Windows 11で「WiFiネットワークが見つかりません」を完全に修正する方法

Windows 11で「No WiFi Network Found(Wi‑Fiネットワークが見つかりません)」と表示される問題は、多くの原因が考えられます。ハードウェアの一時的な不具合、機内モード、ドライバーの不整合、Windowsの更新、ルーター側の設定などです。ここでは根本原因を特定し、確実に解決するための段階的手順と追加の診断・保守情報を提供します。
重要: 作業を始める前に、重要な作業が進行中でないこと、外付けハードディスクや重要なファイルの転送がないことを確認してください。
関連: Windows 11のアラームの使い方
目次
- 再度Wi‑Fiを有効化する
- 機内モードがオフか確認する
- インターネット接続のトラブルシューティングを実行する
- Wi‑Fiアダプターを有効にする
- ネットワークのリセットを実行する
- 802.11チャネル値を変更する
- Windowsを更新する
- Wi‑Fiアダプターのドライバーを更新する
- Wi‑Fiアダプターのドライバーを以前のバージョンに戻す
- イーサネットケーブルを使う(応急処置)
- よくある原因と確認順序
- いつこの手順で解決しないか(反例)
- 代替アプローチ
- 役割別チェックリスト
- 技術サポート向けSOP(プレイブック)
- 決定フローチャート
- 検証基準とテストケース
- リスクと緩和策
- セキュリティとプライバシーの注意
- 用語集(ワンライン)
- まとめ
再度Wi‑Fiを有効化する
まずは最も早い確認です。多くの場合、ソフトウェア側の一時的な不具合でWi‑Fiが無効になっているだけです。
手順:
- 画面右下の通知領域にあるWi‑Fiアイコンを確認します。
- アイコンを右クリックして「ネットワークとインターネットの設定」を開きます(日本語環境では「設定」→「ネットワークとインターネット」)。
- 「Wi‑Fi」のトグルを一度オフにし、数秒待ってから再度オンにします。
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ノート: トグル操作で周辺の一時的な問題(ドライバーの小さなハング、ソフトウェアの競合)が解消されることがあります。
機内モードがオフか確認する
機内モードが有効だと、Wi‑FiだけでなくBluetoothなどの無線がすべてオフになります。誤ってオンになっているケースがよくあります。
手順:
- 通知領域のネットワークアイコンをクリックします。
- 「機内モード」がオフになっているか確認します。オンならオフに切り替えてください。
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重要: ノートパソコンの機種によってはハードウェアスイッチやFnキーで機内モードやWi‑Fiを操作するタイプがあります。その場合は物理スイッチの位置も確認してください。
インターネット接続のトラブルシューティングを実行する
Windowsには一般的なネットワーク問題を診断するビルトインのトラブルシューティングがあります。順番に実行して自動修復を試してください。
手順:
- 「設定」→「システム」→「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューティング」を開きます。
- 「インターネット接続」の「実行」ボタンを押します。
- 表示される指示に従い「インターネットへの接続をトラブルシュートする」を選択します。
- 推奨される修復を適用します。
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補足: うまくいかない場合は同じ手順で「ネットワークアダプター」のトラブルシューティングも実行してください。
Wi‑Fiアダプターを有効にする
アダプターが無効化されているとWi‑Fiは検出されません。コントロールパネルのネットワーク接続で確認します。
手順:
- キーボードで Win+R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- ボックスに
ncpa.cpl
と入力して Enter を押します。ネットワーク接続ウィンドウが開きます。 - 「Wi‑Fi」または無線LANアダプターを右クリックして「有効にする」を選びます(無効なら)。
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注意: アダプターが表示されない場合はハードウェアが認識されていない可能性があります。次の「ネットワークのリセット」やデバイスマネージャーでの確認に進んでください。
ネットワークのリセットを実行する
ネットワーク設定を初期状態に戻す操作です。ドライバーの再インストールも行われます。再設定が必要になる点に注意してください(保存されたWi‑Fiパスワードなど)。
手順:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「詳細ネットワーク設定」→「ネットワークのリセット」を開きます。
- 「今すぐリセット」を押します。PCは再起動します。
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注意: この操作でVPN設定や仮想スイッチ、静的IPの設定は失われます。事前に必要な情報をメモしておきましょう。
