ChromeでFacebookの「いいね!」ボタンをブロックしてプライバシーを守る
Adblock Plusに“Antisocial”フィルターを追加すると、ウェブページ上のFacebook「いいね!」ボタンなどのソーシャルプラグインを読み込ませないようにできます。Chrome拡張機能の設定から指定URLを追加するだけで、Facebookがあなたの閲覧履歴を収集する機会を減らせます。
ゲスト投稿:Simon Miller。
編集者注:Facebookの投稿に「いいね!」が多いと嬉しいですが、読者には利用可能な選択肢を知らせたいと考えています。Facebookのプライバシーや広告ブロッカーについての記事が多いのもそのためです。
なぜFacebookの「いいね!」ボタンがプライバシーの問題になるのか
ほとんどすべてのブログやニュースサイトにFacebookの「いいね!」ボタンが置かれている現在、これらのソーシャルプラグインは単に共有を容易にするだけでなく、閲覧者の行動を追跡する手段にもなります。Facebookのソーシャルプラグインは、ユーザーがそのボタンをクリックしたかどうかにかかわらず、ユーザーが訪れたウェブサイトのアドレスを収集できます。これにより、Facebookはサインアップしていない人も含めて、閲覧行動に関するデータベースを形成できます。
オプトアウトの標準的な方法が用意されていないため、最も確実な対策は「ボタンが読み込まれないようにする」ことです。ブラウザ側で読み込みそのものを遮断すれば、Facebookがその訪問を検知できなくなります。
必要なもの(概要)
- Google Chrome(またはChromium系ブラウザ)
- Adblock Plus拡張機能(Chrome用)
- AntisocialフィルターのURL
重要: Adblock Plusは広告以外のコンテンツもフィルターでブロックできます。フィルターの追加は簡単ですが、自己の判断で設定を行ってください。
手順:Adblock PlusでAntisocialフィルターを追加する
- ChromeにAdblock Plusをインストールします(Chromeウェブストアから)。
- Chromeのツールバーに表示されるAdblock Plusアイコンを右クリックします。
- 「オプション」または拡張機能の管理画面を開きます。
- 「Filter lists」タブを開きます(UIラベル名として表示される場合があります)。
- フィルターリストを手動で追加できるフィールドに、次のURLを貼り付けます:
https://adversity.googlecode.com/hg/Antisocial.txt
- 「Add URL」ボタンをクリックして購読を完了します。
- ブラウザを再読み込みして、サイトにFacebookの「いいね!」ボタンが表示されないことを確認します。
この手順により、ソーシャルブックマーク用のボタン類を一括で非表示にできます。
重要:フィルターはサイト側の実装方法によっては全てのソーシャルボタンを遮断できない場合があります。読み込みの仕方が異なるスクリプトや動的挿入には別のルールが必要になることがあります。
Antisocialフィルターの仕組み(ミニ解説)
- フィルターリストは「どのURLや要素をブロックするか」を記述したルール集です。
- Adblock Plusはページ読み込み時にそのルールを評価し、条件に合うリクエストや要素の読み込みを止めます。
- Antisocialは一般的なソーシャルボタンのスクリプトやiframe、画像などを対象にするルールを持ちます。
仕組み上、ブロック対象が複雑に埋め込まれている場合や、別ドメイン経由で遅延読み込みされる場合、追加のカスタムルールが必要になることがあります。
代替アプローチ
- プライバシー重視のブラウザを使う:BraveやFirefox(トラッキング防止機能強化)など、デフォルトでソーシャルトラッカーをブロックするブラウザを選ぶ。
- 専用プラグインを使う:DisconnectやPrivacy Badgerなど、トラッキング検出に特化した拡張機能を組み合わせる。
- コンテナタブ/プロファイル分離:Facebookを専用ブラウザプロファイルやコンテナ拡張に分けて、他のブラウジングと分離する。
- ホストファイル編集:ローカルのhostsファイルで特定ドメインを無効化する。ただし管理者権限と注意が必要。
それぞれ利点と限界があり、組み合わせて使うと効果が高まります。
チェックリスト(実行前後で確認すべきこと)
- Adblock Plusが最新版である
- AntisocialのURLを正確に貼り付けた
- 追加後にブラウザを再読み込みした
- 複数サイトで「いいね!」ボタンが消えていることを確認した
- 必要に応じて他のトラッカー防止拡張と干渉していないか確認した
いつこの方法が効かないか(想定されるケース)
- サイトがソーシャル機能をサーバーサイドでレンダリングし、同一ドメインから提供している場合
- JavaScriptで動的に挿入され、既存のフィルター規則に一致しないケース
- サイトがボタン外見を変えて独自の実装をしている場合
その場合は、Adblock Plusでカスタムルールを作るか、開発者ツールで読み込み元を特定して個別にブロックする必要があります。
プライバシーと法的注意点(GDPR等)
- ブラウザ側で読み込みをブロックすること自体はローカルの設定行為であり、基本的に法的問題は生じません。自分の閲覧データを守る目的で行ってください。
- GDPRや各国のプライバシー法はサービス提供者にデータ処理の適正性や透明性を求めますが、第三者プラグインがユーザーを追跡している場合、ユーザー自身がブロックすることは推奨される対策です。
- 企業や組織での導入時はITポリシーや社内ガイドラインに従ってください。
テスト方法と受け入れ基準
- 主要なニュースサイトやブログ(例:ソーシャルボタンを持つ既知のページ)を3〜5サイト開き、Facebookのボタンが表示されないことを確認する。
- 開発者ツールのNetworkタブでfacebook.comやstaticxx.facebook.com等へのリクエストが発生しないことを確認する。
Критерии приёмки:
- ユーザーが訪問してもFacebookソーシャルプラグインへのリクエストが行われない
- ブラウジング体験に重大な副作用がない
よくある質問
Q: Antisocialを追加すると他の機能に影響はありますか?
A: 一般的にはソーシャルボタンのみが非表示になりますが、サイトによってはUIや共有機能の一部が使えなくなります。必要に応じてフィルターを一時的に無効化してください。
Q: 他のソーシャルネットワークもブロックできますか?
A: はい。Antisocialは複数のソーシャルブックマークボタンをターゲットにします。個別のネットワークだけをブロックしたい場合は別のフィルターを使うか、カスタムルールを作成します。
Q: スマートフォンのChromeでも同じ手順で使えますか?
A: モバイル版Chromeは拡張機能をサポートしていないため、同じ方法は使えません。モバイルではプライバシー重視のブラウザやOSレベルの制御(例:パケットフィルター)を検討してください。
まとめ
Adblock PlusにAntisocialフィルターを追加することで、Facebookの「いいね!」ボタンやその他のソーシャルプラグインを読み込ませず、閲覧履歴が第三者に収集されるリスクを減らせます。完全な解決策ではないものの、ブラウザ側での簡単かつ効果的なプライバシー強化手段です。
まとめの要点:
- Antisocialはソーシャルボタンをブロックするフィルターリストです。
- Adblock Plusの「Filter lists」へURLを追加するだけで有効化できます。
- 代替手段と組み合わせるとさらに効果的です。
この投稿はchrome-plugins.orgの編集者の一人、Simon Millerによるゲスト寄稿です。chrome-plugins.orgはGoogle Chrome向けの拡張、アプリ、テーマをレビューする非営利プロジェクトです。