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iOS 16でのバッテリー消耗を止める:効果がある10の対策と実践ガイド

3 min read テクノロジー 更新されました 10 Oct 2025
iOS 16のバッテリー消耗を止める10の対策
iOS 16のバッテリー消耗を止める10の対策

iPhoneの画面とiOS 16のインターフェース

目次

  • 概要と背景
  • 主要な原因(なぜバッテリーが減るのか)
  • 10の有効な対策(手順付き)
    • 1 キーボードの触覚をオフにする
    • 2 低電力モードを有効にする
    • 3 Appのバックグラウンド更新をオフにする
    • 4 ダークモードを使う
    • 5 アプリを定期更新する
    • 6 不要なアプリを削除する
    • 7 モバイル通信・Bluetooth・Wi‑Fi・インターネット共有を不要時に切る
    • 8 位置情報サービスを無効にする
    • 9 バッテリー充電の最適化を有効にする
    • 10 常時表示をオフにする
  • 検証手順(短時間で効果を測る方法)
  • トラブルシューティングのSOP(サポート向け)
  • ロール別チェックリスト(一般ユーザー、IT管理者、サポート技術者)
  • テストケースと受け入れ基準
  • よくある失敗例と代替策
  • プライバシーとセキュリティに関する注意点
  • Appleサポートへ連絡するタイミング
  • FAQ
  • まとめと次のステップ

概要と背景

AppleはWWDCでiOS 16を発表し、多くの新機能(カスタマイズ可能なロック画面、キーボードの触覚、Face IDで保護されたメモや写真、常時表示など)を導入しました。これらは使い勝手を向上しますが、一部のユーザーはアップデート直後にバッテリー消耗が増えたと報告しています。

主な発生時期はアップデート直後で、原因は以下のように多岐にわたります。

  • 新機能(特に常時表示や触覚)による消費増
  • アプリの互換性不良や更新待ち
  • iOSの内部キャッシュやインデックス作成処理(アップデート直後に一時的に高負荷になることがある)
  • ソフトウェアバグや設定の組み合わせ

まずは症状を把握し、短時間で効果が確認できる対策から順に試しましょう。以下に、優先度と手順を含めた実践的なガイドを提示します。


主要な原因(なぜバッテリーが減るのか)

要点を1行で定義: バッテリー消耗は「常時稼働する機能 + バックグラウンド処理 + 非最適化アプリ」の組み合わせが主因です。

詳しく説明すると:

  • 常時表示やセンサー駆動機能は常にCPUやディスプレイ駆動回路に電力を与える。
  • バックグラウンド更新や位置情報アクセスが頻繁だと無音でCPUと通信回線が動き続ける。
  • 古いアプリや互換性の低いアプリは無限ループや高いCPU使用率を引き起こすことがある。
  • アップデート後はSpotlight再インデックスや写真の解析(写真アプリのメタデータ処理)などが一時的に稼働し、数時間〜数日バッテリーを多く消費する場合がある。

重要: 再起動や1〜2日の待機で自動的に改善する一時的なケースもあります。まずは短時間の再起動と24時間の様子見をおすすめします。


すぐに試すべき10の対策(手順付き、効果の目安つき)

各対策は「効果の目安(高/中/低)」と「実行時間(短/中/長)」を付けています。

1 キーボードの触覚をオフにする

効果の目安: 中〜高 実行時間: 短(1分以内)

説明: iOS 16のキーボード触覚は入力時に小さなバイブレーションを発生させます。これが消費に寄与するため、オフにすると効果があります。

手順:

  1. 「設定」を開く
  2. 「サウンドと触覚」をタップ
  3. 「キーボードのフィードバック」をタップ
  4. 「触覚(Haptic)」のトグルをオフにする

補足: 「サウンド」を同時にオフにするとさらなる節電が見込めます。


2 低電力モードを有効にする

効果の目安: 高 実行時間: 短(1分)

説明: 低電力モードはバックグラウンド動作や視差効果、メールの取得間隔などを制限して消費を抑えます。

手順:

