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Windowsドライブの黄色い警告三角の意味と完全な対処ガイド

2 min read Windows 更新されました 11 Oct 2025
Windowsドライブの黄色三角を解消する方法
Windowsドライブの黄色三角を解消する方法

Windowsドライブに表示された黄色い警告三角の写真

要点(TL;DR)

a. ドライブの横に表示される黄色い三角は多くの場合、BitLocker暗号化が無効になっているか、ファイルシステムやシステムファイルに問題があることを示します。
b. 優先対応は「BitLockerの状態確認 → CHKDSK(チェックディスク) → DISM/SFC(システム修復) → トラブルシューティングツール → システムの復元/更新/リセット」です。
c. まず必ず重要データのバックアップを作成してください。処置によっては再起動やリカバリが必要になります。

重要:修復作業の前にバックアップを必ず作成してください。BitLockerやディスク修復はまれにデータに影響を与えることがあります。


このガイドの目的と対象読者

このガイドは、Windowsのエクスプローラーでドライブの横に黄色い警告三角が出ている場合の原因特定と段階的な対処法を、初心者から中級システム管理者向けに分かりやすく解説します。用語は短く定義し、GUI操作とコマンドラインの両方を示します。

用語(1行定義):

  • BitLocker:Windowsのドライブを暗号化して盗難や不正アクセスからデータを守る機能。
  • CHKDSK:ディスクのファイルシステム整合性をチェックして可能なら修復するWindowsユーティリティ。
  • DISM/SFC:Windowsのイメージやシステムファイルを検査・修復するコマンドラインツール。

黄色い警告三角は何を意味するのか

最も頻度の高い理由は以下です。

  • BitLockerが無効になっている(管理ポリシーや手動で無効化された)。
  • ドライブのファイルシステムに不整合や軽微なエラーがある。
  • システムファイルが破損しており、表示や認識に問題を起こしている。
  • ドライバーやWindows更新の問題、または一時的なUIバグ。

カウンター例(当てはまらないケース):

  • 黄色三角が単なるアイコンキャッシュの問題で、ドライブ自体が正常に読み書きできる場合。
  • サードパーティ製のディスク管理ソフトが独自の警告アイコンを表示している場合(Windowsの警告とは別)。

早見の意思決定フロー

以下の短いフローチャートで、どの手順を優先するか切り分けられます。

flowchart TD
  A[黄色い三角を確認] --> B{ドライブにアクセス可能か?}
  B -- はい --> C{BitLockerは有効か?}
  B -- いいえ --> H[ハードウェア故障の疑い→バックアップ→専門修理]
  C -- 無効 --> D[BitLockerを有効化]
  C -- 有効 --> E[CHKDSK実行]
  E --> F{エラーが修復されたか?}
  F -- はい --> Z[完了]
  F -- いいえ --> G[DISM/SFC → トラブルシューティング]
  G --> Z

1. BitLockerドライブ暗号化を有効にする方法

この手順は、アイコンに表示される警告がBitLocker無効によるものである場合に最も直接的です。

重要:会社や組織の端末では、ポリシーによってBitLockerの設定が管理者により制御されている場合があります。管理者に確認してください。

手順(GUI):

  1. スタートボタンをクリックして検索バーに「コントロールパネル」と入力し、最適な結果を開きます。
  2. 右上の「表示方法」を「大きいアイコン」に変更します。
  3. 「BitLockerドライブ暗号化」を選択します。
  4. 暗号化したいドライブの「BitLockerを有効にする(Turn on BitLocker)」をクリックします。
  5. 表示されたウィザードで「パスワードでロック解除」を選び、パスワードを設定します。
  6. 「使用済み領域のみを暗号化(新しいPCに最適)」または「ドライブ全体を暗号化(既存の使用中のドライブ向け)」のどちらかを選び、指示に従います。
  7. 完了後、PCを再起動して状態を確認します。

考慮事項・代替:

  • TPM(トラステッドプラットフォームモジュール)が無い場合、回復キーの保存方法を求められます。Microsoftアカウント、ファイル、または印刷で安全に保管してください。
  • 組織のAzure AD / Intuneに参加している端末では、回復キーは管理者によって保管されている可能性があります。

受け入れ基準(チェック):

  • エクスプローラーで黄色い三角が消える。
  • BitLockerの管理画面で対象ドライブが「暗号化済み」と表示される。

2. ハードドライブのチェックディスク(CHKDSK)を実行する

BitLockerが既に有効である、または暗号化が関係ない場合、ドライブのファイルシステムやセクタ問題を疑います。CHKDSKはこれらのチェックと修復に使います。

