目的と概要
Macを日常的に使っていると、ダウンロードした大きなファイルがいつの間にかストレージを圧迫します。ここでは、Finderの検索機能を使って「指定したサイズ以上のファイル」を見つけ、削除して空き容量を確保する手順をわかりやすく説明します。加えて、失敗しやすいケースや代替手段、運用チェックリストも載せます。
重要: Finderで見つかるのはユーザーがアクセスできるファイルのみです。システム領域や一部のバックアップ(Time Machineのローカルスナップショットなど)は表示されません。
準備: 覚えておくと良い用語(1行定義)
- Finder: macOS標準のファイル管理アプリ。ファイル検索や移動、削除を行う中心ツール。
- ゴミ箱: 削除後に一時的に置かれる場所、空にすると完全削除されディスク領域を解放。
Finderで大きなファイルを見つける手順
- デスクトップまたはDockからFinderを開きます。画面左上にFinderメニューが表示されます。
- メニューから「ファイル」→「検索」をクリックするか、ショートカットの「Command + F」を押します。
- 検索ウィンドウで、最初のドロップダウンを「種類(Kind)」にして、隣のメニューで「その他(Other)」を選びます。
- ウィンドウ内の「+」ボタンをクリックして検索条件を追加します。新しい条件で「ファイルサイズ(File Size)」を選び、比較演算子を「より大きい(is greater than)」にします。
- サイズ欄に数値を入れ、単位をKB/MB/GBから選択します。通常は「GB」を選ぶと大容量ファイルが対象になります。
- 結果が一覧表示されます。不要なファイルを右クリックして「ゴミ箱に移動」を選び、最後にFinderメニューから「ゴミ箱を空にする」で完全削除します。
実践ヒントと短い判断基準(メンタルモデル)
- 何を残すか決めると早い: 「仕事で使うか」「再ダウンロードできるか」「再生/インストールが簡単か」を順に問い、Noが多ければ削除候補です。
- 基準サイズ例: 一般ユーザーなら1GB以上を「大きい」、パワーユーザーや映像編集者は10GB以上を検討します。
代替方法とそれぞれの利点・欠点
- ストレージ管理(Appleメニュー → このMacについて → ストレージ → 管理)
- 利点: ファイルカテゴリ別に整理され、不要なファイルを特定しやすい。
- 欠点: 細かなサイズフィルタが使いづらい場合がある。
- サードパーティアプリ(例: DaisyDisk、GrandPerspective)
- 利点: ビジュアルにディスク使用量を表示し、直感的に大容量ファイルを探せる。
- 欠点: 外部ソフトの導入・権限設定が必要。プライバシーやセキュリティに注意。
- ターミナルコマンド(find / -size … / du -sh)
- 利点: 高速かつスクリプト化可能。大量ファイルの一括処理に有利。
- 欠点: コマンドの誤用で重要ファイルを消す危険がある。初心者は注意。
よく見落としがちな場所と注意点
- ダウンロードフォルダ: 一時的に大きなファイルが溜まりやすい。
- ムービー/音楽ライブラリ: iTunes/Music・Photosライブラリは巨大になり得る。
- iCloud最適化: 「Macのストレージを最適化」が有効だと、ローカルに残らないはずのファイルがあると誤認する場合がある。
- Time Machineのローカルスナップショット: ローカルに一時的に容量を使うがFinderには表示されない。ターミナルやTime Machine設定で管理する。
トラブルシューティング: 検索に出てこない/削除できない場合
- 権限不足: システム領域や他ユーザーのファイルは表示・削除できない。必要なら管理者権限で操作するか、該当ユーザーでログインする。
- 隠しファイル: Finderはデフォルトで隠しファイルを表示しない。表示するにはFinderの表示設定を変更するか、ショートカット(Command + Shift + .)を使う。
- ストレージがすぐに回復しない: ゴミ箱を空にしてもすぐに容量が戻らない場合は、ログアウト/再起動やTime Machineのスナップショット確認を試す。
実務向けチェックリスト(SOP)
- Finderで「ファイルサイズ」検索を設定する。
- まず1GB以上を対象に一覧を作る。
- 各ファイルについて「必要性」を3秒で判断する(残す/削除)。
- 削除する前にバックアップが必要か確認する。
- ゴミ箱を空にして容量回復を確認する。
- 定期実行のリマインダーを設定(例: 月1回)。
事実ボックス(単位の目安)
単位 | 表示目安 |
---|---|
1 KB | 短いテキストや小さな設定ファイル |
1 MB | 写真(高画質で数MB〜数十MB) |
1 GB | 動画、仮想マシン、ディスクイメージ |
いつこの方法が向かないか(反例)
- システムレベルで消費している領域(macOS自体やシステムキャッシュ)はFinderのサイズ検索では対処できません。
- Time MachineやiCloudの最適化など、macOSが自動管理している領域の解放は別の手続きが必要です。
小さな自動化の提案(応用)
- 定期的に大きいファイルを検出して通知するなら、AutomatorやショートカットアプリでFinder検索を組み込むと便利です。
- ターミナルでのルーチン例(参考、実行時はパスを確認): find ~/Downloads -type f -size +1G -print
意思決定フローチャート
flowchart TD
A[ストレージ不足を感じる] --> B{大きなファイルを探す}
B -->|はい| C[FinderでFile Size検索]
C --> D{重要か?}
D -->|はい| E[保持]
D -->|いいえ| F[ゴミ箱に移動]
F --> G[ゴミ箱を空にする]
G --> H[容量回復を確認]
B -->|いいえ| I[Time MachineやiCloud設定を確認]
まとめ
Finderの「ファイルサイズ」検索は、簡単かつ確実にローカルの大容量ファイルを検出して削除する方法です。システム領域やバックアップは別の管理が必要なので、手順とチェックリストを使って安全に運用してください。
まとめのポイント:
- Finder検索で「File Size」を条件にする。
- まずは1GB以上を目安に検索する。
- 削除前にバックアップと必要性の確認を行う。
注意: サードパーティ製ツールを使う場合は、最新のmacOS互換性とレビューを事前に確認してください。
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