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AGP_INVALID_ACCESS (0x104) エラーの原因と修正方法

3 min read Windowsトラブル 更新されました 15 Sep 2025
AGP_INVALID_ACCESS (0x104) を修正する方法
AGP_INVALID_ACCESS (0x104) を修正する方法

AGP_INVALID_ACCESS(エラーコード 0x104)は、GPU が不適切または割り当てられていないメモリへアクセスしようとして発生するブルースクリーン(BSoD)エラーです。まずはディスクイメージ/システムファイルスキャン(DISM / SFC)とドライバーの更新・再インストール、メモリ診断、BIOS 更新、システムの復元を順に実行してください。これらの手順で解決しない場合は、専用 GPU への切り替えやハードウェア検証(メモリ/GPU)を行ってください。

PC 背景で GPU メモリエラーを象徴するイメージ

AGP_INVALID_ACCESS(コード 0x104)は、主にデバイスの GPU がメモリに不正・未割り当てでアクセスしようとしたときに発生するエラーです。GPU は複雑な描画処理を行うためにメモリを使用しますが、割り当てられていない領域やアクセス権のない領域へアクセスすると、システムの不安定化、クラッシュ、ブルースクリーンにつながります。

重要な定義:AGP(Accelerated Graphics Port)とは、グラフィックス処理やフレームバッファ管理に関係するアクセス経路の概念を指す言葉で、本稿では「GPU のメモリアクセスに関連するエラー全般」として扱います。

目次

  • いつこのガイドを使うか
  • 基本的なトラブルシューティング(DISM / SFC)
  • グラフィックスドライバー関連の対処(更新/無効化/再インストール/ロールバック/専用 GPU 使用)
  • メモリ診断の実行
  • BIOS の更新手順(メーカー別の注意点)
  • システムの復元
  • 追加の対処法・代替アプローチ
  • トラブルシューティング用チェックリスト(役割別)
  • 決定フロー(簡易マップ)
  • 1行用語集と補足
  • まとめ

いつこのガイドを使うか

  • Windows 起動中に AGP_INVALID_ACCESS(0x104)のブルースクリーンが出る。
  • グラフィック負荷の高い処理(ゲーム、レンダリング、AI ワークロード)実行中にクラッシュする。
  • ドライバー更新や OS 更新後に同様の BSoD が増えた。

重要: ハードウェアの故障(不良メモリ、GPU の熱障害など)が原因の場合、ソフトウェア対処だけでは根本解決にならないことがあります。

1. DISM および SFC スキャンを実行する(まずはソフトウェア整合性をチェック)

手順(管理者権限のコマンドプロンプトを使用してください):

  1. スタートメニューを開き、cmd と入力し、「管理者として実行」を選びます。 管理者としてコマンドプロンプトを実行する方法を示すスクリーンショット
  2. 以下のコマンドを順に実行し、それぞれ Enter を押します。
DISM.exe /Online /Cleanup-Image /Restorehealth
sfc /scannow

これらは Windows のイメージとシステムファイルの整合性を検証・修復します。DISM がリモートの修復ソースを利用するため、実行中はネットワーク接続が必要です。

ノート: SFC が問題を検出してもすぐに修復できない場合は、DISM 実行後に再度 SFC を回すと改善することが多いです。

2. グラフィックスカード関連の対処(多段階)

AGP_INVALID_ACCESS は GPU のドライバーや設定に起因することが多いです。下記の手順を順に試してください。

2.1 ビデオカードドライバーを更新する

  1. Windows キー + X を押して「デバイス マネージャー」を開きます。 Windows のデバイスマネージャー画面
  2. 「ディスプレイ アダプター」を展開して、該当する GPU を右クリックします。
  3. 「ドライバーの更新」を選びます。 ドライバー更新のオプションを示すスクリーンショット
  4. 「ドライバー ソフトウェアの最新版を自動検索」を選択して、利用可能な更新をインストールします。 自動でドライバーを検索する操作画面

ヒント: GPU ベンダー(NVIDIA / AMD / Intel)の公式サイトから最新ドライバーを直接ダウンロードしてインストールする方法がより確実です。特に大きなバージョンアップ後はクリーンインストールオプションを使って古い残骸を消してください。