802.11チャネル値を変更する
一部の環境ではアダプターのチャネル幅設定が原因でアクセスポイントを検出できないことがあります。経過観察しながら「20MHz」→「自動」などに変更します。
手順:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi‑Fi」→「アダプターのオプションを変更する」を開きます。
- 対象のWi‑Fiを右クリックして「プロパティ」を選びます。
- 「インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)」のプロパティではなく、アダプターの「構成」→「詳細」タブを開きます。
- 「802.11 チャネル幅」「802.11n チャネル幅」「Wireless Mode」などのオプションがあれば、値を
20MHz
からAuto
または20/40MHz
に変更します。
注: 一部のメーカーは設定項目のラベルが異なります。設定変更後はWi‑Fiを再起動して反映させてください。
Windowsを更新する
最新のWindowsアップデートにはネットワーク関連の修正が含まれることがあります。まずはWindows Updateを確認します。
手順:
- 「設定」→「Windows Update」を開きます。
- 「更新プログラムのチェック」をクリックし、見つかった更新をインストールします。
注意: 再起動が必要になる場合があります。作業中のファイルは保存してから更新を実行してください。
Wi‑Fiアダプターのドライバーを更新する
古いドライバーや互換性のないドライバーは通信に支障を来します。デバイス マネージャーで自動検索を試します。
手順:
- スタートを右クリックして「デバイス マネージャー」を開きます。
- 「ネットワーク アダプター」を展開します。
- 対象のWi‑Fiアダプターを右クリックして「ドライバーの更新」を選びます。
- 「ドライバー ソフトウェアの自動検索」を選択して画面の指示に従います。
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注意: ベンダー提供の最新版がある場合は、メーカー公式サイトからダウンロードする方法が確実です。Windows Updateの自動配布より新しいことがあります。
Wi‑Fiアダプターのドライバーを以前のバージョンに戻す
ドライバー更新後に接続できなくなった場合、ロールバックで前の安定版に戻せます。
手順:
- デバイス マネージャーで該当のアダプターのプロパティを開きます。
- 「ドライバー」タブを開き、「ドライバーを元に戻す(ロールバック)」が有効であれば実行します。
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補足: ロールバックがグレーアウトしている場合は、前のドライバー情報が残っていないため、メーカーサイトから旧バージョンを手動で入手してインストールする必要があります。
イーサネットケーブルを使う(応急処置)
急ぎの作業がある場合は、有線接続でネットワークに接続するのが確実です。多くのデスクトップや一部のノートPCは有線ポートを備えています。
手順:
- ルーターのLANポートとPCのイーサネットポートをイーサネットケーブルで接続します。
- 自動でIPが取得されない場合は、設定から「イーサネット」→「プロパティ」でIP構成を確認します。
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注: イーサネット接続はWi‑Fi問題の診断にも役立ちます。イーサネットで接続できればPC側の無線部分に問題がある可能性が高くなります。
よくある原因と確認順序
簡単にチェックする順序(推奨):
- 通常のWi‑Fiトグル、機内モードの確認
- 物理スイッチやFnキーの確認
- トラブルシューティングの自動実行
- ネットワーク接続(ncpa.cpl)でアダプター状態確認
- デバイスマネージャーで認識されているか確認
- ドライバー更新/ロールバック
- ルーター再起動、チャネル幅の確認
- ネットワークリセット
代表的な原因:
- 機内モードやハードウェアスイッチの誤操作
- アダプターの一時的なハング
- ドライバーの互換性問題
- Windowsのバグや更新不整合
- ルーターのチャネル幅や周波数帯(2.4GHz/5GHz)設定
- ハードウェア故障(アダプターまたはアンテナ)
いつこの手順で解決しないか(反例)
以下のケースでは上記手順では解決しない可能性があります:
- 無線チップ自体の物理故障や完全故障(PCIeやUSBの物理故障)
- ノートPCの内蔵アンテナ切断
- ルーターのファームウェアが壊れていてSSIDをブロードキャストしていない
- 高度に制限された企業ネットワーク(ポリシーや証明書ベースの接続)
対処: ハードウェア交換、メーカー修理、ネットワーク管理者への問い合わせが必要です。
代替アプローチ
- USB接続の外付けWi‑Fiアダプターを使って動作確認する。
- 別のOS(例: LinuxライブUSB)でWi‑Fiが認識されるかを確認すると、ハードウェア故障かOS設定かの切り分けに役立ちます。
- ルーターのファームウェアを公式サイトから最新版に更新する(注意して実行)。
役割別チェックリスト
エンドユーザー:
- 電源を入れ直す(シャットダウン→再起動)
- 機内モードとWi‑Fiトグルを確認
- 近くの別デバイスでSSIDが見えるか確認
