iOS 4.1からiPhoneをダウングレードする方法(iPhone 4 / 3GS / 3G)

重要: この手順はSHSHブロブが保存されていることが前提です。SHSHがないと復元はできません。
概要
この記事は、iPhone 4 / iPhone 3GS / iPhone 3GをiOS 4.1から以前のバージョンへ戻すための実践的な手順書です。必要なツール、DFUモードの入り方、TinyUmbrellaの使い方、よくあるトラブルとその対処までカバーします。脱獄やアンロック目的でダウングレードする場合、ベースバンドの制約を理解しておいてください。
重要な用語(1行定義)
- SHSHブロブ: Appleが発行する署名データ。特定バージョンのiOSを復元するために必要。
- DFUモード: デバイスを低レベルで復元するためのモード。iTunesが認識するがOSは起動しない状態。
前提条件
- 対象機種は iPhone 4、iPhone 3GS、iPhone 3G のみ。
- あらかじめSaurikのサーバーへSHSHブロブを保存済みであること。TinyUmbrellaで保存していればOK。
- ベースバンド(モデムファームウェア)はこの方法でダウングレードできません。アンロック目的の場合は注意が必要です。
重要: アンロックが必要な場合、ベースバンド依存のため本手順だけでは解決しないことがあります。必ず事前に現状のベースバンドと対応状況を確認してください。
必要なツール
- TinyUmbrella(TinyUmbrellaをダウンロードしてインストールしてください)
- 対応するiOSのIPSWファイル(例: iOS 4.0.1)
- iTunes(最新版を推奨)
- USBケーブル
手順
TinyUmbrellaをダウンロードしてインストールします。TinyUmbrellaはSaurikのサーバーからSHSHを取得するために使います。
iPhoneをUSBで接続してTinyUmbrellaを起動します。設定画面で「Advanced Options」を探し、「Device/Version」ドロップダウンリストから戻したいiOS(例: iOS 4.0.1)を選びます。
「Request From」から「Cydia」を選び、「Save My SHSH」をクリックします。これでSaurikのサーバーからSHSHファイルを取得し、PCに保存します。
ダウングレード先のiOSファームウェア(IPSW)を入手してPCに保存します。例: iOS 4.0.1のIPSW。
iPhoneをDFUモードにします。手順: iTunesを起動してiPhoneを接続し、ホームボタンと電源ボタンを同時に約10秒間押します。10秒後に電源ボタンだけを離し、ホームボタンは押し続けます。iTunesが「リカバリーモードのiPhoneを検出しました」と表示するまでホームを押します。
TinyUmbrellaで「Display SHSHs」ボタンを押し、先ほど保存したSHSHブロブがPCにあることを確認します。確認できたら「Start TSS Server」をクリックしてローカルTSSサーバーを起動します。
iTunesで復元を行います。WindowsはShiftキー、MacはOption(Alt)キーを押しながら「復元」ボタンをクリックします。表示されたウィンドウで手順4でダウンロードしたIPSWファイルを選択します。
iTunesが選択したiOSに復元を行い、端末は指定したバージョンへ戻ります。復元プロセス中にエラー(1011、1013、1015など)が出ることがありますが、これらは多くの場合問題ありません。
復元後にデバイスがリカバリーモードのままになる場合、TinyUmbrellaで「Kick Device Out of Recovery」をクリックして回復させます。
重要: この方法はiOS本体のダウングレードを行うもので、ベースバンド(アンロックに関係する部分)はダウングレードできません。
よくあるエラーと対処法
- 「Could not start TSS service on port 80 because you have something running on that port already!」というメッセージが出た場合: port 80を使うアプリ(Skype、TeamViewer等)を終了してください。終了後にTinyUmbrellaを再起動してもう一度「Start TSS Server」を試してください。
- iTunesエラー1011/1013/1015: 多くは復元中に発生する既知のメッセージです。上記の「Kick Device Out of Recovery」で回避できることが多いです。回避できない場合はログを確認して個別対応してください。
- SHSHが無い場合: ローカルで復元はできません。Saurikに保存されていないSHSHについては戻せないため、代替策を検討してください。
いつこの方法は失敗するか
- SHSHブロブが保存されていない場合は不可。
- 対応外のデバイス(例: iPhone 4S以降)では手順が異なるか無効。
- ベースバンドのダウングレードが必要なアンロック目的では期待した結果にならない。
- TSSサーバーを起動できない、またはポート競合が解消できない場合は復元できないことがある。
代替アプローチ
- 待機して公式/コミュニティによる脱獄ツールやアンロックツールの対応を待つ。
- SHSHを事前に確実に保存するワークフローを作る(TinyUmbrellaや接続時の自動保存設定を活用)。
- どうしても復元できない場合はApple公式サポートでの修理・交換を検討する(ただし脱獄状態はサポート対象外になる可能性があります)。
役割別チェックリスト
一般ユーザー
- 重要データをバックアップ(iTunesやiCloud)。
- SHSHの有無を確認。無ければ手順を実行しない。
- TinyUmbrellaとiTunesの最新版を準備。
上級ユーザー/技術者
- ローカルでTSSサーバーを起動してログを確認。
- DFUの取り扱いに慣れていること(タイミングが重要)。
- ベースバンド情報を記録し、アンロック可否を確認。
1行用語集
- IPSW: iOSのファームウェアファイル。iTunesで復元する際に使う。
- TSS: TinyUmbrellaが模倣するAppleの認証サーバー。ローカルで署名を返す。
よくある質問
Q: SHSHが保存されているかどうか分かりません。どう確認しますか? A: TinyUmbrellaでデバイスを接続し「Display SHSHs」をクリックすると、PC上に保存されたSHSHの一覧が表示されます。Saurikのサーバーから取得できる場合は「Save My SHSH」で保存してください。
Q: ベースバンドはなぜダウングレードできないのですか? A: ベースバンドはモデム部分のファームウェアで、Appleやキャリアの管理や署名の仕組みが異なり、通常のSHSHベースの復元手順では戻せません。
Q: iPhoneがリカバリーループに入ったらどうすればいいですか? A: TinyUmbrellaの「Kick Device Out of Recovery」をまず試してください。それでもダメならDFUから再度復元を試みます。
まとめ
- SHSHブロブがあればTinyUmbrellaとローカルTSSでiOS 4.1から4.0系へダウングレードできます。
- ベースバンドはダウングレード不可のため、アンロックの可否は別途確認が必要です。
- ポート80の競合やiTunesエラーはよくある問題なので、対処法を事前に把握しておきましょう。
重要: 操作は自己責任で行ってください。事前バックアップと手順の理解を十分に行ってから実施することを推奨します。