SDカードをMacでFAT32にフォーマットする3つの簡単な方法

概要
このガイドは、MacでSDカードをFAT32にフォーマットする3つの方法を、事前準備、実行手順、トラブルシュート、補足知識まで含めて詳しく解説します。初心者にもわかりやすく、端末コマンド、GUI手順、公式フォーマッタの使い方、失敗時の回復手順と役割別チェックリストも付属します。
重要: フォーマットはSDカード内の全データを消去します。作業前に必ずバックアップを取ってください。
目次
- 事前準備と注意点
- データ復旧の可能性(4DDiGを使う手順を含む)
- 方法1:ディスクユーティリティでFAT32に変換する手順
- 方法2:ターミナルでFAT32に変換する手順(詳細コマンド付き)
- 方法3:SD Association公式ツールでフォーマットする手順
- 32GBを超えるカードでFAT32が選べない理由と対処
- よくある問題と解決策(トラブルシューティング)
- 選び方の意思決定フローチャート(Mermaid)
- 役割別チェックリスト、受け入れ基準、ミニ方式(SOP)
- 用語集、互換性の目安、セキュリティ&プライバシーメモ
- FAQ
- 最終まとめ
Part 1: フォーマット前に行う準備とチェック
重要チェックポイント
- 書き込み保護スイッチを確認する:物理的なSDカードの側面にあるロックスイッチが「Lock」側になっていると書き込みできません。解除してください。
- 接続方法を確認する:MacにSDスロットがない場合は、USBカードリーダー、またはカメラ経由で接続してください。
- バックアップを必ず取る:フォーマットするとデータは消えます。別のドライブやクラウドにコピーしてください。
簡単な事前確認リスト
- SDカードの容量を確認する(例:16GB、32GB、64GB、128GB)。
- カードが物理的に損傷していないか確認する(曲がり、端子の腐食、欠けなど)。
- macOSのバージョンを控える(Big Sur、Monterey、Venturaなど)。一部ツールやUIはバージョンにより表示が異なります。
Part 1.2: フォーマット後にデータを失った場合の回復(概要)
誤ってフォーマットしてしまった場合でも、物理的に破損していなければデータ復旧ツールで回復できることがあります。ここではTenorshare 4DDiG(4DDiG Mac data recovery)を例に、一般的な流れを示します。
主な特徴(機能の要約)
- macOSでSDカード、USB、外付けドライブなどから復元可能。
- 文書・写真・動画・音声など2,000種類以上のファイル形式に対応。
- スキャン前にプレビュー可能で復元可否を確認できる。
回復の基本手順(概要)
- 4DDiGをインストールして起動する。ホーム画面からSDカードを選択してスキャンを開始。
- 完全スキャンが終わるまで待ち、左パネルのツリービューやファイルビューで対象を探す。
- プレビューでファイルを確認し、復元可能なファイルをローカルに保存する。
注意: どの復元ツールでも100%復元できる保証はありません。上書きが進むと復元率は低下します。データを失ったらすぐに使用を停止して、復元ツールでスキャンしてください。
Part 2: MacでSDカードをFAT32にフォーマットする3つの方法
2.1 ディスクユーティリティ(GUI)でFAT32に変換する
ディスクユーティリティはmacOSに標準で搭載されているツールで、パーティション操作やフォーマットが可能です。以下に手順を示します。
手順
- SDカードをMacに接続する。
- Finder → アプリケーション → ユーティリティ → ディスクユーティリティを起動する。
- 左サイドバーから対象のSDカードを選択する(内部ストレージと外部デバイスを混同しない)。
- 上部の「消去」をクリックする。
- フォーマット欄で「MS-DOS(FAT)」を選択する(FAT32相当の表示)。
- 必要に応じてボリューム名を入力し、「消去」をクリックして処理を実行する。
- 完了後、右上の取り出しボタンで安全に取り出す。
注意点
- macOSは32GBを超えるドライブに対してGUIでFAT32を表示しない場合があります。その場合はexFATを選ぶか、次のターミナル手順を検討してください。
- 「消去」を実行するとデータは消えます。事前にバックアップを取ってください。
2.2 ターミナルでFAT32にフォーマットする(上級者向け)
ターミナルを使えば、GUIに表示されないオプションや細かな制御が可能です。コマンド実行には管理者権限が必要です。下記は一般的な手順例です。
手順(例)
- SDカードを接続する。