手順(管理者権限のコマンドプロンプト):

  1. スタートで「コマンドプロンプト」と検索し、最適な結果を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
  2. 次のコマンドを入力して実行します(WindowsがCドライブにある場合の例):
chkdsk C: /f
  1. 対象ドライブがシステムドライブで使用中の場合、再起動時にスケジュールするかどうか尋ねられます。「Y」を入力して再起動してください。
  2. スキャンが完了するまで待ち、結果を確認します。ログはイベントビューアの「Application」ログで「Wininit」ソースのエントリに記録されます。

追加オプション説明:

  • /f はファイルシステムのエラーを修復します。
  • /r は不良セクタを検出して回復します(実行時間が長くなる)。

考えられる結果と対処:

  • CHKDSKで修復できた場合:再起動後に黄色アイコンが消えることが多いです。
  • CHKDSKが継続的に不良セクタを検出する場合:ドライブの物理的劣化の可能性があります。重要データをバックアップして交換を検討してください。

3. DISM と SFC を実行してシステムファイルを修復する

CHKDSKで解決しない場合、システムファイルやWindowsイメージの破損を疑います。DISM(イメージ修復)→ SFC(システムファイルチェッカー)の順で実行します。

手順:

  1. 管理者としてコマンドプロンプトを開きます(前節参照)。
  2. 以下を順に実行してください(各コマンド後に完了を待ちます):
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
  1. DISMが完了したら、次にSFCを実行します:
sfc /scannow
  1. 結果が「破損したファイルを修復しました」となれば再起動して確認します。

注意点:

  • DISMはWindows Updateから修復イメージを取得するため、ネットワーク接続が必要です。
  • オフラインイメージや特定のソースを使う場合は追加オプション(/Source)を指定しますが、一般家庭向けにはオンラインで十分なことが多いです。

4. ハードウェアとデバイスのトラブルシューティングを実行する

Windows標準のトラブルシューティングツールを使うと、デバイスドライバーや接続の問題を自動で検出して修復してくれる場合があります。

手順(GUI):

  1. スタートメニューから「設定」を開きます。
  2. 「更新とセキュリティ」を選択し、左メニューから「トラブルシューティング」を選びます。
  3. 「ハードウェアとデバイス」トラブルシューティングを見つけて実行します。
  4. 表示される指示に従い、見つかった項目を修復します。

補足:

  • 古いデバイスドライバーが原因の場合、メーカーサイトから最新ドライバーを手動でダウンロードして適用することで解決することがあります。

ハードウェアとデバイスのトラブルシューティングツールを実行している画面


5. システムの復元を使う

問題が最近発生した場合、システムの復元を使って問題発生前の状態に戻すのが有効です。復元ポイントが存在する必要があります。

前提確認:

  • 問題が発生した時期が最近であること。
  • 復元ポイント(自動または手動)が作成されていること。

手順:

  1. スタートで「復元ポイントの作成」と検索して開きます。
  2. 「システムの保護」タブを選び、「システムの復元」をクリックします。
  3. 「別の復元ポイントを表示する」を選び、適切な復元ポイントを選択して「次へ」→「完了」で開始します。
  4. 復元プロセス中はPCを操作しないでください。完了後、自動的に再起動します。

注意:

  • システムの復元はアプリやドライバーの変更を元に戻しますが、個人ファイル(ドキュメント等)を消去しないのが一般的です。ただし事前のバックアップを推奨します。

Windowsで復元ポイントを使用する画面


6. Windowsを更新する

多くのシステム問題は最新の更新プログラムで修正されます。特にドライバーやセキュリティ修正が関係する場合は更新が効果的です。

手順:

  1. 「設定」>「更新とセキュリティ」>「Windows Update」を開きます。
  2. 「更新プログラムのチェック」をクリックし、利用可能な更新をすべてインストールします。
  3. 更新後は必要に応じて再起動してください。

補足:

  • 大きな更新(機能更新)後に不具合が出た場合、直近の更新をアンインストールして挙動を確認する手順もあります。

Windowsの更新を確認している画面


7. Windowsのリセット(工場出荷時状態に戻す)

上記の方法で解決しない場合、最終手段としてWindowsのリセット(初期化)を検討します。データを保持するオプションがありますが、必ず事前にバックアップを作成してください。