2.2 グラフィックカードを一時的に無効化してみる

  1. スタートの検索で「デバイス マネージャー」と入力して開きます。 デバイスマネージャーを検索して開く画面
  2. 「ディスプレイ アダプター」を展開し、対象の GPU を右クリックして「デバイスを無効にする」を選択します。
  3. PC を再起動し、問題が再現しないかを確認します。その後再びデバイス マネージャーから「デバイスを有効にする」を選択して戻します。 グラフィックデバイスの有効化オプション例

用途: 一時的に統合 GPU に切り替えて、専用 GPU が原因かどうかを切り分ける場合に有効です。

2.3 ドライバーの再インストール

  1. デバイス マネージャーを開き「ディスプレイ アダプター」を展開します。 デバイスマネージャーでディスプレイアダプターを表示
  2. 問題の GPU を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。 グラフィックドライバーのアンインストール操作画面
  3. 表示されるダイアログで「アンインストール」をクリックします。
  4. PC を再起動すると、Windows が自動的にドライバーを再インストールします。必要に応じてベンダー公式ドライバーを手動でインストールしてください。

2.4 ドライバーのロールバック

  1. Windows + X を押して「デバイス マネージャー」を開き、問題の GPU をダブルクリックします。
  2. 「ドライバー」タブを開き「ドライバーのロールバック」を選択します。 ドライバーを以前のバージョンに戻すオプションを示す画面
  3. 画面の指示に従って操作を完了します。

注記: 最新ドライバーで不具合が発生している場合、安定していた旧バージョンに戻すことで問題が解決することがあります。

2.5 専用 GPU(ディスクリート GPU)を使う/優先する

  1. デバイス マネージャーで内蔵(統合)GPU を無効化します。 GPU を無効化する操作画面
  2. ディスクリート GPU のコントロールパネル(例: NVIDIA コントロールパネル)を開きます。
  3. 「3D 設定の管理」などから「優先するグラフィック プロセッサ」で「高性能 NVIDIA プロセッサ」を選択します。 NVIDIA コントロールパネルの 3D 設定画面
  4. 高負荷時に専用 GPU を使う設定にして安定性を確認してください。 NVIDIA の優先 GPU 設定例

注: 専用 GPU のほうが性能とメモリ管理が優れているため、統合 GPU で発生するメモリ関連エラーが回避できるケースがあります。


3. Windows メモリ診断ツールを実行する(RAM のチェック)

  1. スタートで「Windows メモリ診断」と入力して起動します。 Windows メモリ診断の検索画面
  2. 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」を選択します。 Windows メモリ診断の再起動オプション画面
  3. PC が再起動し、メモリテストが自動で実行されます。完了後はイベントビューアーで結果を確認できます。
  4. F1 を押すとテストオプション(基本/標準/詳細)を変更できます。

ヒント: メモリに不具合が見つかった場合は、個々のメモリモジュールを差し替えて原因モジュールを特定します。


4. BIOS を更新する(マザーボード別の注意点)

BIOS 更新は効果的ですがリスクもあります。以下は HP を例にした基本手順です。メーカーやモデルにより手順は異なります。

  1. ベンダーのサポートページに移動します(例: HP のドライバーとソフトウェアダウンロード)。 HP サポートサイトの入口画面
  2. 製品のシリアル番号または機種名を入力します。 製品モデルまたはシリアル番号入力画面
  3. OS を選択し「送信」をクリックします。 OS 選択フィールドを示す画面
  4. 「すべてのドライバー」を開き、BIOS セクションを展開して更新があるか確認します。 BIOS 更新一覧を示す画面
  5. ダウンロードアイコンをクリックし、*.exe ファイルを取得します。 BIOS ダウンロードアイコン例
  6. 取得した実行ファイルを管理者権限で実行し、画面の指示に従ってインストールします。 BIOS 更新実行中の注意画面
  7. 更新後、PC を再起動してください。

重要: BIOS 更新の途中で電源断が発生するとシステムが起動不能になります。バッテリー駆動のノートは電源アダプタを接続し、デスクトップは停電対策をしてください。

効果: BIOS 更新はチップセットやメモリ周りの互換性、アクセスポリシーの改善を含むため、AGP_INVALID_ACCESS や INVALID_REGION_OR_SEGMENT のようなアクセス関連エラーが改善することがあります。