- Spotlight(Command + Space)でターミナルを起動する。
- 接続されているディスクの一覧を表示する:
diskutil list
- SDカードのデバイス識別子(例: /dev/disk2)を確認する。
- SDカードをアンマウントする:
diskutil unmountDisk /dev/diskX
(/dev/diskX は実際の識別子に置き換える)
- FAT32でフォーマットする:
sudo newfs_msdos -F 32 /dev/diskX
- 完了したら再度マウントするか、ディスクユーティリティで確認してから取り出す。
注意点
- コマンドを間違えると別のディスクを消去するリスクがあります。diskutil listで必ず識別子を二重確認してください。
- ターミナルで作業する際はsudoを使うため、管理者パスワードの入力が求められます。
2.3 SD Association公式ツール(SD Memory Card Formatter)を使う
SD Associationが提供する公式フォーマッタは、カード規格に準拠したフォーマットを行うため、互換性や安全性の面で推奨されることがあります。Mac用は無料です。
手順
- SD Associationの公式サイトからSD Memory Card Formatterをダウンロードする。
- SDカードをカードリーダー経由でMacに接続する。
- アプリをインストールして起動する。
- 対象のSDカードを選択し、フォーマットオプションを選ぶ。通常は標準設定で問題ありません。
- 『フォーマット』ボタンを押して完了を待つ。
注意点
- Appleシリコン(M1/M2など)搭載Macでは、Rosettaを介して実行する必要がある場合があります。必要に応じてRosettaをインストールしてください。
Part 3: なぜMacでFAT32にフォーマットできないことがあるのか
主な理由
- サイズ制限: FAT32は理論上は大容量を扱えますが、Windowsの標準ツールや一部GUIでは32GBを超えるパーティションに対してFAT32を表示・作成しない制限があります。macOSのディスクユーティリティでも同様に表示されないことがあります。
- ファイルシステムの破損: SDカードのファイルシステムが壊れているとフォーマットに失敗する場合があります。ディスクユーティリティの「First Aid」を先に実行してみてください。
- 物理的な問題: カードリーダーやカードの物理損傷、接触不良、端子の汚れなども原因になります。
- 書き込み保護: カード本体のロックスイッチが原因で書き込みやフォーマットができない場合があります。
対処法のまとめ
- 32GB超はexFATを検討する(互換性と単一ファイル制限の観点で有利)。
- ターミナルを使って強制的にFAT32作成を試す(自己責任)。
- 公式フォーマッタや別OS(WindowsのFAT32Formatterなど)を使う。
- 物理的に問題がある場合は新しいカードへの交換を検討する。
トラブルシューティング(よくあるケース)
ケース1: 書き込み保護でフォーマットできない
- 対処: SDカードのロックスイッチを解除。microSDならアダプタ内のスイッチを確認。
ケース2: ディスクユーティリティで消去に失敗する
- 対処: まずFirst Aidで修復を試みる。それでもダメならターミナルでdiskutil eraseDiskコマンドやnewfs_msdosを試す。
ケース3: 32GB超のカードでFAT32が選べない
- 対処: exFATにする、またはターミナル/サードパーティツールでFAT32化を試す。FAT32は単一ファイルの制限が4GBであることを理解した上で選択する。
ケース4: フォーマット後にファイルが見つからない
- 対処: まずFinderで隠しファイル表示、次に復元ツール(例: 4DDiG)でスキャン。使用を続けると上書きされ復元率が低下するため、すぐに停止して復元作業に移る。
意思決定フローチャート(どの方法を選ぶか)
以下は方法選択の簡易フローです。
flowchart TD
A[SDカードをMacに接続] --> B{カード容量は32GB以下か}
B -- はい --> C[ディスクユーティリティでMS-DOS(FAT)を選択]
B -- いいえ --> D{互換性重視か?}
D -- はい --> E[exFATを選択(推奨)]
D -- いいえ --> F[ターミナルでFAT32化または公式フォーマッタを試す]
C --> G[フォーマット完了]
E --> G
F --> G
付加価値: 役割別チェックリスト