  1. 「設定」→「バッテリー」
  2. 「低電力モード」をオンにする

ワンポイント: コントロールセンターに追加してワンタップで切り替えると便利です。低電力モードはバッテリーが80%を超えると自動でオフになります。


3 Appのバックグラウンド更新をオフにする

効果の目安: 高 実行時間: 中(2〜5分)

説明: バックグラウンド更新はアプリが最新情報を保持するために定期的にネットワークやCPUを使用します。不要なアプリは無効化しましょう。

手順:

  1. 「設定」→「一般」
  2. 「Appのバックグラウンド更新」をタップ
  3. 「オフ」を選ぶか、個別に必要なアプリだけ許可する

補足: メールやメッセージの即時通知が必要なアプリは許可したままにしましょう。


4 ダークモードを使う

効果の目安: 中 実行時間: 短(1分)

説明: OLEDディスプレイ機種(iPhone X以降の多く)は黒い表示が電力消費を抑えます。ダークモードでUIを黒寄せにすると効果があります。

手順:

  1. 「設定」→「画面表示と明るさ」
  2. 「外観」から「ダーク」を選択

ワンポイント: 自動切替スケジュールを使えば日照に合わせて切り替わります。


5 アプリを定期更新する

効果の目安: 中 実行時間: 中(数分〜)

説明: アプリ側でiOS 16に対応する最適化を行う更新が配布されます。更新を怠ると高負荷やバグにつながりやすいです。

手順:

  1. App Storeを開く
  2. 右上のプロフィールアイコンをタップ
  3. 保留中のアップデートがあれば「すべてアップデート」

補足: 自動更新をオンにしておくと手間を減らせますが、Wi‑Fi接続時のみ更新する設定も検討してください。


6 不要なアプリを削除する

効果の目安: 中 実行時間: 短(3〜5分)

説明: 使わないアプリはバックグラウンドで動作する場合があり、ストレージやバッテリーに影響します。

手順:

  1. ホーム画面で削除したいアプリを長押し
  2. 「Appを取り除く」または「Appを削除」→確認で削除

補足: 必要なら後でApp Storeから再インストールできます。


7 モバイル通信・Bluetooth・Wi‑Fi・インターネット共有を不要時に切る

効果の目安: 中 実行時間: 短(1分)

説明: 通信機能はスリープ中でも位置情報やバックグラウンド同期で動作します。使用しないときはオフにしましょう。

手順(コントロールセンター):

  1. 画面右上から下にスワイプしてコントロールセンターを開く
  2. モバイル通信、Wi‑Fi、Bluetoothのアイコンをタップしてオフにする
  3. インターネット共有(パーソナルホットスポット)は長押し→「インターネット共有」をオフ

手順(設定):

  1. 「設定」→「Wi‑Fi」「Bluetooth」「モバイル通信」「インターネット共有」で個別に切る

注意: 必要な接続を切ると通知や同期が遅れる可能性があります。


8 位置情報サービスを無効にする

効果の目安: 高(位置情報を多用する環境で特に) 実行時間: 中(2〜5分)

説明: 地図アプリや配達アプリ、天気アプリ等の位置情報アクセスは継続的なGPS使用を発生させます。不要なアプリの位置情報は制限しましょう。

手順:

  1. 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
  2. 「位置情報サービス」をタップ
  3. 必要なアプリのみ「許可時のみ」や「使用中のみ許可」に設定し、不要なアプリは「許可しない」にする

補足: システムサービス(緊急通報やiPhoneを探す等)は個別に管理できますが、必要最小限にしてください。


9 バッテリー充電の最適化を有効にする

効果の目安: 低(即効性はないが長期的に効果) 実行時間: 短(1分)

説明: 「バッテリー充電の最適化」は充電習慣に合わせて充電速度を調整し、バッテリー劣化を遅らせます。消耗の進行を抑えるため有効です。

手順:

  1. 「設定」→「バッテリー」
  2. 「バッテリーの状態」→「バッテリー充電の最適化」をオン

補足: 現在の消耗を直ちに改善するわけではありませんが、中長期的なバッテリー寿命の維持に役立ちます。


10 常時表示をオフにする

効果の目安: 高(常時表示を使っている場合) 実行時間: 短(1〜2分)

説明: iPhone 14 Pro / 14 Pro Maxなどの常時表示(Always On Display)は便利ですが、その分ディスプレイ駆動やセンサーが継続稼働し電力を消費します。バッテリー優先ならオフにしましょう。

手順:

  1. 「設定」→「画面表示と明るさ」
  2. 「常時表示」を探してオフにする

注意: モデルによっては項目名が異なる場合があります。「Always On」が表示されることもあります。


効果検証手順(短時間で変化を確認する方法)

目的: どの対策がどれだけ効いたかを定量的に把握するための簡単なフロー。

手順:

  1. 端末をフル充電して100%にする(設定を適用前後で比較しやすくするため)
  2. 1時間アイドル状態(画面ロック、Wi‑Fi接続は通常通り)でバッテリー使用率を観察
  3. 設定→バッテリーで「過去24時間」の使用状況を記録(スクリーンショット)
  4. 一つの対策(例: 常時表示オフ)を実施
  5. 上と同じ条件で1時間観察し、使用量を比較
  6. 効果が小さい場合は次の対策を追加して同様に検証

留意点:

  • 並行して複数の変更を行うと効果測定が難しくなるため、1つずつ試す。
  • 数時間〜24時間の観察でより安定した傾向が出る。

トラブルシューティングのSOP(サポート技術者向け)

目的: ユーザーから「バッテリーが急に減る」と報告を受けた時の標準作業手順。

  1. 初期確認(ユーザーに実行してもらう)

    • iOSのバージョン確認(設定→一般→情報)
    • 直近で行った操作(アップデート、アプリインストール)をヒアリング
    • 再起動実施済みか確認
  2. 簡易ログの取得(ユーザー端末で実施)

    • 設定→バッテリー→バッテリー使用状況のスクリーンショット送付を依頼
    • 高消費のアプリやワイヤレス機能の有無を確認
  3. 即効対策の提示(優先度順)

    • 常時表示オフ、低電力モードオン、バックグラウンド更新オフ、位置情報制限
  4. 30分〜1時間のモニタリング

    • 端末が手元にない場合はユーザーに状態報告を依頼
  5. 必要なら端末の完全バックアップ後に以下

    • iOSアップデートの有無確認と適用
    • ネットワーク設定のリセット(設定→一般→転送またはiPhoneをリセット→ネットワーク設定をリセット)
    • 最終手段: 設定のリセットやiPhoneの初期化(要バックアップ)
  6. ハードウェア疑いがある場合

    • バッテリー状態(設定→バッテリー→バッテリーの状態)を確認
    • 80%以下や「サービス推奨」の表示がある場合は修理窓口へ案内

注意: ユーザーのデータ保護のため、初期化前に必ずバックアップを取得するよう指示する。


ロール別チェックリスト

一般ユーザー

  • 再起動を行ったか確認
  • 低電力モードを短時間オンにして挙動を確認
  • 常時表示やキーボード触覚をオフにする
  • アプリの更新を行う

IT管理者(法人端末)

  • モバイルデバイス管理(MDM)で不要なプロファイルやポリシーが常時同期していないか確認
  • 重要アプリの互換性、バージョン分布をチェック
  • 配布アプリのログとクラッシュ率を監視

サポート技術者

  • スクリーンショットでバッテリーログを取得
  • iOSのバージョン差や再現手順をドキュメント化
  • 必要ならApple正規サービスへエスカレーション

テストケースと受け入れ基準

基本テスト項目(各ケース実行後の期待値を明記)

テストケース1: 再起動後の24時間使用量チェック

  • 期待値: 再起動で不具合が原因なら消耗が改善する

テストケース2: 常時表示オン→オフの比較(同等利用条件で2時間)

  • 期待値: オフにしたほうが消費が明確に低くなる

テストケース3: バックグラウンド更新を全オフにするテスト

  • 期待値: バックグラウンド使用量が低下し、24時間の合計消費が改善する

受け入れ基準(定性的)