5. システムの復元を試す

最後の手段として、問題が発生する前の復元ポイントに戻す操作です。設定によっては復元ポイントが無いこともあります。

  1. スタートで「コントロール パネル」と入力して開きます。 コントロールパネルの検索画面
  2. 表示方法を「大きいアイコン」にし、「回復」を選択します。 コントロールパネルの回復オプション画面
  3. 「システムの復元を開く」を選択します。 システムの復元開始画面
  4. 「別の復元ポイントを選択する」を選び「次へ」をクリックします。 復元ポイントを選択する画面
  5. 復元ポイントを選択し「次へ」「完了」で処理を実行します。 復元ポイント選択と完了の画面例 復元の完了を示す画面

注意: システムの復元はアプリケーションやドライバー、システム設定を巻き戻します。重要なデータは事前にバックアップを取ってください。


追加のヒント・代替アプローチ

  • オーバークロックを無効化する:GPU/CPU のオーバークロックが原因でメモリアクセスが不安定になることがあります。オーバークロックを行う場合はストレステスト(例えば GPU ストレステスト、MemTest)を併用してください。
  • BSoD 修復ツール:自動診断を行う市販・フリーの BSoD 修復ツールで手順を省略できますが、ログの読み解きはできない場合があるため注意してください。
  • クラッシュダンプ解析:より高度な対処として、発生したクラッシュダンプ(.dmp)を WinDbg などで解析し、どのモジュール(ドライバー/カーネル/ハードウェア)でエラーが起きているか特定します。
  • ハードウェア診断:GPU 温度、電源供給、RAM スロットの接触不良、グラフィックスカードの物理的損傷も疑ってください。

いつ失敗するか(カウンター例):

  • ソフトウェア側の修復(DISM/SFC/ドライバー更新)だけでは、物理的に故障した GPU/RAM を治せません。
  • BIOS 更新がメーカー非推奨の手順で行われ、互換性が損なわれた場合。

代替案:

  • 別 PC で GPU をテストする。
  • 製品保証やベンダーサポートにハードウェア診断を依頼する。

トラブルシューティング用チェックリスト(役割別)

エンドユーザー(初心者):

  • DISM / SFC を実行した
  • ドライバーを最新にした(公式サイト経由)
  • Windows メモリ診断を実行した
  • BIOS 更新を行う前にバックアップをとった

システム管理者(中級):

  • クラッシュダンプを収集してログを保存した
  • ドライバーのロールバックとクリーンインストールを試した
  • 電源と温度ログを確認した

ハードウェア担当(上級):

  • メモリモジュールの交換テストを行った
  • 別 GPU・別マシンで同じ構成を再現した
  • ベンダー診断ツールでハードウェアチェックを実施した

決定フロー(簡易)

以下は、問題切り分けの簡易フローです。Mermaid 形式の図を使って視覚化します。

flowchart TD
  A[AGP_INVALID_ACCESS 発生] --> B{最近何か変更した?}
  B -- ドライバー/更新 --> C[DISM/SFC 実行 → ドライバー更新/ロールバック]
  B -- ハードウェア変更 --> D[メモリ診断 & GPU 温度/電源チェック]
  C --> E{改善したか?}
  D --> E
  E -- はい --> F[通常運転]
  E -- いいえ --> G[BIOS 更新 / システム復元 / ベンダーサポート]
  G --> H{物理故障の疑い}
  H -- はい --> I[ハードウェア交換]
  H -- いいえ --> J[さらに詳細なダンプ解析]

1行用語集(短縮)

  • BSoD: ブルースクリーン オブ デス(致命的なシステムエラー)
  • DISM: Windows イメージ修復ツール(Deployment Image Servicing and Management)
  • SFC: システムファイルチェッカー(System File Checker)
  • ロールバック: ドライバーを以前のバージョンに戻す操作

まとめ(行動プラン)

  1. まず DISM と SFC を実行してシステム整合性を確認する。
  2. GPU ドライバーを最新にするか、問題が出た直後ならロールバックする。
  3. Windows メモリ診断で RAM を検査する。
  4. 必要に応じて BIOS をメーカー手順に従って更新する。
  5. 最終手段としてシステムの復元やハードウェア交換を検討する。

重要: これらの手順を実施しても問題が解消しない場合は、クラッシュダンプの解析やベンダーサポートへ問い合わせることを推奨します。

その他: 同様の BSoD として DRIVER_VIOLATION や PCI_VERIFIER_DETECTED_VIOLATION なども存在します。個別のエラーについては当サイトのガイドを参照してください。

フィードバック: 本手順で問題を解決できたら、コメント欄で成功例を共有してください。

関連リンク(当サイト内の関連記事)

  • D3dx11_42.dll が見つからない:修正方法
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