- 応急処置でイーサネット接続
IT管理者:
- デバイス管理ポリシー(グループポリシー)を確認
- ドライバーの配布履歴を確認
- ネットワーク側でMACフィルタリングや許可リストがあるかチェック
- ルーターやスイッチのログを確認
サポート担当:
- 電話やリモートでのステップ実行用にチェックリストを共有
- スクリーンショットやイベントログを収集
- 必要な場合は代替ハードウェアを手配
技術サポート向けSOP(プレイブック)
目的: Windows 11でWi‑Fiが表示されない報告を受けた場合に、再現・切り分け・解決する標準手順。
事前準備:
- ユーザーのPC機種、OSビルド、最近の変更履歴を確認
- 許可されたリモートツールが有効か確認
手順:
- 問題の再現: ユーザーにSSIDが見えない画面を共有してもらう。
- 基本確認: 機内モード、Wi‑Fiトグル、Fnキー、物理スイッチを確認。
- トラブルシューティング実行: Windowsの「インターネット接続」→「ネットワークアダプター」を順に実行。
- デバイス マネージャー確認: ネットワークアダプターが表示されるか、エラーコードが無いか確認。
- ドライバー操作: 最新ドライバーを適用できるか確認。直近の更新で問題が発生していればロールバック。
- ネットワークリセット: 必要なら実施(ユーザーの同意を得る)。
- ハードウェア切り分け: USB Wi‑Fiアダプターで接続できるか検証。接続できなければOS/設定側の問題である可能性。
- エスカレーション: ハード故障、修理必要、または企業ポリシーの影響が疑われる場合はハードウェアチームへ引き継ぐ。
ログ収集:
- イベント ビューアのSystemとApplicationの該当時刻ログ
- デバイス マネージャーのスクリーンショット
- ipconfig /all と netsh wlan show drivers の出力
決定フローチャート
下はトラブルシューティングの簡易フローです。
flowchart TD
A[問題報告: Wi‑Fiが見えない] --> B{機内モード/トグル?}
B -- はい --> C[機内モードをオフ、トグルを再起動]
B -- いいえ --> D{アダプターが表示されているか?}
D -- はい --> E[トラブルシューティングを実行]
D -- いいえ --> F[デバイスマネージャーでハードウェアを確認]
F --> G{認識されないか?}
G -- はい --> H[ハードウェア故障疑い: 修理またはUSBアダプター]
G -- いいえ --> I[ドライバー更新/ロールバック]
I --> J{解決したか?}
J -- はい --> K[完了]
J -- いいえ --> L[ネットワークリセット/エスカレーション]
L --> K
検証基準とテストケース
受け入れ基準(Критерии приёмкиの代替):
- PCが少なくとも1つの周囲のSSIDを検出すること(公開SSID)。
- 指定した企業SSIDへ接続できること(必要な場合は証明書や資格情報を含む)。
- 接続後、https://www.microsoft.com などの外部サイトにアクセスできること。
基本テストケース:
- Wi‑FiトグルのオンオフでSSID検出が回復するか
- イーサネット接続が動作するか(ネットワーク側切り分け)
- USB外付けWi‑FiアダプターでSSIDが見えるか
- ドライバーをロールバックして接続が回復するか
- ネットワークリセット後に再設定して正常接続するか
各ケースはログ(ipconfig /all、netsh wlan show interfaces、イベントビューア)を保存して検証記録とします。
リスクと緩和策
リスク:
- ネットワークリセットで保存済みWi‑Fiパスワードが消える。
- ドライバーの手動インストールで互換性問題が発生する。
- ファームウェア更新に失敗するとルーターが起動不能になる。
緩和策:
- 重要な設定は事前にメモまたはスクリーンショットで保存。
- メーカー公式のドライバー・ファームウェアのみを使用。
- ファームウェア更新は停電リスクのない時間帯に実施。
セキュリティとプライバシーの注意
- 公共Wi‑Fiを使用する場合はVPNの使用を検討してください。公開ネットワークは盗聴のリスクがあります。
- 企業ネットワークでは証明書ベースの接続や802.1Xが使われることがあり、単純なSSID一覧だけでは接続できない場合があります。管理者の指示に従ってください。
- トラブルシューティングで収集するログにはMACアドレスなどの識別子が含まれます。取り扱いには注意し、必要な場合のみ共有してください。
用語集
- Wi‑Fi: 無線LANの一般名称。
- アダプター: 無線LANチップやそのデバイスドライバー。
- ロールバック: ドライバーを以前のバージョンに戻す操作。
- ネットワークリセット: OS側のネットワーク設定を初期化する処理。
まとめ
このガイドでは、Windows 11で「WiFiネットワークが見つかりません」問題を段階的に診断・解決する方法を示しました。まずは簡単な確認(トグル、機内モード、トラブルシューティング)を行い、次にアダプターやドライバー、ネットワークリセットと進めます。問題がハードウェアに由来する場合は外付けアダプターやメーカー修理を検討してください。
重要: 上記手順で解決しない場合は、PCのハードウェア診断やルーターの詳細ログ、またはメーカーサポートにエスカレーションしてください。