Windows 10/11 デスクトップにシステム情報を常時表示する方法

重要: 以下の手順は管理者権限が不要なものが多いですが、職場のポリシーやセキュリティ設定で実行できない場合があります。導入前に IT 管理者に確認してください。
要点(検索意図と関連バリアント)
- 主要意図: Windows デスクトップにシステム情報を表示する方法
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この記事の構成
- 概要と選定ガイド
- O&O DeskInfo の導入と設定手順(画像つき、詳細手順)
- BGInfo の導入と設定手順(カスタマイズと保存)
- どちらを選ぶべきか判断するフローチャート
- 役割別チェックリストと運用テンプレート
- トラブルシューティング、セキュリティとプライバシーの注意点
- 用語集とまとめ
なぜデスクトップにシステム情報を表示するのか
短時間で PC の OS、RAM、CPU、GPU、ネットワーク設定などを確認できると、ソフトウェアの互換性確認、トラブルシューティング、サポート連絡時の情報提供が迅速になります。複数台のマシンを管理する場面や、インストール前に必須要件をチェックする際に特に便利です。
重要: 常時表示する情報には機密性の高い内容(フルホスト名や構内ネットワークの詳細など)が含まれる可能性があります。共有環境や公開画面では表示項目を制限してください。
ツールの比較(高レベル)
- O&O DeskInfo: シンプル、インストール不要の単一 EXE で即常時表示。主要スペックとリソース使用量を手軽に表示。表示プリセット(Minimum/Default/Full)あり。
- BGInfo: 高度なカスタマイズ、ネットワーク情報が豊富、フォーマット指定が可能。ZIP 展開で実行、設定の保存・読み込みが可能。
事例: システム管理者は BGInfo の保存済み設定を配布して統一表示にし、ヘルプデスクは O&O DeskInfo を簡易表示として採用するのが一般的です。
O&O DeskInfo の導入と設定
O&O DeskInfo はフリーウェアで、実行ファイルをダウンロードしてすぐ実行できます。次の手順でデスクトップに情報を追加します。
- O&O DeskInfo の公式ページを開く。
- ダウンロードリンクをクリックして EXE ファイルを保存する。
- ダウンロードしたフォルダを開き、EXE をダブルクリックして起動する。インストールウィザードはありません。
- 初回起動時に表示されるウェルカムウィンドウで、常時表示したければ「Windows と一緒に自動起動」のようなオプションを有効にする。
- OK を押すとデスクトップの右上にシステム情報が表示されます。表示例は以下の画像を参照してください。
表示モードには Minimum(最小), Default(標準), Full(完全) の三種類があります。より多くの項目を表示するには、タスクトレイの O&O DeskInfo アイコンを右クリックし、Display > Full を選びます。Full モードではおよそ 20 個のスペックと 6 個のリソース利用統計が表示されます。
文字が小さい場合はタスクトレイメニューから Font Size を選択し、Large (12pt) を選ぶと可読性が上がります。
情報を迅速に共有する必要がある場合は、タスクトレイの右クリックメニューから Copy to clipboard を選択して、メモ帳などに貼り付けて共有できます。
運用ヒント:
- 常時表示にしておくとサポートへの連絡がスムーズになります。
- 公開セッションやプレゼンテーションでは表示をオフにしておくと情報漏洩リスクを下げられます。
BGInfo の導入と設定
BGInfo は Windows Sysinternals のツールで、ZIP を展開して実行するだけで使用できます。表示フィールドの自由度が高く、フォントや位置、整列など細かく調整できます。
- BGInfo の配布ページ(Softpedia など)を開く。
- Download Now > External Mirror を選んで ZIP をダウンロードする。
- ダウンロードした ZIP ファイルのあるフォルダを開く。
- ZIP を右クリックして すべて展開(Extract all) を選ぶ。
- 展開先を指定して、展開後にファイルを表示するオプションを有効にする。
- 展開が終わったら BGInfo64.exe(64 ビット環境の場合)を実行する。
- 表示したいフィールドを選択し、必要に応じて追加、削除する。デフォルトのフィールドを適用するには Apply をクリックする。
カスタマイズのポイント:
- 追加フィールドは右側のリストから選んで Add をクリック。
- フィールドを削除するには該当項目を選んで Delete キーを押す。
- フォント、太字、斜体、箇条書き、下線は BGInfo の編集領域で選択して適用できる。