写真家向けチェックリスト
- 重要なRAW/JPEGファイルを外付けにコピー
- カメラと互換性のあるファイルシステムを確認(多くのカメラはexFATを推奨)
- カードをカメラで初期化するときの注意点を確認
IT管理者向けチェックリスト
- 複数台での検証を行い、フォーマットポリシーを文書化
- セキュアワイプが必要な場合は専用ツールを利用
- イメージ化(ddなど)してから検証を行う
家庭の初心者向けチェックリスト
- バックアップを2箇所に保存(PCとクラウドなど)
- ディスクユーティリティを使う前に手順を1度読み返す
- 不安がある場合は公式ツールを使う
受け入れ基準(Критерии приёмки)
- SDカードが期待するファイルシステム(MS-DOS(FAT)=FAT32またはexFAT)でマウントされる
- マウント後に読み書きが可能であることを確認
- 重要ファイルのバックアップを確認済み
ミニ方式(SOP): 安全なFAT32フォーマット手順(短縮版)
- データをバックアップ。
- SDのロックスイッチを確認。
- ディスクユーティリティで「消去」 → 「MS-DOS(FAT)」を選択して実行。
- 完了後、安全に取り出す。
- 読み書きテストを行う。
いつFAT32を選ぶべきか/選ばないほうが良いか(反例)
選ぶべきケース
- 古い機器や家電、古いプレイヤーでの互換性が最優先の場合
- 小容量カード(32GB以下)でファイルサイズが4GB未満の用途
避けるべきケース
- 単一ファイルが4GBを超える可能性がある場合(動画長時間撮影など)
- 64GB以上のカードで最新デバイスと高パフォーマンスを求める場合(exFAT推奨)
互換性と注意点の簡易表
- FAT32: 広い互換性、単一ファイルは最大4GB、パーティション推奨最大32GB表示(ツール依存)
- exFAT: 大容量と大きなファイルに対応、Windows/macOS間での大容量共有に最適
- NTFS: Windows向けに最適、macOSは読み取りのみ(専用ドライバで書き込み可)
セキュリティとプライバシーの短いメモ
- フォーマット前に個人情報・写真・動画のバックアップを行う
- 中古カードを再利用する場合は、復元不能にする目的でセキュア消去ツールを検討
- GDPRなど法的要件により消去証明が必要な場合は、適切な記録を残す
小さな用語集(一行定義)
- FAT32: 古くから使われるファイルシステム。互換性は高いが4GBの単一ファイル制限あり。
- exFAT: FATの進化版。大容量ファイルに対応し、クロスプラットフォームで広く使われる。
- ディスクユーティリティ: macOS標準のディスク管理アプリ。
- newfs_msdos: BSD系のコマンドでMS-DOS形式(FAT)でフォーマットするツール。
FAQ(よくある質問)
Q1: exFATはFAT32と同じですか?
exFATはFAT32より新しく、より大きなファイルやボリュームを扱えるよう設計されています。互換性はFAT32ほど広くはありませんが、最近のOSやデバイスでは広くサポートされています。用途に応じて選んでください。
Q2: Macで自分のSDカードがFAT32かどうかを確認するには?
- SDカードをMacに挿入する。
- Finder → アプリケーション → ユーティリティ → ディスクユーティリティを開く。
- 左側リストからSDカードを選択し、右側の「形式(Format)」フィールドを確認する。 「MS-DOS(FAT)」または「FAT32」と表示されていればFAT32相当です。
Q3: 既にフォーマットしてしまったファイルを復元できますか?
物理的に破損していなければ、4DDiGなどの復元ソフトで復元できる可能性があります。ただし上書きが発生すると復元率は下がりますので、発見後は直ちに使用を停止してスキャンしてください。
最終まとめ
- 少容量(32GB以下)のSDカードで互換性を最優先するなら、ディスクユーティリティでMS-DOS(FAT)を選ぶのが簡単です。
- 32GBを超えるカードや大きな単一ファイルを扱う場合はexFATが実用的です。どうしてもFAT32にするならターミナルやサードパーティツールを用いる方法があります。
- フォーマットはデータを消去します。事前バックアップと、誤操作を避けるための手順確認を必ず行ってください。
- 誤って消した場合は、すぐに使用を中止して復元ツールでスキャンすることで回復の可能性が残ります(例: Tenorshare 4DDiG)。
ご不明な点があれば、使用しているMacのモデルとmacOSバージョン、SDカードの容量と型番を教えてください。より具体的な手順をお伝えします。