd

6. ファイアウォールの設定と Web インストーラーへのアクセス

HTTP トラフィックを許可します。

sudo firewall-cmd --zone=public --permanent --add-service=http
sudo firewall-cmd --reload

ブラウザで http://yourdomain.com にアクセスします。セットアップ画面で次を入力します:

  • Database Name: mantisdb
  • Username: mantis
  • Password: mantispassword
  • Admin username / password: インストール画面で指定(初期 admin は administrator / root と記載されている場合があるので、必ず変更してください)

画像(インストール画面の例):

Mantis インストール画面 — データベース入力フォーム

インストールが完了すると続行ボタンが現れ、ログイン画面にリダイレクトされます。

Mantis インストール完了画面 — 続行ボタンを示す

ログイン画面の例:

Mantis ログインページ — ユーザー入力欄

さらに初期パスワード設定や GUI の例:

Mantis パスワード初期画面 — パスワード入力

ログイン後のデフォルトダッシュボード例:

Mantis ダッシュボードの例 — プロジェクトの概要表示

重要: 初期の “administrator” / “root” などのデフォルト認証情報は必ず変更してください。管理アカウントは最初の作業で強化するべきです。

セキュリティ強化の推奨(運用前チェック)

  • 管理アカウントの初期パスワードを変更する。
  • Apache の不要なモジュールを無効化する。
  • HTTPS(Lets Encrypt 等)で通信を暗号化する。
  • DB ユーザーの権限を必要最小限に限定する(運用中の運用アカウントは SELECT/INSERT/UPDATE/DELETE のみ等)。

代替アプローチと互換性のヒント

  • PHP の入手方法: Webtatic の代わりに Remi リポジトリを使うとより新しい PHP バージョンを安定的に管理できます。
  • データベース: MySQL を使う場合は同等の手順で動作しますが、パッケージ名や初期設定に違いがあります。
  • コンテナ化: Docker で Mantis をコンテナ化し、データ永続ボリュームと分離された DB コンテナを利用する方法もあります(詳細は公式イメージを参照)。

運用前チェックリスト(ロール別)

  • 管理者:
    • Apache と PHP のエラーログを確認する。
    • 定期バックアップのスケジュールを作成する。
  • 開発者:
    • Mantis のメール通知設定をテストする。
    • プラグイン互換性を評価する。
  • QA / プロジェクトマネージャー:
    • サンプル課題を作成して通知・権限を検証する。

受入基準

  • Web インストーラーが正常に完了し、管理者でログインできること。
  • データベースにテーブルが作成され、接続エラーが発生しないこと。
  • HTTP(S) 経由でダッシュボードにアクセスできること。

テストケース(簡易)

  1. 管理者でログインできるか。
  2. 新しい課題を作成して保存、表示がされるか。
  3. 別ユーザーでログインし、権限が制御されているか。
  4. メール通知が送信されるか(SMTP 設定を行って確認)。

トラブルシューティングのヒント

  • 403/404 が出る: Apache の DocumentRoot と Directory 設定、ファイル所有権(chown -R apache:apache)を確認。
  • DB 接続エラー: mantisdb、ユーザー名、パスワードが正しいか、mysql ログと /var/log/messages を確認。
  • PHP エラー: /var/log/httpd/error_log をチェックし、PHP モジュールが不足していないか確認。

ミニ手順(1行サマリ)

  1. EPEL を入れる → 2) Apache/MariaDB/PHP を入れる → 3) DB 作成 → 4) Mantis ファイル配置 → 5) 仮想ホスト設定 → 6) ファイアウォール開放 → 7) Web インストール

FAQ(よくある質問)

Q: CentOS 8 / 9 でも同じ手順ですか? A: 基本的な流れは同じですが、パッケージ名や PHP の入手方法が異なります。各 OS のリポジトリ仕様に合わせて手順を調整してください。

Q: Mantis のデフォルト管理者パスワードは何ですか? A: インストーラーで指定します。デフォルトの “administrator” ユーザーがある場合は初回ログイン後すぐにパスワードを変更してください。

Q: アップグレード手順は? A: 新しいバージョンをダウンロードして既存ファイルを上書きし、Web インストーラーからデータベースのアップグレードを実行します。事前に必ず DB のバックアップを取ってください。


まとめ: 上記の手順に従えば CentOS 7 に MantisBT をインストールして基本的な運用を開始できます。導入後は管理者アカウント保護、HTTPS 化、バックアップを最優先で設定してください。

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