手順:

  1. 「設定」>「更新とセキュリティ」>「回復」を開きます。
  2. 「このPCを初期状態に戻す」セクションで「開始する」をクリックします。
  3. 「ファイルを保持する」か「すべて削除する」を選択し、画面の指示に従います。
  4. 工程が完了するまで待ちます。時間がかかる場合があります。

注意:

  • 「すべて削除する」を選ぶとアプリと設定、個人データが消去されます。クラウド同期や外部バックアップを必ず確認してください。

Windowsをリセットしている画面


追加の検討事項と代替アプローチ

  • ディスクの健康状態を長期的に監視するなら、S.M.A.R.T.ツール(CrystalDiskInfoなど)を使って不良セクタの増加や温度、再割り当て済みセクタ数をチェックしてください。
  • サードパーティ製バックアップソフト(イメージバックアップ)を使ってシステム全体のスナップショットを取ると、初期化より安全に復旧できます。
  • 企業環境では、グループポリシーやIntuneのプロファイルでBitLockerが制御されていることが多いので、IT管理者へエスカレーションしてください。

役割別チェックリスト

ホームユーザー:

  • 重要ファイルを外部ストレージまたはクラウドにバックアップ。
  • BitLockerの状態を確認。
  • CHKDSKを実行。
  • DISM/SFCを実行。
  • Windows Updateを実施。

IT管理者:

  • デバイスがドメイン/Azure ADに参加しているか確認。
  • BitLockerポリシーと回復キーの保管場所を確認。
  • デバイス管理ツールでハードウェア診断ログを収集。
  • 必要に応じてドライブを交換し、復旧計画を実行。

簡易SOP(プレイブック): 黄色三角を見つけたら

  1. 影響範囲の特定:どのドライブか、ユーザーに影響があるか確認。
  2. バックアップ:重要データのバックアップを取得。
  3. BitLocker確認:有効ならCHKDSKへ、無効なら有効化を試す。
  4. CHKDSK実行→DISM/SFC実行→トラブルシューティング実行。
  5. 再発する場合はハードウェア診断とドライブ交換プランを準備。

テストケースと受け入れ基準

  • ケース1: BitLockerが無効で、暗号化有効化後に三角が消える。
    受け入れ基準: エクスプローラーの警告消失、BitLocker管理画面で暗号化済み表示。

  • ケース2: CHKDSKでファイルシステムエラーが修復され、三角が消える。
    受け入れ基準: CHKDSKログにエラーが修復された旨の記録、再起動後に警告消失。

  • ケース3: DISM/SFCでシステムファイルを修復してアイコンが戻る。
    受け入れ基準: SFCが破損ファイルを修復した報告、再起動後に警告消失。


リスクと緩和策

  • リスク: ドライブ修復中にデータ損失が発生する可能性。
    緩和: 事前バックアップ、必要ならクローンを作成。

  • リスク: BitLocker有効化時の回復キー紛失。
    緩和: 回復キーを安全な場所(Microsoftアカウント、組織のキーリポジトリ、紙のコピー)に保存。


よくある質問

Q: 黄色三角が表示されたらまず何をすべきですか?
A: まず重要データをバックアップし、BitLockerの状態を確認してください。これが最短で安全な初動です。

Q: BitLockerを有効にすると動作が遅くなりますか?
A: 新しいSSDや高性能PCではほとんど影響を感じません。旧型HDDでは暗号化により書き込み速度に影響が出る場合があります。

Q: CHKDSKの実行でデータが消えることはありますか?
A: 通常はファイルシステムの修復でデータが消える可能性は低いですが、重度の損傷や不良セクタにより一部のファイルが回復不能になる可能性があるためバックアップを推奨します。


1行用語集

  • BitLocker:Windowsのドライブ暗号化機能。
  • CHKDSK:ファイルシステム検査と修復ツール。
  • DISM:Windowsイメージの検査と修復ツール。
  • SFC:システムファイルチェッカー。

最後に一言

黄色い警告三角は無視せず、段階的に原因を切り分けて対処することが重要です。まずはバックアップ、次にBitLockerの状態確認、CHKDSK→DISM/SFCと進めてください。必要ならばシステムの復元やリセット、最終的にはドライブ交換を検討してください。

画像クレジット/図: Windowsの画面ショットや設定画面を参照しています。実際の表示はWindowsのバージョンによって若干異なる場合があります。

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