Windows RTでサイトをFlashホワイトリストに簡単追加

クイックリンク
- はじめに
- 既成ホワイトリストを使う
- 特定サイトを追加する
- 変更をリセットする
- トラブルシューティングとセキュリティ
MicrosoftのSurface RTなどWindows RT搭載端末にはFlashブラウザプラグインが含まれますが、標準ではMicrosoftがホワイトリストに登録したサイトでしか動作しません。従来このリストに手動でサイトを追加する方法がありましたが、より簡単に行えるバッチスクリプトがXDA Developersフォーラムのユーザーによって作られました。
バッチスクリプトとして提供されているため、Windows RTが第三者のデスクトップアプリを禁止している制約を回避できます。Windows RTではバッチスクリプトのデスクトップ実行が許可されています。
Image Credit: 0xF2 on Flickr
はじめに
ツールはXDA Developersフォーラムから入手できます。ダウンロードした.zipファイルを右クリックして解凍し、任意のフォルダーに展開してください。
解凍したフォルダを開き、Windows RT Whitelist Flash tool.batというファイルをダブルクリックして実行します。
SmartScreenによって実行がブロックされた場合は、画面の「詳細情報」をクリックしてから「実行」(Run anyway) を選択してください。
重要: このツールを実行するとブラウザのキャッシュ、閲覧履歴、クッキーが削除されます。互換性リストの変更を確実に反映させるために必要な処理です。クッキーが消えるため、実行後は各サイトに再ログインが必要になります。
処理が完了して変更が反映されるまで約2分半かかります。ツール作者は処理時間短縮を進めています。
Important: スクリプトはシステムの互換性リストを変更します。信頼できる配布元(XDAのスレッドや信頼できる投稿者)から入手し、実行前にオリジナルのファイルやシステムのバックアップを取ってください。
既成ホワイトリストを使う
スクリプトの作成者は、Microsoftの標準リストに含まれないサイトを多数追加した「カスタムホワイトリスト」を用意しています。これをインストールするには、プロンプトで「1」と入力してEnterを押します。
この操作は現在のホワイトリストを上書きし、過去の変更を消去してカスタムリストをインストールします。さらに、ファイルの自動更新を無効にするため、以後Microsoft側の更新で上書きされなくなります。
重要: 自動更新を無効にすると、将来Microsoftが行う互換性やセキュリティ修正を受け取らない可能性があります。組織で使用する場合は運用ポリシーと照らして判断してください。
特定サイトを追加する
特定のサイトをホワイトリストへ追加するには、プロンプトで「3」と入力してEnterを押します。
入力は example.com の形式、つまり「http://」「https://」「www.」を除いたドメイン名で行います。例: How-To Geekを追加する場合は howtogeek.com と入力します(https://www.howtogeek.com ではありません)。
追加を繰り返す場合は、同じ手順(オプション3)を再度選んで新しいサイトを入力してください。
このオプションを使用すると、自動更新が無効になり、Microsoftの新しいホワイトリストで上書きされないようになります。
変更をリセットする
カスタムホワイトリストの使用を停止してMicrosoftのデフォルトに戻したい場合は、プロンプトで「2」と入力してEnterを押してください。これにより、自動更新が再度有効になり、今後Microsoftが行う変更が適用されます。
完了したら「5」と入力してEnterを押すとアプリケーションを閉じます。後日スクリプトを再起動して追加や無効化などの変更を行うことができます。
Thanks to TheDroidKid from the XDA Developers forums for making this great tool!
テストと受け入れ基準
- 入力したドメインを追加後、該当サイトでFlashコンテンツが動作すること。
- スクリプト実行後、約2分半以内に変更が反映されること。
- 実行でブラウザのキャッシュ・履歴・クッキーが削除され、ログイン状態が解除されること。
- 「1」「2」「3」「5」といった選択肢が期待どおりに動作すること。
よくあるトラブルと対処法
- 実行できない(SmartScreenやアクセス権): 「詳細情報」→「実行」を選ぶ、または管理者権限で実行可能か確認する。
- 追加したはずのサイトでFlashが動かない: ブラウザを完全に再起動し、キャッシュが完全に消えていることを確認する。必要なら端末を再起動する。
- 予期しない動作やエラー: スクリプト配布ページのコメントやフォーラムで同様の症例が報告されていないか確認する。最悪の場合、変更をリセットしてデフォルトに戻す(オプション2)。
いつこの方法が効かないか(反例)
- 端末がWindows RT以外(フルWindowsや別OS)の場合、このスクリプトは不要あるいは動作しない可能性があります。
- 企業管理下でOSがグループポリシーやMDMで厳密にロックされている環境では、スクリプト実行後に管理者設定によって上書きされる場合があります。
- Flash自体が廃止・無効化されている環境やブラウザ拡張がコンテンツをブロックしている場合は、ホワイトリスト追加でも再生できません。
代替アプローチ
- 手動編集: システムの互換性リスト(ローカルのXMLファイルや設定ファイル)をバックアップした上で手動編集する方法。ただしファイルの場所やフォーマットを誤ると動作しなくなるリスクがあります。
- 管理ツールの利用: 企業環境ではMDMやグループポリシーで互換性設定を配布するのが安全です。
- 別端末で見る: Flash対応が問題になる場合は、別の(サポートされた)デバイスやブラウザで閲覧することを検討してください。
セキュリティとプライバシーの注意点
- 信頼性: スクリプトやカスタムホワイトリストは必ず配布元の評判とスレッドの議論を確認してから実行してください。
- バックアップ: 実行前に重要なファイルや設定のバックアップを取っておくこと。
- クッキー削除: 実行時にクッキーが削除されるため、二段階認証アプリやログイン情報を手元に用意してください。
- 自動更新の無効化: カスタムリストを導入すると自動更新が無効化されるため、Microsoftの将来の変更を受け取らなくなります。セキュリティパッチの観点で影響を検討してください。
ロール別チェックリスト
個人ユーザー:
- バックアップを取る(重要なログイン情報やブラウザの保存データ)。
- 信頼できるソースからスクリプトを取得する。
- 実行後にログインし直せるように準備する。
IT管理者:
- 管理方針に従う(自動更新をオフにする影響を評価)。
- 必要ならテスト端末で事前検証を行う。
- 変更管理プロセスを通して導入する。
短い実行手順(ミニメソッド)
- フォーラムから.zipをダウンロードして解凍。
- Windows RT Whitelist Flash tool.bat をダブルクリック実行。
- SmartScreenが出たら「詳細情報」→「実行」を選択。
- オプション1(カスタムインストール)または3(個別追加)を選ぶ。
- 完了したらオプション5で終了。
- ブラウザを再起動し、必要なら端末を再起動して反映を確認。
用語1行定義
- Flashホワイトリスト: Flashを許可するドメインの一覧。
- SmartScreen: Windowsのアプリ実行を保護するフィルタ機能。
- XDA Developers: 技術フォーラム。ユーザー作成ツールが共有されることが多い。
まとめ
- 本ツールはWindows RTでFlashを使いたい特定のサイトを手早くホワイトリストに追加する実用的な方法です。
- 実行前にバックアップとソース確認を行い、クッキー削除や自動更新の無効化などの副作用を理解してください。
- 企業で導入する場合は運用ポリシーやセキュリティ方針に従い、事前に検証を行ってください。
extras:
この記事で紹介したツールは、個人の利便性を高める一方で、セキュリティや更新性に影響を与える可能性があります。実行前の準備と事後の確認を忘れないでください。