Windows 11 の SrtTrail.txt BSOD エラーを修正する方法

重要: 以下の手順には管理者権限や再起動が必要です。重要なデータは事前にバックアップしてください。
主な目的と関連ワード
- 主目的: Windows 11 で SrtTrail.txt による BSOD を修正する方法を段階的に説明する
- 関連ワード例: SrtTrail.txt 修復、Windows 起動エラー、ブート修復、起動ループ対処、セーフモードでのマルウェア駆除
SrtTrail.txt エラーとは
SrtTrail.txt は Windows の起動時に自動修復が失敗した際に生成されるログファイルです。起動処理が繰り返し失敗すると、その原因追跡のためにこのログが表示されます。
用語定義(1行ずつ):
- SrtTrail.txt: 自動修復が記録する起動失敗ログ。
- BSOD: システムが致命的なエラーで停止した時に表示される青色のエラースクリーン。
発生タイミング: 通常は起動中に表示されますが、稀に動作中のエラーでも検出されます。画面上では「シャットダウン」か「詳細オプション」を選べます。
よくある原因:
- 互換性のないハードウェアや破損したドライバー
- マルウェア感染
- インストール済みソフトの破損
- システムファイルやレジストリの破損
- Windows ブート マネージャー(BCD)ファイルの破損
トラブルシューティングの全体方針
- 影響範囲を特定する(ハードウェア、ソフトウェア、外部デバイス)
- 簡単な対処(外部機器の切断、セーフモード)を先行
- ソフトウェア的修復(SFC、CHKDSK、bootrec)を実行
- システム復元やリセットで環境を復帰
注意: ハードウェア故障が疑われる場合は早めにデバイスの交換や専門家へ相談してください。
修復手順(ステップ別)
以下は優先度の高い順に並べた修復手順です。各手順の下に「チェックリスト」「失敗時の次の一手」を付けています。
ステップ 0: 事前準備
- 重要データをバックアップ可能なら外付けドライブ等へ保存
- インストールメディア(Windows 11 インストール USB)を用意できるとやりやすい
- 管理者アカウントの認証情報を手元に用意
重要: ここでの操作はシステムに影響を与える可能性があります。分からない場合はIT担当へ連絡してください。
ステップ 1: USB/周辺機器をすべて切断
- まずプリンター、外付けHDD、USBメモリ、カメラなどをすべて取り外す
- 最小構成で PC を再起動して問題が再現するか確認する
チェックリスト:
- すべての外部機器を外した
- 再起動してSrtTrail.txtが出るか確認した
失敗時の次の一手: 周辺機器のうち1つずつ接続してドライバーを確認する
ステップ 2: システムの復元を試す
- 自動修復画面で「トラブルシューティング」を選択
- 「システムの復元」を選び、復元ポイントを選択
- 管理者パスワードが求められる場合は入力
チェックリスト:
- 復元ポイントを選択した
- 復元後に起動するか確認した
失敗時の次の一手: 復元ポイントがない/無効なら次の「自動修復無効化」へ
ステップ 3: 自動スタートアップ修復を無効化(必要時)
自動修復が無限ループに入る場合、検証のため一時的に無効化します。無効化後に手動でブート修復を試します。
- 自動修復画面で「トラブルシューティング」を選択
- 「詳細オプション」を選択
- 「コマンドプロンプト」を起動
- 以下を入力して実行:
bcedit /set {default} recoveryenabled No
- 実行後、PC を再起動して挙動を確認
注意: このコマンドは自動修復を停止します。問題の診断を容易にしますが、恒久的な解決ではありません。
ステップ 4: コマンドプロンプトでブート修復を実行
ブート構成に問題がある場合、以下のコマンドで修復を試みます。
手順:
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を開く
- 次のコマンドを順番に実行します(各コマンドの実行後に Enter):
bootrec.exe /rebuildbcd
bootrec.exe /fixmbr
bootrec.exe /fixboot
注記: /fixboot が「アクセスが拒否されました」と出る場合、対象ディスクに別途権限付与やディスクの状態確認が必要です。
失敗時の次の一手: BCD を手動で再作成する、またはインストールメディアからの修復を検討
ステップ 5: セーフモードでマルウェアをスキャン
マルウェアが原因でシステムファイルが破損していることがあります。セーフモードでフルスキャンを行います。
手順:
- エラー画面で「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」を選択
- 再起動後、数字キーで「4」または「F4」を押してセーフモードを有効にする
- セーフモードで「Windows セキュリティ」を開く
- 「ウイルスと脅威の防止」→「スキャンのオプション」→「フルスキャン」を選択し、スキャンを実行
チェックリスト:
- セーフモードに入れた
- フルスキャンを実行した
- 検出された脅威を隔離/削除した
失敗時の次の一手: オフラインマルウェアツールやブート可能なウイルススキャナで検査
ステップ 6: SFC(システムファイルチェッカー)と CHKDSK の実行
システムファイルの整合性やディスクの不良セクタを検査します。
手順:
- 「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を開く