- 表示位置を変更するには Position ボタンを押し、Locate on screen を選んでから画面上で位置を決定する。設定後に Apply を押して確定する。
- 設定を保存する場合は File > Save As で構成ファイルを任意の名前で保存する。別のマシンへ同じ表示を配布する際はこのファイルを配り、BGInfo で Open して適用すれば表示を再現できます。
運用ヒント:
- ネットワーク関連の情報が重要な環境では BGInfo の使用が有利です。
- 自動化するにはスケジュールタスクやログオンスクリプトで BGInfo のコマンドライン実行を設定しておくと便利です。
どちらを選ぶべきか 判断フローチャート
次の簡単なフローチャートで適切なツールを選べます。
flowchart TD
A[運用目的の選定] --> B{表示の目的は何か}
B -->|簡易な常時表示| C[O&O DeskInfo]
B -->|高度なカスタマイズ・ネットワーク情報| D[BGInfo]
C --> E[迅速導入・最小設定でOK]
D --> F[カスタムフォーマット・保存・配布が必要]
E --> G[ヘルプデスクや個人ユーザー向け]
F --> H[システム管理者や標準構成配布に適]
このフローに沿えば、大抵の利用ケースで適切なツールを選べます。
役割別チェックリスト
以下は導入・運用のチェックリストです。運用ポリシーに合わせて使用してください。
一般ユーザー
- ツールをダウンロードして起動できる
- Full 表示は不要なら Minimum に設定
- 表示内容に個人情報が含まれていないか確認
ヘルプデスク
- 迅速に情報をコピーしてチケットに貼れるよう設定
- タスクトレイメニューでフォントや表示モードを切り替え可能にする
- 画面共有時は表示をオフにする手順を周知
システム管理者
- BGInfo の構成ファイルを作成して配布
- ログオン時自動適用用スクリプトを用意
- ネットワーク情報の公開範囲をポリシーで制限
テンプレート(導入手順書):
- ツール選定理由
- ダウンロード URL
- 展開またはインストール手順
- 表示内容の標準化(必須とオプション項目)
- 配布方法と更新手順
効果的な設定のためのミニメソッド
- 目的を明確にする(例: インストール前の要件チェック、デスクトップ監視、ヘルプデスク対応)
- 必要最小限の項目を選ぶ(OS、RAM、CPU、GPU、ストレージの空き、IP)
- 可読性を調整(フォントサイズ、表示位置、色)
- 配布と更新の方法を決める(スクリプト、グループポリシー、配布ツール)
- 定期的に項目を見直す(ソフト要件や運用の変化に合わせる)
トラブルシューティング
- 表示が消える: O&O は自動起動が無効、BGInfo は再適用が必要な場合があります。イベントログやタスクトレイ設定を確認してください。
- 文字化けやフォント崩れ: 日本語フォントが優先されない場合は BGInfo でフォントを明示的に指定してください。
- 管理者権限が必要と表示される: 会社環境では実行制限がかかっている可能性があります。IT 管理者に相談してください。
重要: 両ツールともディスク使用量や CPU 負荷は極めて小さいですが、監視ソフトやセキュリティ製品が誤検出することがあります。導入前にテストを行ってください。
セキュリティとプライバシーの注意点
- 公開の場で詳細なネットワーク情報やホスト名、IP アドレス、ユーザー名を表示すると情報漏洩につながる可能性があります。
- 共有 PC では表示項目を限定するか表示をオフにする運用ルールを設定してください。
- 管理者は配布構成に個人情報が含まれていないか確認してください。
用語集(1 行定義)
- OS: オペレーティングシステム、例 Windows 10/11。
- GPU: グラフィックス処理装置、画面描画や GPU 演算を担う。
- RAM: 一時的なデータ保存領域、メモリ容量。
- IP: ネットワーク上の識別子。
- BGInfo: Windows 用デスクトップ情報表示ツール。
- O&O DeskInfo: O&O 社の軽量デスクトップ情報表示ツール。
受け入れ基準
導入後の確認項目:
- 表示される情報が意図した内容であること(OS、RAM、CPU、GPU 等)
- デスクトップ上での視認性が確保されていること(文字サイズ、位置)
- セキュリティポリシーに準拠していること(不要な個人情報を表示していない)
まとめ
O&O DeskInfo と BGInfo はそれぞれ特長があり、目的によって使い分けられます。手軽さを重視する場合は O&O DeskInfo、高度なカスタマイズやネットワーク情報の表示が必要な場合は BGInfo が適しています。どちらのツールも無料で使え、手順に沿って設定すれば短時間で実用的なデスクトップ表示環境を構築できます。
重要: 社内環境での導入前には運用ポリシーとセキュリティ要件の確認を必ず行ってください。
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