  • 1つの対策で目に見える改善があれば合格
  • どの対策でも改善が無い場合は、クラッシュログやバッテリーの状態を確認してハードウェア故障を疑う

よくある失敗例と代替策

失敗例1: 同時に複数の対策を適用してどれが効いたか不明になる

  • 回避: 1つずつ変更して24時間の差を確認する

失敗例2: 通知や同期を減らしすぎて重要なメッセージを見逃す

  • 代替: 最小限必要なアプリだけ許可し、重要な通知は除外リストに入れる

失敗例3: ソフトウェアアップデートをすぐに行わず、互換性のない旧アプリを放置する

  • 回避: アプリ開発元の対応状況を確認し、更新が出ていない場合は代替アプリを検討

プライバシーとセキュリティに関する注意点

  • 位置情報やバックグラウンド更新を制限する際、アプリの一部機能(ラベル表示や位置ベース通知)が使えなくなる可能性があります。サービス提供側に与える影響をユーザーに説明してください。
  • 設定の変更や初期化を行う際は必ずバックアップを取り、個人データが失われないようにすること。
  • MDMや企業向けポリシーを扱う場合、ポリシー変更がセキュリティ要件を満たし続けるかをIT部門で確認すること。

Appleサポートへ連絡するタイミング

次のどれかに該当する場合はAppleサポートへ連絡してください。

  • 上記の全対策を試しても改善が見られない
  • 「バッテリーの状態」で「交換修理が必要」や明らかな劣化が表示される
  • バッテリー膨張や端末の過熱、電源が不安定に落ちるなどハードウェア不良が疑われる

連絡時に準備しておくと良い情報:

  • iOSバージョン
  • バッテリーの状態スクリーンショット(設定→バッテリー→バッテリーの状態)
  • バッテリー消耗が起きている時間帯の使用ログ(可能なら)
  • 実施済みの対策一覧

よくある質問(FAQ)

Q1: iOSのアップデート直後はなぜバッテリー消耗が増えるのですか?

A1: アップデート後はSpotlightインデックス作成や写真の解析などのバッチ処理が走り、数時間〜数日の間だけ消費が増えることがあります。まずは再起動し、24時間程度様子を見ることを推奨します。

Q2: 常時表示をオフにしても通知が見られなくなりますか?

A2: 常時表示をオフにするとロック画面の常時表示が消えるため、画面を点灯させるまで通知内容は表示されません。ただし通知自体は届きます。

Q3: 低電力モードはいつまでにオフになりますか?

A3: 低電力モードはバッテリー残量が80%を超えると自動でオフになります。手動で切ることも可能です。

Q4: バッテリーの劣化が急に進むことはありますか?

A4: 通常は徐々に劣化しますが、ソフトウェアやハードウェアの不具合、急速充電や高温環境の継続などが重なると劣化が早まることがあります。バッテリーの状態項目で「サービス推奨」表示が出たら専門窓口に相談してください。


最後に:実践的なワークフロー(SOPの簡潔版)

  1. 再起動 → 24時間様子見
  2. 低電力モードオン(効果高)
  3. 常時表示オフ、キーボード触覚オフ
  4. バックグラウンド更新をオフ(必要なアプリは個別許可)
  5. 位置情報を使用中のみに制限
  6. アプリのアップデートと不要アプリの削除
  7. 改善しない場合はAppleサポートへ連絡

まとめと次のステップ

  • まずは再起動と24時間の様子見を行ってください。多くの一時的な問題はこれで改善します。
  • 常時表示、バックグラウンド更新、位置情報、キーボード触覚の順に対策を試し、1つずつ効果を測ってください。
  • 長期的なバッテリー健康の維持には「バッテリー充電の最適化」を有効にし、過度な高温や過放電を避けてください。
  • すべて試しても改善しない場合は、バッテリーの物理劣化やハードウェア不良が疑われます。Appleサポートまたは正規サービスプロバイダに相談してください。

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