Windows 11 ファイルエクスプローラーで AI Actions を手動で有効にする方法
重要: この機能は段階的に配信されています。まだ自動で表示されない場合は以下の手順で有効化できます。管理者権限が必要です。
概要
Microsoft は File Explorer に AI 機能群「AI Actions」を追加しました。現時点では主に画像ファイル（JPG/JPEG/PNG）を対象に、背景除去やぼかし、オブジェクト消去などの操作がコンテキストメニューから利用可能です。将来的には Microsoft 365 ファイルの要約や FAQ 生成など、さらに多くのファイル種別がサポートされる予定です。
要件と互換性
- 必須: Windows 11 ビルド 26120.4151 (KB5058486) 以降
- 対象チャネル: Insiders の Dev チャネルまたは Beta チャネル
- 現状サポート形式: JPG, JPEG, PNG の画像ファイル
- Copilot+ PC は不要。通常の Windows 11 デバイスで動作します。
注意: 機能はクラウドで拡張される可能性があるため、ネットワーク接続が必要です。企業環境ではプロキシやファイアウォール設定が影響する場合があります。
ステップバイステップ: AI Actions を有効にする
- GitHub から ViveTool をダウンロードし、分かりやすい場所に展開します（例: C:\Vive）。
- スタートメニューで「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを右クリックして「管理者として実行」を選びます。
- ViveTool を展開したフォルダーへ移動します。例:
cd C:\Vive- 以下の有効化コマンドを貼り付けて実行します:
vivetool /enable /id:54792954,55345819,48433719- PC を再起動します。
再起動後、画像ファイルを右クリックするとコンテキストメニューに「AI Actions」が表示され、背景除去やぼかし、オブジェクト消去などのオプションが使えるはずです。
使える機能（現時点）
- 背景除去（自動で人物や前景を抽出）
- ぼかし（背景や選択領域のぼかし）
- オブジェクト消去（余分な物体を除去）
将来的にサポート予定: Microsoft 365 ドキュメントの要約、FAQ 生成、さらに多様なファイル形式の処理。
代替アプローチと注意点
- ViveTool を使わずに待つ: Microsoft の段階的配布を待てば公式に表示されます。企業ポリシーやテスト目的でのみ手動有効化を検討してください。
- グループポリシー／Intune: 将来的に管理向けテンプレートが提供されれば、集中管理でオン・オフ制御が可能になります（現時点では未公開）。
- レジストリ編集: 非公式な方法でレジストリを直接いじるのは推奨しません。ViveTool の方が手順が明確です。
管理者向けチェックリスト
- 対象デバイスが Insiders の Dev/Beta チャネルで正しいビルドか確認
- デバイスに管理者アカウントでログオン可能か確認
- ViveTool を配布用に署名付きで検証（社内ポリシーに従う）
- ネットワーク経路（プロキシ/ファイアウォール）で AI サービスへのアクセスを許可
- 変更を適用する前にテスト用マシンで検証
トラブルシューティング
- 表示されない場合:
- ビルドが古い: 「winver」でビルド番号を確認
- ViveTool 実行時にエラー: 管理者権限で実行しているか確認
- コマンド誤記: ID を正確に入力したか再確認
- 有効化後に機能が動作しない場合:
- ネットワーク接続を確認（クラウド処理が必要な場合あり）
- セキュリティソフトやグループポリシーがブロックしていないか確認
ロールバック（無効化・元に戻す方法）
ViveTool を使って有効化した ID を無効化して再起動すれば元に戻せます。例:
vivetool /disable /id:54792954,55345819,48433719再起動後、AI Actions の表示が消えるはずです。
セキュリティとプライバシーの注意点
- 画像処理がクラウドで行われる可能性がある場合、機密データや個人情報を含む画像の取り扱いに注意してください。企業のデータ保護ポリシーや GDPR 等の規制に従ってください。
- 企業環境では、導入前にデータフローの可視化と承認手順を設定することを推奨します。
受け入れ用テストケース（簡易）
- 画像（JPG）を右クリックし、背景除去が呼び出せること
- ぼかし機能が実行でき、出力画像が生成されること
- オブジェクト消去で明らかな差分が生成されること
- 無効化コマンド実行後、メニューが消えること
いつこの方法が適さないか（反例）
- 企業の厳格なセキュリティ基準で外部クラウド処理が禁止されている場合
- Insiders プレビューを利用できない運用環境
- ViveTool の利用が許可されない管理方針の組織
まとめ
AI Actions は現時点で画像編集を手軽に行える便利な機能ですが、配布は段階的であり管理者やセキュリティ担当者と相談の上で導入することが重要です。手動有効化は ViveTool を用いることで短時間で可能で、問題があれば同様に無効化もできます。
ノート: この手順は将来の Windows アップデートや Microsoft の方針変更により変わる可能性があります。導入前に最新の公式ドキュメントや配布ノートを確認してください。
