Feed RinseでRSSフィードを簡単にフィルターする方法

なぜRSSフィードをフィルターするのか
私は多くのRSSフィードを購読していますが、興味のない記事が大量に流れてくるため、毎回目を通すのは非効率です。フィードを完全にフィルタして不要な記事を表示させないようにすれば、時間を節約できます。この記事はFeed Rinseという無料オンラインサービスを使って、フィードの中から必要な情報だけを残す手順を具体的に示します。
重要: Feed Rinseは外部サービスです。機密情報や認証トークンをフィード本文に含めないよう注意してください。
準備:RSS購読をエクスポートする
Feed Rinseアカウントを作成する前に、まず現在使っているRSSリーダーから購読一覧をエクスポートしておくと作業がスムーズです。以下はGoogle Reader(旧サービス)からのエクスポート手順の例です。お使いのリーダーに合わせて同等の「OPML書き出し」「購読エクスポート」機能を探してください。
- 歯車アイコンをクリックして「Reader設定」に進みます。
- 「インポート/エクスポート」タブを選びます(GoodiesとSend Toの間)。
- 「情報をエクスポート」の下で「Takeoutからデータをダウンロード」をクリックします。新しいタブでGoogle Takeoutに移動します。
- ReaderのTakeout情報の下部にある「アーカイブを作成」ボタンを押します。
- アーカイブが作成されたらダウンロードしてパソコンに保存します。
- ダウンロードはZIP形式になることが多いので、展開(解凍)してsubscriptions.xmlなどの個別ファイルを取り出します。
ノート: 別のリーダー(Inoreader、Feedly、The Old Readerなど)を使っている場合は、それぞれのエクスポート機能でOPMLやsubscriptions.xmlを取得してください。
Feed RinseでRSSフィードをフィルターする手順
以下はFeed Rinseの基本的な使い方です。画面文言はサービスの更新で変わる場合がありますが、基本的な流れは同じです。
Feed Rinseのサイトにアクセスし、「sign up now」ボタンから無料アカウントを作成します。無料アカウントで最大500フィードまでフィルタ可能です。
「Let’s get started」ボタンをクリックしてフィードを追加します。フィードURLを1つずつ追加する方法と、Google Takeoutでダウンロードしたsubscriptions.xml(OPML)をアップロードする方法があります。
- インポートボタンをクリックすると、20〜30秒ほどで購読がFeed Rinseへ取り込まれます。
- フィード一覧からルールを適用したい購読を選び、緑色の「Set up rules」ボタンを押してルール設定を開始します。ルールは大きく2種類あります。
- 特定の投稿をブロックする(条件に合致する投稿を非表示)
- 特定の投稿のみ許可する(条件に合致する投稿だけを表示)
- 条件はタイトル、本文、タグ(カテゴリ)などに対して「含む/含まない」を指定できます。複数条件を組み合わせることで柔軟にフィルタできます。
例:
- タイトルに「旅行」を含む投稿だけ表示する
- 本文に「広告」「スポンサー」を含む投稿を除外する
- タグに「求人」が含まれる投稿を除外する
ヒント: 否定条件(〜を含まない)を使うと、幅広いトピックを扱うメディアから特定のキーワードだけ除外できます。
フィルタ後のフィードを読む方法
Feed Rinseでルールを設定したら、カスタムフィードをエクスポートして普段使いのRSSリーダーで読みます。手順は次のとおりです。
- Feed RinseからOPMLファイル(フィルタ済みフィードのリスト)をダウンロードします。
- お使いのRSSリーダーにOPMLをインポートします。Google Readerの場合は歯車→Reader設定→インポート/エクスポート→OPMLをアップロードとして取り込みます。
- インポート後は元の(未フィルタ)フィードは購読解除しておくと、重複表示を防げます。
重要: 一部のリーダーは外部で加工したフィード(中継フィード)を異なる扱いにする場合があります。表示結果を確認して、想定どおりにフィルタされているかテストしてください。
いつうまくいかないか(反例)
- 動的に生成されるキーワード(例: 日付やカウンタ)が本文に含まれる場合、単純なキーワードマッチでは除外しきれません。