- SFC を実行:
sfc /scannow
(注: インストール環境によっては sfc /scannow がオンラインでのみ動作する場合があります。)
- CHKDSK を実行(通常は C: ドライブを指定):
chkdsk /f /r /x C:
- 完了後に再起動して効果を確認
失敗時の次の一手: 重要なファイルをバックアップしてからクリーンインストールを検討
ステップ 7: PC をリセットする(最終手段)
他の手順で解決しない場合、PC のリセット(Windows のリフレッシュまたはクリーンインストール)を行います。ファイルを残すオプションとすべて削除するオプションがあります。
手順:
- 「トラブルシューティング」→「このPCをリセットする」を選択
- 「ファイルを残す」か「すべて削除」かを選ぶ(配慮: 重要データは事前にバックアップ)
- 「クラウド ダウンロード」または「ローカル 再インストール」を選択
- 画面の指示に従ってリセットを実行
注意: リセットはアプリや設定を消去します。クラウドダウンロードはインターネットから最新の Windows イメージを取得します。
追加の検討事項と代替アプローチ
- ハードウェア診断: メモリ(RAM)やSSD/HDDの診断ツールを実行して物理障害を確認する
- ドライバーのロールバック: 最近のドライバー更新が原因の場合、セーフモードでドライバーをロールバック
- 外部ツール: 信頼できるブート修復ツールやサードパーティのディスク修復ソフトを検討
カウンター例(いつ失敗するか):
- ハードウェア故障(SSD の物理的不良)や極端なファイルシステム破損がある場合、ソフトウェア修復では復旧不可になることがあります。
決定フロー(診断フローチャート)
次のフローで優先順位を決めると効率的です。
flowchart TD
A[起動エラー: SrtTrail.txt 表示] --> B{外付け機器を切断済み?}
B -- いいえ --> C[周辺機器をすべて取り外す]
C --> D[再起動して確認]
B -- はい --> D
D --> E{セーフモードに入れる?}
E -- はい --> F[セーフモードでフルウイルススキャン]
E -- いいえ --> G[詳細オプションでコマンドプロンプトを実行]
F --> H{ウイルス検出?}
H -- はい --> I[隔離/削除して再起動]
H -- いいえ --> G
G --> J[bootrec /rebuildbcd /fixmbr /fixboot を実行]
J --> K{sfc /scannow と chkdsk を実行}
K --> L{問題解消?}
L -- はい --> M[完了]
L -- いいえ --> N[システムの復元またはリセット]
N --> O[リカバリ/リセットを実行]
O --> P[完了またはハードウェア診断へ]
役割別チェックリスト
一般ユーザー:
- 外付けデバイスを取り外す
- セーフモードでフルスキャンを実行
- 基本的な再起動とアップデートを確認
IT 管理者:
- bootrec、SFC、CHKDSK を実行
- ドライバーのロールバックと更新を管理
- 必要に応じてシステムイメージで復元
サポート担当:
- 画面のログ(SrtTrail.txt の出力)を収集
- ハードウェア診断ツールの実行
- ユーザーのバックアップとリセット方針を案内
SOP: 迅速な現場復旧手順(要 30 分)
- 電源を切り、USB 等外部機器をすべて外す(5分)
- 起動し、同じエラーが出るか確認(5分)
- 詳細オプション→コマンドプロンプトを開く(5分)
- bootrec コマンドを順に実行(10分)
- 再起動し、問題が続く場合は SFC/CHKDSK を実行(15〜30分)
- それでもダメならシステム復元、最終的にリセット
テストケースと受け入れ基準
テストケース1: 外部デバイスが原因
- 入力: すべての外部デバイスを取り外して起動
- 期待結果: 正常に起動する
テストケース2: マルウェアが原因
- 入力: セーフモードでフルスキャンを実行
- 期待結果: マルウェアが検出・隔離され、正常起動する
テストケース3: ブート構成が壊れている
- 入力: bootrec を実行
- 期待結果: BCD が修復され、起動成功
受け入れ基準: 最低1回の再起動で OS が正常なログオン画面まで到達し、主要機能が動作すること
リスクと軽減策
リスク: データ損失
- 軽減策: 事前に外付けにバックアップを取る、重要データのコピー
リスク: 誤ったコマンド実行でシステムがさらに不安定になる
- 軽減策: コマンド実行前に手順を確認し、可能なら IT 管理者が実行
1行用語集
- SrtTrail.txt — Windows 自動修復のログファイル
- BSOD — 致命的なシステムエラーを示す青色画面
- BCD — ブート構成データ(Boot Configuration Data)
- SFC — システムファイルチェッカー(sfc /scannow)
- CHKDSK — ディスク整合性検査ツール
- セーフモード — 最小ドライバーで起動する診断モード
まとめ
- まずは外付け機器の切断、セーフモードでのウイルススキャン、SFC/CHKDSK の順で試してください。
- ブート構成の修復(bootrec)やシステム復元が有効なことが多いです。
- それでも改善しない場合は、データをバックアップした上で PC のリセットやハードウェア診断を検討してください。
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