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- カスタム検索エンジンの作成手順
- URL 指定の応用(サブドメインや部分一致)
誰かのサイトだけ、あるいは自分がよく使う複数サイトだけをまとめて検索したいことはありませんか?Google の Custom Search Engine(カスタム検索エンジン)を使えば、site: 演算子を毎回手入力する必要なく、特定のサイト群だけを対象に検索する専用検索を作成できます。結果はブックマークして共有することも可能です。
カスタム検索エンジンを作成する手順
- Google アカウントでサインインした状態で、Google Custom Search Engine のページにアクセスします。画面上の「Create a custom search engine」ボタンをクリックします。
- 検索エンジンの名前と説明を入力します。名前と説明は自由に決められます。
- 「Sites to search」欄に、検索対象としたいサイトや URL パターンを指定します。この欄が最も重要です。
howtogeek.com/ microsoft.com/
上記の例では howtogeek.com と microsoft.com の両方をすべて検索対象にします。ワイルドカード は任意の文字列にマッチするため、末尾に / を付けることでそのサイト配下のすべてのページを含める指定になります。
- 「Next」をクリックし、検索結果の表示スタイルを選び、作成した検索エンジンをテストします。
- 満足したらページ下部の「Next」をクリックすると、埋め込みコードが表示されるページに移動します。ウェブ開発者でなければこのコードは無視して構いません。画面上部の Google Custom Search ロゴをクリックして作成済みの検索エンジン一覧に戻ります。
- 一覧から自分の検索エンジン名をクリックすると、その検索エンジン用の管理ページに移動します。ここをブックマークすればいつでも簡単にアクセスできますし、アドレスバーの URL を共有すれば他人と共有もできます。
URL 指定のコツと応用
カスタム検索を作る際、必ずしもドメイン全体を指定する必要はありません。例えば microsoft.com 全体を検索対象にすると、windows.microsoft.com や support.microsoft.com、answers.microsoft.com など多くのサブドメインから結果が返ってきますが、中には不要なフォーラム(answers.microsoft.com)などが混ざることがあります。
不要なサブドメインを避けたい場合、含めたいサブドメインだけを明示的に指定します(除外指定はできません)。例えば次のようにします。
howtogeek.com/ windows.microsoft.com/ support.microsoft.com/*
このようにすると microsoft.com 全体を含めず、指定したサブドメインのみを検索対象にできます。
他に使える URL 指定のパターンは以下の通りです。
- 単一ページ指定: example.com/page.html のように特定ページだけを含める。検索エンジンはそのページのみを対象にします。
- サイト内部分一致: support.microsoft.com/kb/ のようにパス配下だけを対象にする。example.com/word* のように URL に特定の語が含まれるページだけを対象にすることも可能です。
必要に応じて「back to step 1」で戻り、URL リストを微調整して再テストを繰り返してください。
高度な使い方と実践例
- 一覧に数百のサイトを登録して業界特化検索を作る(ニュース、学術、社内ドキュメントなど)。
- 特定のドメインのナレッジベースやヘルプ記事だけを対象にしたサポート検索を作成する。
- ブログや自分の複数ドメインだけを対象にした内部横断検索を用意する。
例: ナレッジベース検索の URL リスト例
docs.example.com/ kb.example.com/ support.example.com/kb/*
このようなリストを作っておけば、サポート担当はいつでも一括でナレッジベースを検索できます。
ブラウザの検索バーに追加する方法
多くのブラウザではカスタム検索を検索エンジンとして追加できます。管理ページで表示される URL を利用して、ブラウザの設定で新しい検索エンジンを登録してください。登録後はアドレスバーからワードを入力するだけで、そのカスタム検索が使えます。
いつうまくいかないか(制限と対処)
- 除外はできない: 特定のサブドメインを「除外」する指定はできません。不要な部分を省きたい場合は、含めたいサブドメインだけを列挙します。
- インデックスの有無: 指定したページが Google にインデックスされていないと検索結果に出ません。
- リアルタイム性: 公開直後のコンテンツはインデックスされるまで時間がかかることがあります。
対処: 新しいページを確実に検索対象にしたければ、サイト運営側で sitemap を登録したり、Search Console を使ってインデックスを促す必要があります。
代替アプローチ
- site: 演算子を使う(例: site:howtogeek.com OR site:microsoft.com 検索語)。短期的には手早いが、毎回入力が必要。
- ブラウザのブックマークフォルダやサードパーティ拡ステンションを利用する。
- DuckDuckGo や Bing の類似機能を利用する(プライバシー要件や表示結果が異なる)。
メンタルモデル(考え方)
カスタム検索は「検索フィルタを前もって作る」ことと考えるとわかりやすい。site: 演算子をテンプレ化して保存しておくイメージです。
役割別チェックリスト
一般ユーザー:
- よく使うサイトを 5~20 個登録
- 検索結果をテストして不要なサイトがないか確認
- ブックマークに追加
サポート担当:
- ナレッジベースのパスを細かく指定
- フォーラム等の雑多なサブドメインを除外するため、必要なサブドメインのみを列挙
- 社内共有 URL を配布
ウェブ管理者:
- サイトのインデックス状況を確認
- sitemap.xml と robots.txt を適切に設定
- 重要ページは構造化データで強調
実用テンプレート(URL リスト例)
- 業界ニュース検索
news.example.com/ blog.example.com/ howtogeek.com/*
- サポート専用検索
support.example.com/kb/ docs.example.com/ faq.example.com/*
テストケースと受け入れ基準
- 検索語を入れて、期待するサイトから結果が 3 件以上返るか。
- 不要なサブドメインが含まれていないこと(許容閾値はケース別)。
- ブラウザ登録後、アドレスバーから直接検索できること。
プライバシーとセキュリティの注意
カスタム検索は Google のサービス上で動作するため、検索クエリや使用状況は Google によって処理されます。社内機密や個人情報の検索用途には注意し、必要ならプライベートな社内検索ソリューションを検討してください。
互換性と移行のヒント
- 作成済みの検索は Google アカウントに紐付くため、他アカウントへ移行するには共有 URL を渡すか、設定をエクスポートして再作成します。
- 大量のサイトリストを管理する場合は、CSV 等でテンプレ化しておくと再作成が容易です。
まとめ
カスタム Google 検索エンジンは、特定サイト群だけを効率的に検索したい場面で強力なツールです。サイト/サブドメインの指定を工夫することでノイズを減らし、業務効率やリサーチの精度が向上します。作成は簡単で、ブラウザへの追加や共有も容易なので、一度作ってみて運用しながら微調整するのがおすすめです。
重要: 除外指定ができない点、Google のインデックス依存である点は意識してください。
よくある質問
カスタム検索を他人と共有するにはどうすればいいですか
管理ページの URL をコピーして相手に送れば、その URL から誰でもアクセスできます。公開設定や共有権限は Google の UI で確認してください。
サイトを一覧に一括で追加できますか
UI に大量一括インポート機能は限られる場合があります。多くのサイトを扱う場合は、CSV でテンプレ化しておき、新しいアカウントで再作成するか、API が利用可能ならそちらを検討してください。
特定ページだけ検索対象にできますか
はい。example.com/page.html のように完全な URL を指定すれば、そのページのみが対象になります。