- 記事が画像メインで、本文に該当キーワードがない場合。画像キャプションやaltテキストは通常フィード本文に含まれないため、フィルタ対象から漏れることがあります。
- JavaScriptで読み込むコンテンツはフィードに反映されないため、表示判断が難しいです。
対処法: 必要に応じてフィードのソース側(サイトのタグ付け)や別ツールでの前処理を検討します。
代替アプローチ
- InoreaderやFeedlyの高度な検索・フィルタ機能を使う。これらはUI内で直接フィルタを作成できます。
- IFTTTやZapierで特定条件の投稿だけを別のフィードやSlackに転送する。
- 自前でミドルウェア(RSSフィルタサーバ)を立てて正規表現や自然言語処理でフィルタする(技術力が必要)。
各方法の長所短所
- サードパーティ(Feed Rinse等): 手早く導入可能だが、外部サービスにデータを預けるリスクがある。
- 自前運用: 柔軟でプライバシーを保持できるが運用コストが増える。
運用のための簡易SOP(標準作業手順)
- 既存リーダーからOPMLをエクスポートする。
- Feed RinseにサインアップしてOPMLをインポートする。
- 優先フィードから順にルールを追加する(重要度の高いものを先に)。
- ルール設定後、OPMLをエクスポートして自分のリーダーへインポートする。
- 1週間運用して結果をレビュー。必要ならルールを微調整する。
- 最終的にオリジナルの購読を解除して重複を避ける。
チェックポイント: 週1回はフィードの表示数と見逃しがないか確認する。
役割別チェックリスト
- 一般ユーザー: 必要なキーワードで「許可」ルールを作る。否定条件でノイズを減らす。
- 研究者/アナリスト: 高精度でキーワード+フレーズを使い、重要な情報源にはハイレベルの許可ルールを設定する。
- マーケター: ブランド/競合のキーワードを監視し、該当投稿のみを別チャンネルへ転送するワークフローを作る。
受け入れ基準(テストケース)
- 期待: 指定キーワードを含む記事のみが表示される。テストデータとして3件のサンプル記事を用意し、合致する1件のみが残ることを確認。
- 否定条件: 特定語を含む記事が排除されることを確認。
- 同一記事の重複: オリジナル購読を解除した後、同一記事の重複が発生しないこと。
セキュリティとプライバシーの注意点
- Feed Rinseにインポートしたフィードの内容は外部サービスで処理されます。機密を含むプライベートフィード(パスワード保護やトークンを含むURL)はアップロードしないでください。
- 欧州のGDPRや地域のデータ保護規制に関しては、個人データが含まれるフィードを第三者サービスへ渡す前に法務/プライバシー担当と相談してください。
運用の成熟度モデル(簡易)
- レベル1(手動): 主要なフィードのみ手動でルールを設定。週1回の見直し。
- レベル2(定型化): カテゴリ別テンプレートを作成し、多くのフィードへ横展開。
- レベル3(自動化): IFTTT/Zapierで通知や別チャネル転送を自動化し、モニタリングを導入。
互換性と移行メモ
- OPMLは事実上標準フォーマットですが、リーダーによってタグやカテゴリの扱いに差があります。インポート後は必ず表示確認をしてください。
- Feed Rinseの仕様変更やサービス終了リスクを想定して、定期的にOPMLのバックアップを取っておくと安心です。
1行用語集
- OPML: RSS購読一覧を交換するためのXMLフォーマット。
- フィード: サイトやブログが配信する記事の一覧(RSS/Atom)。
終わりに — まとめと次の一歩
Feed Rinseは手早くフィードを整理し、ノイズを減らすのに有効なツールです。まずは少数の重要なフィードからルールを作って様子を見てください。慣れてきたらテンプレート化して複数フィードへ一括適用すると、管理工数がさらに下がります。
重要: サービス依存のリスクを考え、定期的にOPMLバックアップを取得してください。
要約:
- Google Takeoutやリーダーのエクスポート機能で購読一覧を出す。
- Feed Rinseへインポートしてルールを作成する。
- フィルタ済みOPMLをエクスポートして普段使うリーダーへ戻す。
この記事の短い告知文(社内アナウンス向け): Feed Rinseを導入すると、RSSのノイズを自動で削減できます。OPMLのエクスポート→Feed Rinseでフィルタ→OPMLを再インポートの簡単3ステップで運用開始可能です。