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Photosynth を Windows 10 で使う方法

2 min read ソフトウェア 更新されました 07 Oct 2025
Photosynth を Windows 10 で使う方法
Photosynth を Windows 10 で使う方法

TL;DR

Photosynth は写真からインタラクティブな3Dモデルを生成する古いツールで、開発は停止していますが Windows 10 上で動作します。注意点は Silverlight が必要で、Edge や Chrome では動かないため Internet Explorer 11 または Firefox を使ってください。

Photosynthのサンプル画像

Photosynth は複数の写真の差分を解析して点群と視点を推定し、インタラクティブな3D表現を生成するツールです。Microsoft Live Labs とワシントン大学が共同で開発し、2006年に発表、2008年に公開、最終パッチは2010年に提供されました。公式な開発は停止していますが、既存の Windows 10 環境で動作させることは可能です。

何をするツールか(簡潔定義)

Photosynth: 複数の写真から共通点を見つけ、カメラ位置を推定して 3D 的なビューを生成するソフトウェア。

インストール手順

以下は Windows 10 に Photosynth をインストールして使い始めるための基本手順です。

  1. Photosynth をダウンロードします。
    Photosynthのダウンロード画面
  2. ダウンロードしたセットアップファイルを実行し、画面の指示に従ってインストールします。
  3. ツールを起動し、Microsoft アカウントのメールアドレスパスワードでサインインします。
    PhotosynthのMicrosoftアカウントログイン画面
  4. Photosynth プロファイルを持っていない場合はアカウント作成が必要です。アプリ内のリンクでうまく作成できない問題が発生することがあります。その場合は Photosynth のウェブサイトに直接アクセスして Microsoft アカウントでログインし、プロファイルを設定してください。
  5. ログイン後、画像を追加して Photosynth にアップロードします。
    Photosynthのメイン画面(サムネイルとアップロード)

重要: Photosynth が生成した 3D 表示を閲覧するには Silverlight が必要です。Silverlight は Edge や Google Chrome で動作しないため、Internet Explorer 11 または Firefox を使用してください。Silverlight は Microsoft の公式サイトから入手できます。

実用上の注意点

  • Photosynth の最終パッチは 2010 年で、公式なアップデートは期待できません。
  • Windows 10 上での基本機能は動作しますが、ブラウザとプラグイン(Silverlight)周りで互換性問題が起きやすいです。
  • Photosynth のアカウント作成やログインで一時的な問題が発生することがあります。ウェブサイト側での操作で大抵は解決します。

問題が起きる場合(いつうまく動かないか)

  • Silverlight をサポートしないブラウザしか使えない環境。
  • 最新の OS やセキュリティ設定で旧プラグインがブロックされている場合。
  • 大量の高解像度写真を扱うと、Photosynth の処理が遅くなるか失敗することがある(Photosynth は古い設計のため、大規模処理に最適化されていません)。

代替アプローチ(Photosynth が向かない場合)

  • Meshroom(AliceVision): 無料のフォトグラメトリーツールで、比較的最近も活発に更新されています。
  • COLMAP: 研究用途でも使われる高機能な SfM(Structure from Motion)ツール。
  • Agisoft Metashape: 商用のフォトグラメトリーソフトで大規模処理に強い。
  • RealityCapture: 高速で精度が高いが商用ライセンスが必要。

これらは Silverlight に依存せず、モダンなワークフローで 3D モデルを作成できます。Photosynth が向いているのは、手早くウェブベースのインタラクティブ表示を作りたい場合や、既存の Photosynth ライブラリを維持したいケースです。

写真から3Dが生成される基本的な流れ(ミニ・メソドロジー)

  1. 写真収集: 対象を多角度から被写体中心に均等に撮影する。
  2. 特徴点抽出: 各画像から SIFT などで特徴点を抽出する。
  3. マッチング: 画像間で共通の特徴点をマッチングする。
  4. カメラ位置推定: マッチング情報から各画像の撮影位置と姿勢を推定。
  5. 3D 再構成: 点群を生成し、必要に応じてメッシュ化・テクスチャ化する。

Photosynth はこのパイプラインを自動化して、視点を変えられるインタラクティブなビューを生成します。

互換性マトリクスと移行のヒント

  • OS: Windows 7/8/10 では動作確認済みだが、最新の Windows 10 ビルドで動作しないプラグイン問題が発生する可能性あり。
  • ブラウザ: Internet Explorer 11 / Firefox 推奨。Edge・Chrome では Silverlight が動かない。
  • プラグイン: Silverlight のインストールが必須。企業環境では管理者権限やセキュリティポリシーでブロックされることがある。

移行ヒント: 既存 Photosynth ライブラリが重要なら、Photosynth で出力できる形式(画像群やメタデータ)を保存し、必要なら Meshroom や COLMAP で再処理して新しい形式に移行することを検討してください。

役割別チェックリスト

  • カジュアルユーザー: Silverlight をダウンロード、IE11 を使って表示確認、少数の写真でテスト。
  • 写真家: 撮影時にオーバーラップを多めに撮る(各視点で 60% 以上の重複推奨)。出力をローカルバックアップする。
  • アーカイブ担当者: 既存の Photosynth データのエクスポートと長期保管、将来的な再処理(COLMAP など)を見越したファイル管理。

よくある質問

Windows 10 で本当に動きますか?

はい。基本的な動作は可能ですが、Silverlight とブラウザ互換性に注意が必要です。

Silverlight はどこから入手しますか?

Microsoft の公式サイトからダウンロードできます。企業ポリシーでブロックされている場合は管理者に相談してください。

Photosynth の代わりになる無料のツールはありますか?

はい。Meshroom や COLMAP は無料で、最新の環境でも動作します。

事実ボックス(キー数値)

  • 発表年: 2006年
  • 公開年: 2008年
  • 最終パッチ: 2010年

まとめ

Photosynth は写真から手軽にインタラクティブな 3D を生成できる古いツールです。開発は終了しているものの、Windows 10 で動作させることは可能です。最大の障壁は Silverlight とブラウザ互換性なので、IE11 か Firefox を使用し、必要ならより現代的なフォトグラメトリーツールへの移行も検討してください。

重要: Photosynth は公式サポートが終了しているため、新規プロジェクトや大量データの処理には Meshroom や Metashape などのモダンツールを推奨します。

  • 関連: Windows 10 で Microsoft Digital Image をダウンロードする方法も確認してください。
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